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鳥インフルエンザを防ぐ理由[わけ]。1月7日の朝日新聞に掲載された「パナデミックの脅威」によれば災害などでの死者や行方不明者数の被害想定は新型インフルエンザが64万人[ちなみに 関東大震災105385人・東日本大震災18449人]とされているのだそうです。ということで、“鳥インフルエンザはちゃんと防げてますから大丈夫ですよ”などという最近の報道の論調に多少なりとも警鐘を鳴らす意味で、2010年分ですけれどよろしかったらご参考に。↓『鳥インフルエンザを防ぐ理由[わけ]。』ウイルスは変異することで、鳥に感染するタイプのものが他の動物にも感染するようになることがあります。鳥から人への感染が繰り返されると、ウイルスが人の体内で増えることができるように変異してしまい、さらに人から人へ容易に感染できるように変異する可能性もあります。人と鳥のインフルエンザウイルスが豚のなかで、いわば合体することもあるといいます。いわゆる新型インフルエンザウイルスはこうした経緯によって発生するだろうと予想されていること・・・これが鳥インフルエンザを防ぐ理由[わけ]のひとつです。 たとえば2009年におこった新型インフルエンザの由来については『新型の豚インフルエンザウイルスは人と鳥、2種類の豚が持っ ていた計4種類のウイルスが複雑に混じりあってできたことが、 米国や日本の研究チームの 解析でわかった。米疾病対策セン ター(CDC)や世界保健機関(WHO)が公開する新型イン フルの遺伝子情報をもとに調べた。予防や治療の基礎データと な るウイルスの正体が明らかになってきた。米コロンビア大な どのチームは、今回のウイルスと過去の研究でわかっている豚 のウイルスの遺伝子情報を照らし合わせた。この結果、ウイル スに8本 あるリボ核酸(RNA)のうち、6本が北米の豚に 感染するウイルスから受け継がれたもので、2本が欧州やアジ ア由来のユーラシア型の豚ウイルスから受け継 がれたことを 見つけた。 前者の6本には、人、鳥のそれぞれに感染するウイルスに由来 するRNAも混ざっていた。人は通常、豚や鳥のインフルには かからないが、豚は人や鳥のインフルにも感染する性質を持つ。 98年ごろ、北米で豚インフルが流行したときに、豚の体内で 豚ウイルスと人のA香港型ウイルス、鳥ウイルスが混じり合っ て、まず「3種混合」のウイルスができたとみられる。これが 北米の豚ウイルスと交雑を重ね、最終的にユーラシア型の豚ウ イルスと合わさって「4種混合」の新たな豚ウイルスになった という。 このウイルスの表面のたんぱく質が、人に感染しやすい変異を 起こした可能性が高い。生物資源研究所(沖縄県名護市)の 根路銘(ねろめ)国昭所長たちは、北米の豚ウイルスから受け 継がれた6本のRNAのうち、1本が人、2本が鳥、3本が豚 (北米)由来であることを示した。国立感染症研究所のウイル ス研究室長などを務めた根路銘所長は「ルーツが詳しくわかっ てきたことで、対策につなげられる可能性がある。今後もウイ ルスは変化する可能性があり、監視が必要だ」と話している。 2009年5月3日 』 と、こういうような検証報告がなされた経緯がありますしかるに現実には・・・食に関する風評被害を警戒するあまりなのか、鳥インフルエンザの発生時になされる報道が[上記の新型インフルエンザ問題は棚上げされるかたちで↓の写真のような]単なる農業問題のひとつのようなかたちで報道されがちなことは日本で生活するものにとってじつに問題をはらんでいることに思えてなりません。 ということで、今回は、鳥インフルエンザを防ぐ理由[わけ]は養鶏業への被害拡大や食肉消費への風評被害をふせぐためだけではない というおはなし でした。 そしてもうひとつ、新型インフルエンザには注意せねばな らない点があります。それは2009年の新型インルエン ザ感染者のうちの死者の年齢層です。米国の米疾病対策セ ンターが発表したデータによると、18歳から64歳以下 の死者が多いことです。60歳以上の層の死者が大部分を 占める季節性インフルエンザの被害とは、この点が大きく 異なっています。さらには症状が発現してから、死亡にい たる経過時間の短かい症例があることが、気をつけねばな らない大きな特長といえるでしょう。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 28, 2017

各地で散発的に発生が続く鳥インフルエンザのニュースを受けて、2011年の当ブログの回を再録してみました。「感染はいろんな要因が絡み合って起きる。単純に渡り鳥だけが原因とは言いづらい」という環境省の過去の調査チームの発表に関連する回を、ご参考までによろしかったら。 こんなかんじで侵入してくるのかも。。。 ↓鳥インフル。『ネズミ一匹でも大山鳴動』な時代へ。“まえぶれや騒ぎが大きいわりには、実際の結果の小さいこと”をたとえたことわざに 「大山鳴動して鼠一匹」 というものがあります。『大きい山が音を響かせ揺れ動くので、大噴火でも起こるのかと見守っていると、小さな鼠がたった一匹出てきたにすぎなかった』という意味あいになりますね。しかしですね、家畜の大量飼育があたりまえのことになっている現在、これからこのことわざは、『鼠一匹でも大山鳴動』 と直さねばならないような気配ですよ。