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2008/06/04

四川大地震　建築基準を満たした校舎は倒壊しなかった

(2)

テーマ：健康管理・増進、病気予防、抗加齢（若返り）、長寿、豊かさ探求(9051)

カテゴリ：その他

いつもありがとうございます。
ツイてる抗加齢（アンチエイジング）実践家てるです。

今日の１通目
新型インフル対策進む　社内での面会制限や機内にマスク配備

中国政府が定めた新築予算基準をきちんと守れば、
四川大地震で学校の建物が倒壊せずに済むことを実証されたようです。
賄賂や腐敗が原因の人災が被害を大きくしたことは間違いない事実なので
地震大国日本も建築基準に合わせた補強工事や実効ある避難訓練をする
必要があると思います。

中国ほどではないでしょうが、賄賂や腐敗は少なくないようです。

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５月１２日に四川大地震が発生してから、日を追うごとに地震で尊い命を奪われた人の数が増えた。２６日の中国政府の発表によれば、死者は６万５０８０人に達し、負傷者は３６万５８人、行方不明者は２万３１５０人だという。

一番ショックを覚えたのは、小中学校の校舎の倒壊だ。生き埋めとなり、やがて幼い命の火ががれきの下で消えてしまう。毎日、テレビのニュースを目にする度に、涙が溢れ出て、大地震の被災者のために何かできないかと思い、被災者を応援するためのチャリティーコンサートを東京で開催する呼びかけ人となり、募金活動にかかわった。

集まった募金は，中国大使館を通じて被災者に届けられた。しかし、それで心の痛みは消えない。なぜ幼い子供たちをこんなむごい目に遭わせなければならないのか。そう思うだけで、締め切りを迎えた原稿を書く気力を失い、殺人的なスケジュールに追われているのを口実に、原稿を出さないまま日がどんどん過ぎた。

私の心の痛みを理解してくれた編集者も沈黙を保ち、一度も原稿の催促をしなかった。プロの書き手としての私の自覚と責任感を信じ、辛抱強く原稿の仕上がりを待ち続けていた。

四川省の中学校長が事前に補強工事と避難訓練を行う

そんな中で私は救われる思いがした２つのニュースに接することができた。

ひとつは新華社通信が５月２４日に配信したもので、「被災地の農村中学校の校長のリスク退避意識」という、やや平凡なタイトルのレポートだ。

震災中心地の北川に隣接する四川省安県の桑棗中学校は、地元では人気が高い有名な進学校だ。そのため一クラスの学生が８０名に達するほどで、教室の中にすし詰めのようにぎゅうぎゅうと学生が詰めこまれている。

しかも、同中学校には、竣工検査を受けていない実験教育用の教室棟があった。８０年代、経費に苦しんだ学校当局が正規の資格をもたない建築会社に頼んで建ててもらったものだが、施工後の法定検査をしてくれるところはなかった。１７万人民元で建てられた１６の教室がある。教師たちも生徒たちもこの教室棟の危険さを理解し、利用を拒んでいた。

こうしたいきさつを知った後任の校長である葉志平さんは、この教室棟の補強のために八方手を尽くして資金を調達し、４０数万人民元を注ぎ込んだ。太さ３７センチの柱を５０センチになるまで補強し、大理石のタイルを貼り付けるときは固定用の金具を壁に食い込むまで打ち込んだ。

さらに２００５年から、一学期に一度の緊急避難訓練を開始した。避難の路線が定められ、生徒たちの移動経路と避難場所も指定された。先生たちの所在位置は廊下の曲がり角と決められた。子供が一番転びやすい場所だと判断したからだ。毎週火曜日には、安全教育の時間が設けられ、交通安全と飲食衛生についての授業が行われる。

５月１２日、地震が起きたとき、同校の生徒と教師は普段の訓練通りに秩序よく避難した。各教室棟の各教室から走り出した２２００人の生徒と１００人以上の教師が運動場に逃げ、クラス単位で、生徒が真ん中に教師が外側に立って整列した。かかった時間はわずか１分３６秒だった。

補強した教室棟もびくともしていなかった。学校外の建物は１００％倒壊した。９０名以上の教師の家は完全に崩れてしまった。家財道具が残らずがれきの下に埋まってしまった教師も７０人以上にのぼった。

しかし、この中学校の生徒と教師には死亡者は出なかった。

日本や中国に限らず、小中学校の校舎の点検と補強工事をすみやかに

もうひとつのニュースは、すでに中国で大きな話題となっているものだ。

震災中心地の北川県曲山鎮海光村にある劉漢希望小学校は、中国のインターネット利用者から「歴史上もっとも自慢できる希望小学校」と呼ばれている。

地震発生時、この小学校の教室棟には４８３人の生徒と２８人の教師と職員がいた。しかし、地震で蛍光灯が落ちて１人の生徒が軽い傷を負ったのを除いて、死傷者は１人もいなかった。

地震がおさまり、生徒と教師たちがようやく落ち着きを取り戻した時、学校周辺を見ると建物という建物が全部倒壊していた。同小学校の副校長がメディアの取材に自慢げに紹介した。「わが学校では、教室棟だけでなく２つの学生宿舎棟、１つの教職員宿舎棟も問題なかった」

平均建築コストがわずか１平方メートルに４００人民元だったこの学校の建物が倒壊しなかった理由は、建築基準のおかげだとしか説明のしようがないと同校関係者は言う。１平方メートルに４００人民元というのは、中国政府が定めた公立学校の新築予算とほぼ同じだ。

そこで私は考え込んだ。つまり、中国政府が定めた新築予算基準をきちんと守れば、学校の建物が倒壊せずにすむことを実証したのだ。それでは、なぜあんなに多くの校舎が倒壊したのか。賄賂や腐敗といった言葉が脳裏に浮かんだ。震災地の教育官僚が刑務所行きになる光景も重なって見えてくる。

それを悟った地方官僚がいた。四川地震発生の翌日、雲南省の副省長は、全省の中小学校の全危険校舎の８６％に相当する５４６万平方メートルにのぼる危険校舎を、５年以内に断固として解体すると宣言した。

日本でも，古い校舎は最新の耐震基準を満たしていないところが多いという。四川大地震をきっかけに，改修工事用の予算を積み増すといった処置をする地方自治体が相次いでいる。阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震の場合は早朝や休日に揺れたが，これがもし平日の昼間だったら被害はもっと拡大していたと指摘する人もいる。日本や中国に限らず，子供はもっとも貴重な宝だ。小中学校の校舎の耐震強度の点検と補強工事はすみやかに実施してほしい。

（出典：日経ＢＰｎｅｔ）

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