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重要な参考資料です 第13回株主の権利(2003.3.4http://homepage3.nifty.com/writersgym/money3.html日本企業とアメリカ企業の株主に対する収益還元格差をご紹介しましょう。ある会社の株式を100万円相当分買って一年間に受け取る配当金は、下記の表のとおり日本とアメリカで2~5倍以上も違います。銘柄 業種 配当金(円) 東京三菱銀行 金融 11,440 J・Pモルガン 金融 71,980 武田薬品 医薬品 13,760 イーライ・リリー 医薬品 28,420 トヨタ 自動車 10,090 GM 自動車 71,060 日立 電機 6,122 G・E 電機 31,600 (2003・2・28終値より計算:為替1ドル=120円換算) さらに大きな違いが株主の持ち株数増加率です。アメリカの上場企業は株価上昇が一定期間続いたとき、必ず株主から株式分割を要求されます。イーライ・リリー社という世界有数の薬品会社株を1986年に100株買い、今日まで保有し続けた株主は相次ぐ株式分割により持ち株が506株に増えております。同じく1982年にJ・Pモルガンを買った投資家は2000年に686株という調子で、高額配当金を受け取る以上に持ち株数の増大という次元から、株主の富を蓄積することができたのです。 20年前に日立製作所の株を1000株買った投資家は1994年の1対1.05割当無償増資を受け取ったところで1,050株の個人株主にすぎませんが、その期間に同じ株数を買ったG・Eの株主は6,748株の”大口投資家”に伸し上がっていきます。 マイクロソフトやインテルなど成長株の場合は現金配当支払いを嫌う傾向が強いことから、その分だけ株式分割がひんぱんとなります。デル・コンピューターのように7年間で7回の株式分割が行われた場合、1992年に100株買った投資家は1999年の1,898株まで、約19倍に持ち株数が増えました。 日本的経営の根源は「人のマワシ」で相撲を取るところにあると私は考えております。つまり究極のお手本は中国の宦官や旧ソ連のノーメンクラツーラを思わせる、企業官僚(ビューロクラシー)の統治システムにあったとご理解ください。日本の大企業は「会社は経営者と従業員とメインバンクと総会屋の利益共同体」という共同体幻想にドップリ浸りきり、株主の存在をパラサイト(寄生者)扱いしてきました。会社という利益共同体が生んだ成長果実は、労働分配率の上昇やフリンジ・ベネフィットの加算、使途不明金の増加というかたちを借り、会社の内部で公然山分けされてきたわけです。そもそも資本を提供した株主に対し、還元すべき配当金を“社外流出”と呼ぶ慣習ほど倒錯した逃げ口上はありません。「一時的かもしれない好況に浮かれ、安易な増配で社外流出を増やすわけにいかない」、あるいは「自分たちだけでは食べきれない。このさい余ったご馳走は庭のポチやジョンにもくれてやろう」という決算説明会のホンネが日本的経営のエッセンスを語ります。 増収増益時に株主に収益還元することが資本主義の原理原則でありながら「好況のときは不況に備えて内部留保、知らない間にだらだら使って、不況が来たら減配無配」という業務上横領に近い日本的経営。犬っころ扱いされた株主は業績向上を好評価した株式市場での値上がり益以外に得られるものがほとんどありませんでした。 個人投資家をサーファー気取りで株式市場の危険な波乗り(売ったり買ったり)に追いやった原因は、資本主義の原則を忘れた守旧派企業経営者と源泉分離税制にあったと私は確信します。 そもそも株式会社制度のタテマエは不特定多数の資本家や小口投資家の出したカネを雇われ経営者が運用し、生まれた利益を彼らに還元するところにあったはずです。カネを出す人が「俺の会社だ」と実際に会社を運営した場合、当人が無能力者という理由で倒産する悲劇を防ぐためと考えられます。そのため多くの大企業では「金は持っていなくても経営能力は優秀」という人びとに運営を委託してきました。ところが従業員本位制の行き着く先は「会社は存続するために存在する」という本末転倒に至り、やがて多くの日本企業のように「会社が倒産するまでの事業継続」そのものが最終目標となってしまったのです。なぜ多くの経営者をここまで傲慢にさせてしまったのか。大口資産家の株主が名義の書き換えを怖がり、本当の出資者として株主の権利を主張しなかったからと私は考えます。 我が国の株主は前述外国株にみられる高額配当金や頻繁な株式分割をなぜ要求しなかったのでしょうか。1銘柄で年間10万円以上の配当金を受け取る株主は、会社側から株主の住む所轄税務署に配当金支払い調書を郵送されてしまったからです。 株の売買に源泉分離課税を認め、保有については総合課税というダブルスタンダードがいかに戦後日本企業を歪めたか。欧米の会社では株主に送られる年次報告書の冒頭文さえもユア・カンパニー……と始まり、日本のように「我が社は、当社は……」という尊大な表現が許されません。 さて、株主が会社の経営チェックを行う手段は、株主総会に出かけて文句を言う方法と、持ち株を売って利害関係者のサークルから立ち去る方法の二通りにわけられます。総会に出かけて文句を言うやりかたは手間がかかってしまうのです。おまけに日本の経営者仲良しクラブは株主総会の開催日を全企業が談合したかのように毎年六月末日の特定日に一致させ、複数会社の株主をどちらか一社にしか出席させない陰謀を企んできました。若くて屈強な従業員株主を総会会場の最前列に座らせ、一般株主を威嚇させるセレモニーはあまりにも有名な光景です。こうした陰険姑息な妨害を乗り越えてでも、経営改革を主張しようという株主は、そうざらにいません。これに対し、持ち株を売却して会社ときれいさっぱり縁を切るほうがよほど簡単だからと想像されます。 全投資家が自覚して「こんなに株主を馬鹿にした会社の株を買うのはやめよう」と意見が一致すれば、株価は暴落して経営者を脅かすパワーになり得るのですが、世の中はそう簡単に行きませんでした。企業収益の向上分を株主に還元しなくてもかまわない投資家、つまり法人持ち合い株主や生損保の馴れ合い機関投資家が日本にはたくさんいたからです。 こうして日本の株式市場では株主が自分の会社に出かけて文句を言う以前に、持ち株を売る意思表示が不信任投票の証しとなって幾年月。ちなみに我が国の個人投資家が株式を売買する年間回転率は欧米投資家の約2倍のピッチと見られます。優良株を長く保有して会社の成長に我が資産を預ける、という資本主義本来の姿が敬遠され、売ったり買ったりの東京ギャンブルマーケットが肥大化した原因はそこにあると私は考えます。多くの個人資産家が外国株を買わない理由も、外国株は「配当金が多すぎて」そのため税務署が怖くなってしまうからに違いないでしょう
2004年02月01日
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