ということで、まずは 大陸から渡り鳥がやってくる時期になると発生が心配される鳥インフルエンザに関する昨年2011年の関連の新聞記事が、こちら ↓。『鹿児島・出水の感染は「ネズミが感染経路か」疫学調査チーム結論』出水市の採卵鶏農場で発生した鳥インフルエンザの感染経路などを調べている県の疫学調査チームは14日、県庁で会合を開き、調査内容をとりまとめた。発生鶏舎内でネズミの死骸やフンが見つかったことなどから、ネズミがウイルスを運んだ可能性がある、と結論づけた。会合は非公開。座長の高瀬公三鹿児島大教授(家禽疾病学(かきんしっぺいがく))によると、感染経路について野鳥、人、空気感染などの可能性を検証したが、いずれも否定。鶏舎からネズミ1匹の死骸と多数のフンが見つかり、モグラの穴が鶏舎の内外に複数あったことから「ネズミがモグラの穴を通り侵入してウイルスを運んだと断定はできないが、可能性を否定できない」と結論づけた。未消毒の井戸水が鶏の飲用に使われていたが、高瀬教授は「ウイルスは水で繁殖できず、井戸は密閉されていたため、感染源と考えづらい」とした。そして2009年4月には、こんな動物に関する発表もありました。『国内の野生のアライグマが高病原性鳥インフルエンザに感染』国内の野生のアライグマが高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していたことが、東京大医科学研究所と山口大の調査でわかった。野生動物の感染は、国内ではこれまで鳥類では報告されていたが、哺乳(ほにゅう)類は初めて。宇都宮市であった日本獣医学会で4日、発表した。 東京大医科研の堀本泰介准教授らは、西日本の3地域と東日本の1地域で05年以降に捕獲されたアライグマ988匹の血液を調べた。その結果、10匹の血液から、過去にH5N1型に感染したことを示す抗体を検出した。 これらの10匹がいた3地域のうち2地域は、ニワトリや野鳥の感染が報告されていない地域だった。発症して死んだ渡り鳥などを食べて感染した可能性が考えられるという。養鶏場での発生がなくても、国内にウイルスが持ち込まれている可能性を示した。 堀本さんは「感染率が1%と低く、アライグマ間での感染拡大は考えにくいが、養鶏場への感染源になる恐れはある。ウイルスの侵入防止策を再確認すべきだ」と話す。 国内の野生動物のH5N1型感染は、ハシブトガラス、クマタカ、オオハクチョウの鳥類3種で確認されていた。アライグマは北米原産で、ペットとして輸入され、野生化した。雑食で繁殖力が強く、国の特定外来生物に指定され、駆除が行われている。 大槻公一・京都産業大教授(獣医微生物学)は「海外ではネコ科などの哺乳類の感染が報告されており、国内で見つかっても不思議ではない。野生動物はほかの病原体をもっていることも多く、むやみに接触しないことが大事だ」と指摘する。と、されています。ということで、今回は鳥インフルエンザの感染経路に関連しているのではないかと考えられている2つの新聞記事のお話をお届けしました。よろしかったら、ご参考に。 窓というものがない最新式のウインドレス鶏舎でも感染がおこった ケースもあります。そうなると、穴を掘ったり伝ったりして侵入し てくる可能性のあるネズミやアライグマにイタチなどの小動物原因 説には、充分に説得力があると考えられそうです。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 27, 2017

ジャンボタニシや草の防除には“田起こし”が有効。Hやっぱり暖冬なのかなとおもっていたなかでの寒波襲来。そんなせっかくの寒波を防除にしっかり利用しようというおはなしです。おそらくはもっとも寒い節気。やるなら いま だなと。 ↓『ジャンボタニシや草の防除には“田起こし”が有効。』 壁一面に産み付けられた ショッキングピンクの卵・たまご・卵 !! 悲しいかな、いまやこれは日本の日常になりつつある光景なのです。この卵から孵ってくるのは、ジャンボタニシ こと スクミリンゴガイ。 昭和56年頃に海外から食用として日本に持ち込まれて野生化し、関東 以西の水稲やレンコンに大きな被害を及ぼしている貝になります。 画像は こちら 。 このスクミリンゴガイは繁殖力が極めて旺盛、汚水にも強く、用排水 路やクリークで増殖しながら移動分散し続けています。この急速な増 加に伴い、「昨年までは見なかったけれど、今年になってからの増殖ぶりには驚いた」などと農家さんがおっしゃるのは日常温茶飯事のこ とと なった感が大いにありますよ〔地区の一斉防除で数十キロとれたり〕。さて、そして。そんなスクミリンゴガイの防除に最適な時期、それが 彼らが眠りつく いま、 トラクターで田を起こすこと なのです。そう、収穫の終わった水田の土の中、5センチ程度の深さで休眠を図る彼ら地中の貝の貝殻を回転するトラクターの爪で破壊、もしくは地表に かき出して凍死させる・・・。この機械的な防除は けっこう効果があるんです。 効果を高めるにはコツとしては・・・ ■ ロータリーの回転数を上げる こと ■ そして 低速で耕うんする こと が挙げられますよ。この処置を施した水田においては、じつに 90パーセント以上の駆除 率があった とする試験結果もありますので、心当りのある地区では、ぜひ この防除法もお試しくださいね。そしてもちろん、雑草防除にも田起こしは有効[宿根草の地下部を破壊したり、 地表に出すことによる寒さによる防除]です。 もちろんジャンボタニシのはなしも取り上げて↓ ます。「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 23, 2017

