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2025.07.08
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カテゴリ: HONDA TLM50/2号機


ヘッドカバーの燃焼室のカーボンを落とし、ガムテープで養生を行い、プラグホールに詰め物を入れ、フィンの間に挟んである振動止めのインサートラバーを外し、シリンダーも上下のガスケットの部分をガムテープで養生し、簡易サンドブラストで耐熱塗料を剥離する。エンジンフィンの塗装剥離はワイヤブラシでやる人もいるが、この部分はサンドブラストが圧倒的に早く、綺麗に仕上がる。ブラスト後艶消しブラックの耐熱塗料を吹いたら完了である。
2号機の塗装済みクラッチ側エンジンカバーに取り替えようと、3号機のカバーを開けてみたら、汚い。クランクケースの底にペースト状の不純物が張り付いており、クラッチのロッドも錆が見える。そこで両機を比較して考えた。
2号機の状態⇨ピストンとシリンダーに縦傷あり。スタッドボルトが1本が酷い電触錆、もう1本はナットが固着して回らず、クランクケースからボルトが抜けてしまった。その他の機関は異常無し。
3号機の状態⇨エンジン内部が汚い。クラッチロッドに錆びあり。ピストン、シリンダーは無傷。スタッドボルトも錆は無い。
以上の事を勘案すると、2号機に3号機のスタッドボルトとピストン、シリンダー、ヘッド等を移植するのがベストな方法だと言う事が導き出されたので、2コ1の作業に移る。
先ずはスタッドボルトの移植からである。電触で真っ白に錆びたボルトを抜くためダブルナットにメガネレンチを掛けて力を入れるも緩まない。渾身の力を掛けるとボルトが曲がったり、クランクケース内で折れる事も予想されるので、バーナーで炙ったら何とか緩んだ。
もう1本のボルトはクランクケースからは外れているのだが、ヘッドナットが固着して緩まないので、反対側にナットを取り付け、これもバーナーでナットごと炙ったら緩める事が出来たので、3号機の綺麗なボルト2本を抜きに掛かる。こちらはダブルナットで簡単に外す事が出来た。
傷の入ったピストンをコンロッドから外し、カスタムジャパンから届いた新品のピストンリングを取り付けるのであるが、SMでは「Nの刻印を上にして取り付ける。」とだけしか表記が無い。セカンドとトップのリングは違うらしいので、ネットで検索すると答えがあった。
両リングにRNの刻印があり、刻印を上にして取り付ける。トップリングは断面が台形になっており、セカンドリングは緑色のラインがある。これで謎は解けたのだが、リングにRNの刻印を探すのが大変だった。50ccの細いピストンリングに刻印された小さな細い文字は通常の老眼視力では見える筈も無く、スマホのルーペソフトを使用するもブレて見えない。大きな天眼鏡を持ち出しても確認出来ず、2倍鏡でやっと見えた。困ったものだ。嵌め込んだピストンリングは何れもピストンの溝のストッパーに合い口を合わせる。これがズレるとビストンは絶対にシリンダーに入らない。今回はピストンリングセットを購入したので、セカンドリングの奥に嵌めるエキスパンダも付属していたので、これも新品になる。
次はシリンダーの塗装用マスキングを全て剥がし、リードバルブガスケットAを挟んでリードバルブを取り付ける。ガスケットBは廃番だったので、Bを残して外していたので助かった。3号機のリードバルブはガスケットBを誤って剥がしてしまう失敗をしていたのだ。このガスケットは分厚く、リードバルブの部品をセットする穴が開けられている特異な形状なので作成は難しいだろう。
排気ポートからマフラーガスケットを外して、インパクトドライバーに装着したワイヤブラシで煤を落としポート内を磨く。作業が終わったら、エアーを吹いてパーツクリーナーで洗浄し、シリンダー内壁にエンジンオイルを塗って置く。
いよいよピストンとシリンダーの取り付けだ。ピストンピンも新品にしたのでコンロッドにすんなりと通る。両端のピストンクリップを入れるのに少し手間取ったが、ラジオペンチで何とかセット出来た。クランクケースとシリンダーの間にガスケットを入れてシリンダーをスタッドボルトに通し、ピストンを真っ直ぐに保持して挿入するとセカンドリングまでシリンダーに入ったので、プラハンで微妙な調整のために、シリンダーを軽く叩きながら真っ直ぐに入れて行くとピストンが上がって来た。フライホイールを回してピストンの動きを確かめたが、非常にスムーズである。がたつきも無い。鉄のガスケットを挟んでシリンダーヘッドを取り付け、ヘッドナットを1.8~2.2kg-mのトルクで締めて完成である。

ブラスト前のシリンダーヘッド

ブラスト後のシリンダーとシリンダーヘッド

緩まないスタッドボルト

頭が凸凹のピストン(左が2号機/右が3号機)

リードバルブとガスケット

リードバルブを取り付けたシリンダー

ワイヤブラシで研磨中の排気ポート

クランクケースとシリンダー間に入るガスケット

新品のピストンピンとクリップ

新品のピストンリングとエキスパンダ

ピストンピンを通したピストン

シリンダーに収まったピストン(INの刻印が吸気側)






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Last updated  2025.07.08 05:31:34
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