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TLM50は平成12年に近所の解体屋から3台纏めて格安で仕入れており、一番程度の良かった1号機は全バラの上、修理完了。次に程度の良い2号機を今回修理しているのだが、欠品部品もあったので錆びも酷く欠品部品だらけで一番程度の悪い3号機の部品取り車から使えそうな物だけ保管し、裸のフレームは処分していた。
その保管部品の中にエンジンもあるのだが、外観が一番汚いのでおのずと中も期待は出来ないと思い、転がしていたのであるが、ここに来て一抹の望みを掛けてピストンの状態を見てみることにした。
先ずはエンジンの掃除からだ。ターンテーブルの上に紙を敷いてスクレーパーやホイールワイヤー、マイナスドライバー、サンドペーパー、ボンスターなどを駆使して磨いて行くとアルミ地が甦って来た。
次はいよいよヘッドナットを外して行くのだが、2号機は錆が酷く電動インパクトの力を借りないと緩まなかったのだが、3号機はどうだろう。先ずは手始めに12ミリのソケットを突っ込みラチェットレンチで試してみると、拍子抜けに直ぐに緩んだ。4本共ゆるゆる状態だった。
シリンダヘッドもすぐ外れピストンの頭とご対面。ヘッドの裏側のカーボンはさほどでも無いが、ピストンは黒いカーボンがかなり堆積している。やはり思った通り3号機の程度が一番悪い。
次はシリンダを抜いて行くのだがこれも力を掛ける間も無く直ぐに外れた。どうやらこのエンジンは一度開けられているようだ。シリンダからピストンを抜いてみると、汚い!混合ガスが吹き抜けたと思われる黒いカーボンがピストンの両脇に付着して黒ずんでおり、リング付近は真っ黒だ。やはり3号機の程度が一番悪い。
だが、よく見てみると、汚れてはいるが、ピストンにもシリンダにも傷は皆無だ。クランクの錆びもほんの僅かなので、2号機のエンジンよりはこちらの方が程度が良いと判断できる。
ピストンの汚れは、ピストンリングの摩耗で燃焼室の混合ガスがクランク側に吹き抜けた痕だと思われるので、ピストンリングを新品に交換すれば解決できるだろう。と、言う事で2号機のエンジンを部品取りに回して、3号機のエンジンを使用する事に決めたので、ピストンをコンロッドから抜いてみることにした。両側のピストンピンクリップをラジオペンチで外し、ピストンピンを押し出そうとするもビクともしない。クランクに繋がるコンロッドはデリケートな所なのでハンマーで叩き出すような事はしてはならないので、ヒートガンで炙って、エンジンの始動状態にしたらすんなり抜けた。
「人もエンジンも見かけで判断してはいけない。」と言う事を改めて悟った暑い夏の昼下がりであった。
一番程度が悪いと思われる3号機のエンジン
ヘッドナットもプラグもサビサビ
カーボンがしっかり溜まったピストンの頭
混合ガスの吹き抜けによると思われる汚れのあるピストン
シリンダから抜いたピストンと意外と綺麗だったスタッドボルト
コンロッドから外したピストンの部品
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