「食料を自給できない国なんて想像できない」2009年の再掲載。TPPの話題の影で、“ 日欧EPOではTPPと同水準までの自由化は容認する方向で交渉をすすめる”・・などといった政府の姿勢に対する参考[それでもいいのか]としてよろしかったら。 ↓「食料を自給できない国なんて想像できない」1968年から1972年にかけて、家畜や鶏から熱帯植物を扱っていたヒューストンの農業会社に勤務し、米国各地や中米諸国に出かけて、買収対象となる苗木畑を探す仕事を経験していた米国大統領経験者がいます。米国内の輸出型の大型企業農業に肩入れし、日本に米国産牛肉の再輸出を迫った前米国大統領・・・ジョージ・ブッシュ氏です。 離任間際では、評判が良いとは言えない大統領でしたが、彼の農業に関する演説のなかで、実にみごとなものがあります。曰く、「食料を自給できない国を想像できるか。そうなった国は、国際的な圧力と危険にさらされている国だ。食料自給は国家安全保障の問題である。アメリカ国民の健康を守るために輸入食品に頼らなくて良いのは、何とありがたいことか」というものです。 この演説は、これから日本国民が考えねばならないであろう大切なことを訴えています。その背景には、2008年の穀物暴騰時に、世界の農産物輸出国で『農産物の輸出規制や禁輸といった措置がとられた』という大きな事実があります。 主な農産物の輸出規制例は次のとおりです。 ウクライナ 国内供給確保のため小麦、コーン、大麦、ライ麦に輸出枠設定 セルビア 国際価格高騰に伴う過剰輸出回避のため小麦、大豆等の輸出規制 カザフスタン 輸出業者に小麦輸出量の20%の国内販売義務付け発表 インド インフレ抑制でコメ、小麦、乳製品の輸出禁止 ベトナム 台風による不作で国内コメ価格高騰、コメの新規輸出等禁止 アルゼンチン 過剰輸出回避のためトウモロコシや小麦の輸出規制 06年より牛肉の輸出枠設定 ロシア 国内の穀物需給緩和で小麦、大麦の輸出税導入 中国 小麦、トウモロコシ、コメ、大豆とその加工品に輸出関税の導入 穀物等の輸出促進のための輸出還付金の廃止 お金があっても、穀物が買えなくなる事態が、このとき現実に起こっていたのです。次の穀物の高騰が起きたときに、農産物輸出国が輸出規制や禁輸をしないという保証はありません。 ジョージ・ブッシュ前大統領の演説にあるように、日本国民が国際的な圧力と危険と食の安全の不安にさらされているのは間違いの無いことであるようです。 余談ですが、米国国民の農業への関心は、日本国民よりも確実に高いと思われます。たとえば米国のドラマで、「ザ・ホワイトハウス」という作品があります。米国大統領とそのスタッフ達が国内外の現実に起こり得る様々な問題に対処していくという内容でした。「政治ドラマは視聴率をとれない」という米国内の常識を覆し、米国のエミー賞を4年連続作品賞受賞した人気番組であったようです。以前NHKの衛星放送でも放映されていましたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。 その「ザ・ホワイトハウス」のなかでは、農業問題もしばしば取り上げられおり、農業関係者として非常にうらやましく思ったものです。例えば次のようなセリフを使った場面が繰り広げられるのです。 大統領夫人:「農業問題はあなたの専門外でしょう。そんなに気にすること はないわ」大統領:「いや、世界中の大豆の50パーセントの大豆、牛肉の25パーセ ント、木綿の15パーセントの農産物をこの国で生産している。 国民の多くが農業とその関係している産業に従事している以上、 勉強しないわけにはいかない」 と、いうような場面です。 妻である大統領夫人に話しかけた後、農業資料を真剣に読む大統領とそれを見つめる妻・・・実に印象深いドラマでした。米国という国が、いかに農業と農業問題を重要視しているのかがよくわかる話ではありませんか。 このようなドラマを製作した米国のテレビ業界、そしてこのドラマを評価する米国国民には、いち農業関係者として、ある種尊敬の念を抱かずにはおられません。 いっぽう 日本の民放ドラマ『CHANGE』では。 SMAPの木村拓也さんが首相を演じたドラマ。米国農産物の 輸入量を20%増やせと、言ってきたアメリカ通商代表に、 はっきりと拒否の態度を示した朝倉啓太内閣総理大臣役は 好評を博しました。第5話「総理休日の大事件」での一シー ンです。じっさいのところ農業が衰退すれば、地方はガタガタ になっちゃいかねませんからね。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」
Jan 22, 2017

