ピカルディの三度。~T.H.の音楽日誌/映画日誌(米国発)

May 4, 2008
XML
「ゴドを待ちながら。」

 名実ともにピアノ五重奏曲の原点であり頂点。シューマンのそれを練習した。パム(ピアノ)、ピーター(バイオリン1)、僕(バイオリン2)、セス(ビオラ)、ポール(チェロ)というクセモノ五人衆。

 過去の日記を読み返してみると、僕は 二年前に別の団体でこの曲に挑戦していて 、で、結局その団体は崩壊。今回の挑戦は吉と出るか凶と出るか。

 世にゴマンとある変ホ長調の室内楽曲のなかでも、華やかな曲想という意味ではこの曲の右に出るものはない。実際、冒頭にはブリリアンテって明記されてるし。
 難曲ではあるけど、健康的かつ高貴な作品。とても楽しく弾けた。

 さて、今日はほかの曲にも取り組む予定があるし、中間の楽章は軽く通して終わりにするはずだったのに、2楽章のテンポをめぐって奏者間で言い争いが勃発。

 二拍子かつ In modo d'una marcia ってことは行進曲風? でも Un poco largamente って書いてるし、基本的には遅い曲なはず。そもそもこの五重奏曲は緩徐楽章らしいものがないし、わざと遅めに弾いたほうがバランスがとれるのでは。
 途中の Agitato を生かすためにも、全体的に牛歩系行進曲にすることに一応は五人とも合意。葬送行進曲なのかもしれないし。



 最大の難所は意外にも最後、セカンドとビオラに五度の和音が出てくる。僕の大嫌いな五度の重音。しかもピアニッシモ。天上のハ長和音、音程を外したら一巻の終わり。緊張の一瞬。

 ちなみに、ここ、セカンドとビオラで一部の音を入れ替えるとだいぶ弾きやすくなる。←裏ワザ!

schumann.JPG





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  May 7, 2008 01:18:01 PM
コメント(7) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


('▽'*)ニパッ♪  
5度の和音って嫌ですよねぇ。
オケだと適当に分けて弾いてますが、室内楽での責任ある5度は死にたくなります。
私も、いつも積極的に裏ワザを考え出してます。あはは。 (May 7, 2008 11:50:14 PM)

Re:シューマン: ピアノ五重奏曲 Es Op44(その2)(05/04)  
かのん111  さん
「牛歩系行進曲」には笑いました!!ぴったりの表現!
おー、やっぱり葬送行進曲に聞こえますか!聞こえますよね!同感です!

ほんとだー、2ndは五度で終わってる~。
美しく不動の完全五度を目指して、がんばってくださ~い。 (May 8, 2008 09:33:58 AM)

追伸  
かのん111  さん
トラックバックをさせていただきました♪ (May 8, 2008 09:42:03 AM)

Re:シューマン: ピアノ五重奏曲 Es Op44(その2)(05/04)  
corcovado  さん
私が初めてなまで聴いたピアノ五重奏曲がこの曲でした。以来結構はまっています。
いつかは演奏もしてみたいなあ~と。(あくまで願望)でも、楽譜を捜しに行こうかな と思いはじめています。
そうですね。弦楽器はピアノでは考える必要の無い”音程”が大問題になるんですね。 (May 8, 2008 11:05:40 AM)

Re:('▽'*)ニパッ♪(05/04)  
あやこの部屋さん

>室内楽での責任ある5度は死にたくなります。

「責任ある5度」という表現に感動してしまいました。さすが、プロの方のお言葉は含蓄があります!

>私も、いつも積極的に裏ワザを考え出してます。

裏ワザって、どこまで許容されるのかわかりませんけど、例えば、上記のような箇所で、何も弾いてないチェロ氏に応援を求めるのは邪道なんでしょうか(笑)。 (May 9, 2008 06:51:34 AM)

Re[1]:シューマン: ピアノ五重奏曲 Es Op44(その2)(05/04)  
かのん111さん

>「牛歩系行進曲」には笑いました!!ぴったりの表現!
>おー、やっぱり葬送行進曲に聞こえますか!聞こえますよね!同感です!

行進曲にしては遅すぎますよね。どうもしっくり来ません。そもそも「行進曲」って、元気良い二拍子の音楽ってわけじゃないんでしょうね、必ずしも。

>トラックバックをさせていただきました♪

アンスネス/アルテミスねたと関連付けられるなんて光栄です! (May 9, 2008 06:56:22 AM)

Re[1]:シューマン: ピアノ五重奏曲 Es Op44(その2)(05/04)  
corcovadoさん

>私が初めてなまで聴いたピアノ五重奏曲がこの曲でした。以来結構はまっています。

僕もそうです。自分のバイオリンの先生が演奏会で取り上げられて、すごく印象に残りました。

>そうですね。弦楽器はピアノでは考える必要の無い”音程”が大問題になるんですね。

動きのある部分は多少音程がずれてても違和感はないんですけど(←こら)、こういうピアニッシモでハーモニーをつくるときなんて緊張しまくりです。 (May 9, 2008 07:01:19 AM)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ピカルディの三度TH

ピカルディの三度TH


© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: