今日も元気で

今日も元気で

2005.09.22
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トラックバックいただいた、かいちょーさんの  『 私が私立中学校を選択したのは。』  に
トラックバック返しさせていただきます。

     同じく、トラックバックいただいた、エイクマンさん、ひろ子・Kさんに
     お返事したものと前半が重複しますが、ご了承いただければと思います。



まず、 先日の私の日記  にて、
公立にも私立にも、色々と校風があり、それぞれに個性溢れる中学校が在るのに、
それを全て、一緒くたにして私立を斬るような、乱暴な日記となり、


誠に申し訳なく思っております。


せめて、投げかけただけの意味は、在って欲しい、と
無責任にも祈るような想いではあります。


以下は言い訳です。
私のあの日記で、後付けながら、今はっきりさせておきたいことは、


●当時の私には、二校択一しかなかったこと。

 荒れ果て、自分自身が政治闘争にまで巻き込まれてしまうかも判らない公立中学。
 席まで決められたスクールバス完備の中高一貫教育で、
 歴史は浅いながら、有名難関校合格を目的とする私立中学。
(合格を確実にするため、個別指導が徹底し、殆どの生徒に学習塾入塾を必須とし、
 その塾まで各人によって個別に指定される)。



●もうひとつ。私は、10数年、女子社員の採用に従事し、社員教育は20数年担当して来ました。
 私が面接した学生は、千名をゆうに超えます。

 ひとを類型化したり、レッテル貼りをするのは、私の1番嫌いなことですが、
 どうしてもある傾向が、どうしても浮き上がってくる。

 有名私立中高→難関・有名国立大、私大の学生たちに、


 それに加え、中高と公立に在り、大学は私大であった私自身の体験でも。
 そして、就職し、そこでの体験、実績を重ね、採用と教育という場での体験でも。
 町内やマンションの理事会、PTAで。

 リアルな様々な事件、様々な人間模様。

【打たれ弱く免疫力のない、ひ弱くも倣岸不遜な怪物】が、そのまま社会に在ったとき、
 様々な場面で、如何に無意識に、或いは故意に、
 ひとを傷つけ、踏みにじり、ものごとをややこしくさせてきたか。


 私の少年が選択できる私立は、
 私がめぐり会った幾多の人々、幾多の事件のなかで。

【 異なる環境、異なる考え方をするひとへ寄せるこころを持てず、
  異端視することで安心し、打たれ弱く免疫力のない、ひ弱くも倣岸不遜な怪物 】
 が多く生産されていくように感じられる私立でした。



私は、私の少年が、建前でも、地域に見守られながら、地域を愛し、
中学校の柵のなかで揉まれ、【 皆と共に 】、強く、逞しく、
育って欲しかった、のです。
(何より経済的にも無理でした。 3年後には下の少年も待ってるのですから)。



選挙後、結果に茫然としていたとき、
日本の貧困率、経済格差の増大、教育格差への連動。
これらの数字データを識り、パチン、とハジけてしまいました。

どんな学校へ行こうとも、もちろん、そのお子の力、努力次第です。
どの学校を選ぼうとも、もちろん、そのご家庭ご家庭の自由なのです。

ただそこに。
経済的事由にて、選べない、選びたくても選べないお子もいるのだと。
『ゆとり教育』に名を借りた国策が透けて見える、そこへ
抵抗もできずにハマり込むことを余儀なくされるのだということ。
そのくせ、あと2年で大学全入時代を迎えると言われていること。
このことは、みんなできちんと識っておきたい、伝えたい。
そんなような想いでした。


私は、PTAで内に在り、「NO!」と感じることは「NO!」と言いたかった。
歯を喰いしばって頑張っている先生方をサポートしたかった。


私立中学に学ばれた方、お子が学ばれている方を決して責めた訳ではないのです。
ただ、私と少年たちを取り巻く状況は、このようなものであり、
私の場合はこうだった、ということです。



  ◆ ◆ ◆



もうひとつ。 誤解を恐れずに申し上げます。



先の日記で、私は


    「最初から選別され」「同じような経済環境の」
    「同じような理念での教育を目指す」「同じような知的好奇心レベルの」
    狭い狭い環境で育って欲しくなかった。

    そんなものは現実社会でもなんでもない。

    その状態を「フツー」と思い込んで育ったら、
    私の少年の「他者の存在様式への想像力」は、どうやって培われるだろう。



と書きました。

おそらく1番、皆さんが反発を抱かれたところではなかったでしょうか。

でも、私のここも一緒に読んで下さっていたでしょうか?