雪の重みは園芸ハウスをつぶす・・・予対策は万全に。またまた 雪害の恐れあり/こちら ということで、前回分ですがとくに普段はあまり雪害のないところの方々のためのご参考としてよろしかったら。 ↓ 『北日本や東日本では、引き続き16日夜にかけて山沿いを中心とした局地的な大雪に警戒し、東日本日本海側では、17日昼前にかけて高波に警戒してください。』とした 大雪と暴風雪及び高波に関する全般気象情報(第14号)が気象庁予報部より16日未明に発表されました。 気象庁の ページは こちら 。そしてこのような情報や警報が発令されたとき・・・農業において気をつけておかねばならないことの最たるもの・・・それが 積もった雪の重みが園芸ハウスをつぶすという事実です。そう、作物を栽培するばかりでなく ときには育苗やちょっとした作業場に重宝する便利なビニールハウス、また新規就農生活のスタートにうってつけの経営を約束するはずのビニールハウスは、降雪・積雪に弱いのです。ということで雪害という、この自然の被害のきびしさを耐えるための工夫のひとつが関東の例が こちら。より積雪のイメージがない徳島の工夫が こちら。そして、転ばぬ先の杖・・ともいうべき、雪災害の備えとなる共済制度についてのページは こちら となります 厳しい自然↓相手・・・だからこそ就農には工夫がいります。 じつは多摩の出来事であった こんなお話も ありますしね。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 20, 2017

いわゆる農家の販促品。自著『夢で終らせない農業起業』の8章「農家になったあとの経営ノウハウ」のスイカの例としてとりあげた いわゆる農家の販促品の2品。うえの段が、冬至に食べると健康に過ごせるといわれる カボチャ。したの段が、常より早い時期にいただいたスウィート・スプリング。 となります。 うえのカボチャは、 サトイモやコーン栽培の農家さん から。したのミカンは、 ハウス栽培のイチゴ農家さん から。いずれもふだんつくっている作物とは別に趣味で作っているもので結果的に、親しい方や関係者に配られている自慢の“販促品” ということになります。もちろん味は一級品で、いただいて食べたひと[関係者]には この方のつくる本業の作物をたべてみたい・あつかってみたいと 思わせるに足る逸品です。ということで今回はそれほどめずらしくない作物であったとしても配布する時期をうまく考えれば、なかなかの販促品になる という おはなしでした。 趣味であっても、いろいろな作物をつくる・作れる っていうことは、自分のもつ可能性をひろげていく ことにつながるのだなと、みていてそういうふうに 思います。「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 18, 2017

雪の重みは園芸ハウスをつぶす・・・予報に注意し、対策は万全に。 『北日本や東日本では、引き続き16日夜にかけて山沿いを中心とした局地的な大雪に警戒し、東日本日本海側では、17日昼前にかけて高波に警戒してください。』とした 大雪と暴風雪及び高波に関する全般気象情報(第14号)が気象庁予報部より16日未明に発表されました。 気象庁の ページは こちら 。 そしてこのような情報や警報が発令されたとき・・・農業において気をつけておかねばならないことの最たるもの・・・それが 積もった雪の重みが園芸ハウスをつぶすという事実です。 そう、作物を栽培するばかりでなく ときには育苗やちょっとした作業場に重宝する便利なビニールハウス、また新規就農生活のスタートにうってつけの経営を約束するはずのビニールハウスは、降雪・積雪に弱いのです。 ということで雪害という、この自然の被害のきびしさを耐えるための工夫のひとつが関東の例が こちら。より積雪のイメージがない徳島の工夫が こちら。そして、転ばぬ先の杖・・ともいうべき、雪災害の備えとなる共済制度についてのページは こちら となります 厳しい自然↓相手・・・だからこそ就農には工夫がいります。 じつは多摩の出来事であった こんなお話も ありますしね。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 16, 2017

普段はおこりにくい場所のほうが恐い雪害。 『武蔵の国のある村に、茂作と巳之吉という2人の樵が住んでいた。茂作は すでに老いていたが、巳之吉の方はまだ若く、見習いだった。 ある冬の日のこと、吹雪の中帰れなくなった二人は、近くの小屋で寒さ をしのいで寝ることにする。その夜、顔に吹き付ける雪に巳之吉が目を 覚ますと、恐ろしい目をした白ずくめの美しい女がいた。巳之吉の隣り に寝ていた茂作に女が白い息を吹きかけると、茂作は凍って死んでしま う。 女は巳之吉にも息を吹きかけようと巳之吉に覆いかぶさるが、しばらく 巳之吉を見つめた後、笑みを浮かべてこう囁く。「おまえもあの老人( =茂作)のように殺してやろうと思ったが、おまえは若くきれいだから、 助けてやることにした。 だが、おまえは今夜のことを誰にも言ってはいけない。誰かに言ったら 命はないと思え」 それから数年して、巳之吉は「お雪」という、ほっそりとした美しい女 性と出会う。二人は恋に落ちて結婚し、10人の子供をもうける。お雪は とてもよくできた妻であったが、不思議なことに、何年経ってもお雪は 全く老いることがなかった。 ある夜、子供達を寝かしつけたお雪に、巳之吉がいう。「こうしておま えを見ていると、十八歳の頃にあった不思議な出来事を思い出す。あの 日、おまえにそっくりな美しい女に出会ったんだ。恐ろしい出来事だっ たが、あれは夢だったのか、それとも雪女だったのか……」 巳之吉がそういうと、お雪は突然立ち上り、言った。「そのときおまえ が見たのは私だ。