さくさく堂のシナプスな存在
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昨日テレビでは、光市の母子殺害事件の差し戻し審の結果を流していました。裁判の結果の感想はいろいろ書かれたり言われたりしているので、改めてここには書きませんが、差し戻し審で高裁に戻ってしまうと、また上告できるのか、まだこの裁判は続くのか、というのが一番の驚き。ここではちょっと別な視点から。本村さんの記者会見では、最初に「会社名と名前を名乗って質問してください」と言って始まりましたが、途中、「○○新聞ですが」と、自分の名前をすっ飛ばして質問に入った方がいらっしゃいました。故意に名前を言わなかったのならば論外なので、「名乗るのをうっかり忘れちゃった」ということにします。世間的に非常に注目されている裁判で、遺族の本村さんはある意味スターのような存在。その本村さんから、ニュースで使えるような発言を得る。場合によっては、彼を怒らせたり泣かせたりするような際どい質問をしたほうがいい。それを、ほぼ生中継の一発勝負の記者会見で、簡潔に効果的にしなければならない。それは極度に緊張することだと思うので、そこでうっかり名乗るのを忘れてしまうことはあり得ると思うんですね。でも、フリーのジャーナリストだったら絶対に、「うっかり」名乗ることを忘れたりしないんですよ。ここで名乗るのを忘れてしまったことって、社名で仕事をしている象徴だと映りました。テープ起こしは、多くの場合無記名です。記名なんか求められていない仕事が多いんですね。話された言葉をそのとおり、一言一句たがわずに文字に書き起こしていけば、それは誰がつくっても同じ原稿になる。個人による差異はつまり間違い(聞き間違い・書き間違い)である、と考えられてきた歴史があります。そこには個性とか、文章力とか、教養というものが入り込む余地がないように見えます。そんなことはなくて、たとえ話した言葉をそのまま書き起こす原稿でも、個性や文章力や教養の差が出るんですけどね。講演録や議事録としてある程度筋道の通った文章までリライトしていく場合は、さらにはっきりと差が出ます。メーカーや販売業のコールセンターの方は、ほぼ100%名乗るようになりましたね。なのに、世の中に何かを伝える仕事のジャーナリストが名乗るのを忘れるなんて、「うっかり」だろうとなんだろうと大ちょんぼだと思うんですが、テープ起こし者だって、ちゃんと名乗っていったほうがいいと思っています。被告の弁護団の記者会見のほうは、あるテレビ局が締め出さたそうです。テレビ局を締め出す弁護団のほうに問題があるのか、締め出されるようなことをしたテレビ局が悪いのか、ネットの情報は断片的で判断できませんが、ジャーナリストの報道姿勢が目についた裁判でした。
2008年04月23日
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