    自分がいわゆる「五体満足」であるということを識ること。
    それは、たまたま今そうであるのであり、
    たまたまそうではなかったお子が在る、ということを識り、
    机を同じくし、自分にできること、考えなくてはいけないことを識ること。

    どうあったら、皆にやさしい社会であるか、頭ではなく肌身で感じること。




前の文章は、後の文章に掛かっていたのです。
私は、本当は、これを1番申し上げたかった。


これが、私の、公立学校のよくあるスローガン『 共に学び、共に育つ 』に
大きく心を寄せ、言の葉だけのものにするまいぞ、と
希望の光のよすがにしている所以です。




私の時代は、「障碍」を抱えるお子たちは、『特殊学級』と銘打たれ、
学校の隅っこや裏側の目立たないところで、ひっそりと隔離されている時代でした。

私はそういう学級が自分の学校に在ることも識らず、
何も考えず、何も意識せず、「障碍」と自分とは何もかかわりのない、
ひとごと、遠い物語、悲しい、可愛そうなお話、としてだけ認識して生きて来ました。


学生時代、とある大きな事件をきっかけに、
私は、如何に自分自身が恵まれ、倖せに生きてきたかを思い知りました。

そして、私はたまたま、今、元気で在れるだけであり、
いつ、何処で、私が両親が、弟が、事故や病で心身にダメージを受けるか解らない。
これは、ひとごとではないのだ、と。


これまで「関係ない」で、生きて来れたことこそが、
この社会の抱える問題なのだ、と識りました。


何のことはない、私自身が【 他者の存在様式への想像力 】に欠けていたのであり、
私自身が、最大の敵でした。


これまでの脳天気な自分の在り方を痛烈に振り返り、
目の前の方々に心を寄せ、共に在ろう、と願い、想い、
自分に何ができるかを必死に考える。

それなのに、いざ、心身に「障碍」を持たれている方々に街中で出逢えば、
自然に接することができない自分。
直接こんなことを言ったら。
こんな風にこのひとを見つめたら、こういう風に思ったら。。。
それら全てが、「『障害者差別』になってしまうのでは?」と自問自答で雁字搦め。
考えすぎて動けなくなる。
大事なときに大切なことが言えない。動けない。

私は、常にダメダメな自分自身と対峙し、ずっと苦しんで来た。


しかし、上の少年は、この地の小学校で、
「障碍」をもつお子と机を並べ、常に共に在り、共に学び、
共に育つのが、当たり前として育ってくれました。

運動会、学習発表会等、様々な場面で、様々な事件が起こり、
皆で悩み苦しみ、クラス同士の争いとなったり、
担任を交えた保護者同士の長い話し合いになったり。

あっちへぶつかり、こっちへぶつかりながら、
それでも結局は、皆で素晴らしい結論を出し、皆で共に頑張って来ました。
私たち保護者も、たくさんの大切なことを学びました。


彼らには、心の中で、特別に考えなくても、
どんな街が「皆にやさしいか」。
皆にやさしいためには、どんな建物でなくてはならないか。

彼らには、道路はこうでなくてはならない、階段はこうでなくてはならない。と
改めて考えなくても、誰に教えられなくても、
もう、肌身でそれを識っているのです。

将来、彼らが成長し、社会を担っていく年代になったとき、
この社会は、どんなにやさしい社会になっていくだろう。


歳だけ喰って、ダメダメな私たちに、
そんな希望の光をもたらしてくれたのです。


  ◆ ◆ ◆


かいちょーさんは、最後の方で、こう書かれました。



 > 学友が均質化されていることの弊害は確かにあるでしょう。
 > わたし自身が“打たれ弱く免疫力のない、ひ弱くも傲岸不遜”な
 > 子どもだったかもしれません(そうは思いたくありませんが)。
 > けれどそれこそ、現実社会で揉まれれば否が応でも身につけざるをえない部分じゃないのかな?



私は、私の少年たちを大学へ進学させることは考えていなかったのです。

しっかりプチ現実社会で、揉まれ、学び、
本当の現実社会で、もっと厳しいものに揉まれても少々のことではへこたれない、
逞しい、そして手にスキルを持つ、少年たちに皆と共に育って欲しかった。


そして、何より私は、
私の少年が、いわゆる「五体満足」であるということを識ること。

それは、たまたま今そうであるのであり、
たまたまそうではなかったお子が在る、ということを識り、
机を同じくし、自分にできること、考えなくてはいけないことを識ること。

どうあったら、皆にやさしい社会であるか、
頭ではなく肌身で感じて欲しかった。

遠い将来、もし自分の身や自分の子の身に降りかかったら、
頑張ってそれに立ち向かえるような勁いこころを培って欲しかった。


そして、私のこの1番の願いは、成就した、と有難く思っています。


それは、先生方のご努力と、皆の頑張りと、
再三の養護学校への転出要請に負けず、へこたれず、頑張り通して
卒業してくれた「障碍」を持つ友人たちによって。


ペン強風







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Last updated  2005.09.22 18:03:12
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