私はあのときおまえに、もしこの出来事があったこと を人にしゃべったら殺す、と言った。だが、ここで寝ている子供達を見 てると、どうしておまえのことを殺せようか。どうか子供達の面倒をよ く見ておくれ……」 そういうと、お雪の体はみるみる溶けて白い霧になり、煙だしから消え ていった。それ以来、お雪の姿を見たものは無かった。』 このお話しは、皆さまよくご存知の、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談(Kwaidan)』で紹介されている「雪女」です。美しいけれど、しかしほんとうは怖ろしいという雪の世界を象徴するお話だなと思います。 そしてお気づきになりましたか、この物語は、じつは豪雪地帯が舞台ではなく、しかも2人の木こりも雪に慣れていなかったことに。 そう、物語の情景から、ついつい豪雪地帯の山岳部における木こりの遭難の話しだと勘違いしやすいのですが、じつはこの物語は 多摩川べりの船頭小屋が舞台となっており、しかも茂作と巳之吉という2人の木こりは、雪というものに対してあまりに知識もなく無防備なんです。 船頭小屋って こんなかんじ ですもの。 持ち運びもできたというこんな簡単な小屋に、大雪のなか避難したら、それはむしろ遭難しない方がおかしいですよ。 小泉八雲が東京都西多摩郡調布村出身の親子から採録したというこの物語は、じつは あまり雪が降らない地方における“突然の大雪”に対する警告的な教訓談 であったのかもしれませんね。 そして いま です。 日本各地の、とくに豪雪地帯ではない地方で降雪に遭われている皆さま。寒さ対策は、万全になされてくださいね。 そうそう こんなお話も ありました。よろしかったら。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 16, 2017

生育不良なら、作物の状況をみてとる対策を考えよう。Kせっかく昨年来の日照不足が解消し よいかんじで収穫のサイクルがまわりはじめたと思ったところでの 年末年始のおやすみ・・・そんな状況のなかでの あなたのハウス作物の様子は いかがですか。収穫が順調ならよし、しかし樹勢がなんとなく弱っているようならば早めの対策が必要です。本日は そんなときにとる考え方のはなしとなります。 ↓「まずは土づくり。肥やしなさい・肥やしなさい。」といった 農業に対する考えがあります。いっぽう、「土を肥えさせるのは悪。土を肥やすのはもってのほか」という考えもあります。迷いますよね。どうすればよいのでしょう。答えは簡単。土の原則論に頼るのではなく 植物に訊けばよいのです。たとえばトマトでは作物の生育状況からこんな健康診断ができるんですよ。 トマトの状態のののののののののののののののののの診断 葉色淡い。花小さく、着果不良。果実肥大不良。の→ 栄養不足 葉が厚く・葉色が良い。葉が立ち、受光態勢が良。→ 健全 葉色濃く葉面凸凹。鬼花増加・奇形果多。ののの→ 栄養過多このような作物の状態をみて、つぎのような対策をとります。 栄養不足の→の生長を促す対策をとる。たとえば不足した成分の追肥。 栄養過多の→の生育を抑える対策をとる。たとえば水分を押さえる。という具合です。このように一般的な農業の現場では〔土に対する原則論ではなく〕それぞれの植物の生育の状況や状態をみながら、その生育に応じた対策がとられているんですよ。いじょう、植物の生育がいまひとつである場合は、植物の状態をみて、とる対策を考えてみようというおはなしでした。 人間であっても、そうですよね、まずはそれぞれの患者さんの 様子・容態が、診察診断の主題となる。医療行為もなしのいきなり のカロリー摂取や、カロリー制限のはなしなどにはならない。 まずは個別の患者に対するお医者さまの診察・触診があり、体温 や脈・血圧などの基本的な機器をつかっての検査、そしてそのうえ での診断があります。農業やガーデニングだって同じことだとおも うのです。土壌診断をつかった生育診断の実例は こちら とこちら 。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 12, 2017

山の境界の竹林を動かすには。造林されたスギやヒノキの山の境界の目印として植えられているもの。そのひとつとしてよく利用されているもの、それが竹です。地主が存 在する山の、持ち物の山の境界を示すものとして、よく竹林が利用されているのです。そして この竹林。移動させようと思えば移動させることも、そう できるのです。スギやヒノキなどの木材価格が高騰していた時代、いわゆる拡大造林がさかんにおこなわれていた時代には[すこしでも自分の山の面積を増やそうとして]境界であるこの竹林をうごかすことが往々として行われてもいたのです。・・・面白いはなしですよね。 山の事情を何も知らない人が、けっこうな長さ[何せ境界ですから]と面積のある❝竹林を動かす❞なんていうおはなしを聞くと、たとえばですよ、お祈りや祈祷によって動かすとか、あるいは動物のように竹が勝手に動くとか、はたまた超能力者のテレキネシスとか、UFOとか宇宙人まででてきそうな、そんなSFちっくな話だと思われるかもしれませんね。でも、しかし、そんな話ではありません。 竹林を動かすには、時間とやる気そしてノコギリ1本さえあれば可能。やり方は簡単です。山にいくたびに、自分側の・こちら側の竹をノコなどで切ってゆく[タケノコが出る季節などとくに効果的]。 ただ、それだけです。すると、当然のことながら境界の向こう側の竹のほうの生育が盛ん になっていく。これを10年も繰り返すと、竹林は 5メートルや10メートルほど あちら側に移動しうる。 ただ こう書くと「10年でその程度では、たいしたことないじゃん。」・・なんて思われるかもしれません。が、しかしこれに 長さが加わる。 長さが 10メートル いや100メートルではいかがでしょう。ちなみに5メートル×10メートルでは、500平方メートルです から、なんと151坪にもなるんですよ。けして馬鹿にできる面積ではありません。とくにこのやり方は、南の地方ほどその効果が大きくなります。なにせ亜熱帯地方に近づくほど、植物の成長とくに竹の伸びはすさ まじい。「こんなところに竹があったっけ」とおもってほおってお くだけで、数年後には「こんなところに竹林があったっけ」なんて勢いで竹は増殖してしまいますから。ということで、今回はそんな竹の性質を利用した土地獲得戦略さえ もあったという[スギやヒノキの価格がいまの数倍もした時代の]山が宝を生む時代の昔ばなしのご紹介でした。 木材価格が低迷していた影響で現在、全国で放置された境界 の竹の面積部分も拡大しています。上手く管理していかない と スギやヒノキ、そしてわずかに残った貴重な広葉樹林の 天然林も、いつのまにやら竹林になんて事態にもなりかねま せん。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚
Jan 11, 2017

自分の山のスギやヒノキが突然に消えちゃう話。K好転してきた木材価格と山の問題の資料として、好転した後の2016年時のブログ記事です。そして最近では、今回の内容の誤伐というか盗伐というべきかの木材がなくなってしまった土地に、かってに無断で太陽光発電施設までつくられているケースもあるとまでいわれていますよ。そんな無法地帯的な要素もふくんできた現在の山の問題として、よろしかったらご参考に。 ↓ 『ある山持ちのヒトのはなし』需要減少に伴う価格の低迷かの影響で[よい材を作るために必要不可欠な]手入れすることもままならず、買い手もないので売るにも売れず・放置し ておくしか手がなかった 自分の出身地の県にある ❝山❞。 正直いって長年の❝お荷物❞であった、そんな山の状況が変わってきたこ とを耳にしたのが、昨年のこと。同じように宮崎に山をもっているだけの親戚が、山の木を売ったという話を耳にしたときだ。 手入れしてないはずの、細い・曲がった木でも売れたのか と、その山持ちのヒトはうらやましく思った。と 同時に、植えてからの年数だけは経っているのだから、 先祖が自分の山にうえていたはずの木も売れるうちに売っておこう と考えた。そこで手土産を携えて宮崎いきの飛行機に乗り、ここのところ十年あまりご無沙汰していた宮崎在の縁戚を訪ね、事情を話して助力を乞い、その親戚の道案内で自分の山の近くの場所に住まわれている方を頼って自分の山がある場所にいってみたところ・・・ 自分の山であるはずのその場所の木が、きれいさっぱりと消えている のを目の当たりにして、[ひさしぶりというか 初めてにちかいかんじで宮崎にいき自分の山を訪ねた]その山持ちのヒトはおもわず腰を抜かした。・・・などというケースもあるというそんな話を、昨年から数回耳にしました。 その山の木が消えた原因。それはまずは、誤伐。そう、山の区域をまちがって伐採されちゃったというケースです。きちんと手入れしてあったとしても、現場の方に案内してもらったとして も、なかなか理解できないのが、山の境界。もともと素人には、判別しに くいものなのですから、まあ そんなこともあるでしょう。 最低限の手入れをしていないと、なにせ 場所が山、斜面であれば土地が崩れているケースもありますし。山の境界[たとえば竹などが植えてあっ たり]が はっきりしなくなるときも ままありますから。そして 誤伐ならまだよいのです。もんだいとなるのは、 盗伐。 そう、立木の盗難被害です。そこでです。5年も10年も、それ以上も自分の山にいったことがないというあなた。ひょっとしたら[せっかく値段のあがってきた]あなたの山の木が被害に あっているかもですよ。木の価格が上がり続けていくほどに、ご用心を。ということで今回は、盗伐[とられ]ているのを気づかない側にも責任が でてくるというおはなしでした。 地籍調査などをきちんとおこなって山の場所[面積や境界など]を 特定できていたとしても。そして森林組合などに管理を委託して いたとしても。被害にあった場合は、それでも違法伐採者との間 で ひと悶着もふた悶着もある とも聞き及びます。 そういうことになれば、やっぱり予防が一番の対策かと。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 10, 2017

花粉症に思う、山林の所有者責任。好転してきた木材価格と山の問題の資料として、好転する前の2005年11月当時のブログ記事の採録です。内容は当時のままですが、よろしかったらご参考に。 ↓『森林は私たちの生活に欠かすことのできない大切な財産です』といったよ うな文言をよく聞かせられますか、この森林に持ち主がいるのはご存知です か。こう聞くと、山は国民一人一人のもの、つまり国の財産である国有林だ けだと思いがちですけれど、実際はちがいます。このあたりが『海』や『川』といったものとは ちがっているのです。 例えば、海。「ここの海はうちの海だ」とか、「あそこはこの地区の漁業協 同組合の海」・・なんて話は聞いたこともありませんし、またありえない話です。ところが山、山林には所有権があるのです〔個人的に考えると、海よりも、山のほうが、より国民の生活に関係しているはずなのに〕。 現実には 我が国の森林のうち約3割を占めているのが国有林、残りの7割は民有林ということになります。もちろん、ここでいう個人のなかには、国以外の都 道府県・市町村等が所有する森林も含まれてはいますが、おおまかにいえば民有林のうちの約8割が 林家や会社・社寺・団体等の、いわゆる個人の所 有ということになっております。ちょっと乱暴ないい方かもしれませんが、この説明を簡単にいえば つまり日本の山のうち過半数以上が団体や個人の持ち物ということになるわけです。 前置きが長くなりましたが、この個人の持ち物である山の荒廃が、いま問題になっているのです。 個人所有林の荒廃を具体的にいうと、 ○ 天然の広葉樹林の伐採 ○ 密植されたスギ・ヒノキの管理〔枝打ち・間伐〕不足 ○ スギ・ヒノキ伐採後の未植林 ○ 台風後の風倒木の未処理 ○ 山林の境界が不明確 ○ 不在地主の増加などが挙げられているということですね。たとえば2000年の資料でみると、3ヘクタール以上の森林経営者でさえ、 作業実施状況間伐を実施したと回答しているのは、わずか17.7%!にし かならないということが報告されています。もちろん、残りの8割の山では、間伐しなくてはならないにもかかわらず、 実際の間伐作業はおこなわれていないということになります〔当然枝打ち作 業は、もっと実施されていないことになります〕。さらに樹木伐採後3年以上も造林が行われずに放置されている民有林は、 2003年3月末で2万5000ヘクタール。その面積は実際に伐採される山林面積の約4分の1にもなり、4年前の調査と比較して12%も増えてい ることが明らかになっています。なぜにこうも管理がされていないのか・管理しないのかと思いますよね。そういった点を所有者に問い詰めると、個人所有林の管理不足の原因や理由として、「木材価格の低迷」 のひとことで終わらせられることがおおいの です。つまり「手入れの経費もでない」・・。さらに「山を売却しようにも買い手がいない」・・という答えがつづきます。 「そんなこといっても、しょうがないじゃないか」と、まるで えなりかずき くんのセリフ状態。ここ数年来、花粉症の患者の増加が毎年報告され、さらには日本各地で頻発する大雨による土砂崩れや台風による洪水、河川やダム湖への風倒木の流れ込み被害。これらの事象はけして偶然などではなく、放置された民有林による影響が かなりの割合を占めてきているのではないかと、花粉症の方をみるたびに、そして山の管理の作業実施状況の資料を見るたびに思います。そして思うのです。。山林の管理は、災害の防止機能や水源かん養機能と いった国民の生活に密接に関連している重大事項なのですから、ことここ にいたっては『山の所有者に対して、山の管理に関するなんらかの法規制』 や『持ち山にたいする所有者の管理責任』 を 考えべき時期にきている のではないのか、と。たとえば 車です。 自動車を運転するには運転免許を持ち定期整備や始業点検をすることが義 務付けられています。それは自動車事故を起こすと、自分が困るからという よりも、他人に損害を与える危険があるからです。同じように自分の所有す る山林が、自分の管理不足により他者の生命や他者〔社会〕の所有する財 産に対して害を与える危険があると予想される、または明らかに害を与えた と判断される場合は、法による罰則があってしかるべきだと思うのです。このまま個人所有林の荒廃がすすみ、その荒廃に対する所有者責任が問わ れない状態が続いていくものとすれば、日本における風水害や土砂災害は、 年とともに拡大し続けていくに違いありません。なにせ国土面積の7割以 上が『山』という、日本はりっぱな山地国 なのですから。 木材価格の低迷という環境下でも、きちんと山林管理を実施している 山林所有者もいらっしゃいます。この方たちの努力に報いるためにも、 「管理不足に対する罰則制」は必要だと思います。それが公平という ものではないでしょうか。 そのような現状のか、一部の都道府県では、「水源の森林づくりとし て私有林への公的管理・支援」が実際におこなわれ、さらに「森林環 境税の新設」などといった新税論まで唱えられる始末。この『山林所 有者へ優遇体制』って、いったいなぜ? 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 8, 2017

2016年2月にものですが、山林を持たれている農家もおられるかと思い次回の参考分として掲載です。 ↓山の伐採。その後。中国をはじめとする国々の要求/需要にこたえる形で、日本の木材の主産 県である宮崎県において ここ2年ほどの間に急激に進められてきた山の樹林の伐採。 「2015年2月」と、その後1年間経過した「2016年2月」の山の状態はつぎのようになります。 ↓ 別の角度からみた写真がこちら。 一時ほどの速さではないのですが、この山ではかなりのスピードで伐採が進められているのがわかります。・・・このまま伐採はすすめられていくのか、あるいは外電で巷に伝え られているように中国経済の減速にともなって伐採のスピードがおちて いくのか。ある意味世界経済をあらわしているかのような来年・そして再来年のこ の山の様子は如何に。 バイオマス発電の振興にともなう、燃料としての木材資源の 需要も伸びていたのですが、それにブレーキをかけた形とな っているのが世界的な石油価格の下落です。こちらのほうも これからのこの“山”のかたちに おおきな影響をあたえそう です。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 7, 2017

動き始めた木材需要。K2015年2月にものですが、山林を持たれている農家もおられるかと思い次回の参考分として掲載です。 ↓日本を代表するスギの丸太の主産県である宮崎県。 そんな宮崎県の[主要な国道や県道ではなく]山間部の農道などを走行していて目につく風景が、これ。のの そう、伐採された丸太。の ちかよってみると、かなりの量であることがわかります。のの 径もけっこうでかい んですよね。この集積してある丸太のある場所から、車を離しつつのの すこしづつ・すこしづつ 遠くに離れてののの ズームアウトしていくと・・・のののの このように、あたり一面が伐採された[数年前には予想すらできなかった]このような光景が広がります。そう、いま宮崎県では、丸太の需要が[急・急・急増というかんじで]急増しているのです。そして木だけに気になるのは、この丸太の需要急増の理由ですが ■ ここのところの円安による外国産材のコスト高による需要減 ■ 低質材を原料とするバイオマス発電施設[現在県内5ケ所]の稼働開始 のそして、なんといってもの ■ 中国向けの輸出急増のなどがあげられています。この中国向けの輸出を数字で追うと 2012年 2013年 2015年 6000弱 23910 50000強 [立法m]となるのだそうで、そのあまりの増加ぶりには驚かされるしかありません。それは、「伐採された山を みるようになってきたわけだな」と、だれしもを納得せしめる数字でありました。つづく。 そして価格ですが 県の森林市場によれば 12年度・8300円、 13年度・10300円、そして14年度は12000円になった のではないかと予想されています。 → 参考資料は こちら 。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 6, 2017

2005-06-14 スギ丸太の中国輸出で環境を守るK次回の参考として、今回は2005年05月のブログ記事。 内容は2005年当時のものとなります。 ↓『スギ丸太の中国輸出で環境を守る。』 木を使わないでいると、山に入って木を切る人がいなくなる。すると、山の手入れが行き届かなくなり、山が荒れてしまうんです。山が荒れると、川が氾濫し、結果的に海の生産性も落ち込んでしまいます。 間伐材や山の木を使うことが、「山」「川」「海」の保全につながる・・と、こういうわけです。さて、2005年。 現在の日本の山の概況は・・・どうなっているのでしょう。 数字でみてみます。日本人一人当たりの国産材の利用率は30年前の3分の1、用材自給率は30年前の18パーセントしかありません。そう、この数字が示すように、今日本の山は荒れに荒れているといった状況なのです。 最近災害が多いはずだと、妙に納得させられてしまいますね。そこでです。 日本の自然を守る〔自然山を保全し災害を防ぐ〕ために国産材の需要を増やすには、いったいどうしたらいいのでしょうか。この問題を解決するには、方法がふたつあります。 増え続ける外材の輸入を停止すること〔可能であるならこれが一番〕、それ に、間伐材を徹底利用することです。二つの方法のうち、より現実的な間伐 材の利用例について現場では新しい取り組みが始まっています。その取り組みについて、ご紹介しましょう。なかでも注目されているのは、丸太材の形での中国への輸出です。なにせ、中国の経済発展ぶりは世界の経済の牽引車・・おりしも 現地では、 北京オリンピックや上海万国博覧会の開催や住宅着工戸数の増加に伴う空前の建設ブームが起きています・・。しかも、中国国内の環境問題もあり ますね。耕地の砂漠化や揚子江の洪水といったさしせまった環境の危機に、 中国政府が全国的に樹木の伐採を1988年以降禁じているのは周知の事実。しかも、昨年は、中国産の炭輸出も禁止されたばかりです。こういった中国 国内の情勢が、丸太材輸出の追い風となっています。・・・とはいっても、驚きませんか?ほんとうに、日本のスギの丸太が中国で売れるのだろうかと。だって、日本の100円ショップには中国製品が氾濫しています。その中国に日本製の100円以下の商品を輸出するようなものなんですから。 中国と日本の経済格差をかんがえれば、この商品〔日本のスギ丸太〕は、 中国ではかなりの値段になる・・と思ってしまうのは当然のことです。ところが、なんとか採算に合うんです。 中国への国産材輸出は2003年、5800立方メートルと前年の10倍以 上の伸びを示しました。なかでも南九州・わが宮崎県がその中心で最近では 「宮崎スギ広報員」を中国におき、PR活動も行なっているんです。しかも、 中国ですぐ組み立てることができるように、宮崎でカットして輸出する方法さえも計画中とか。同県の民間企業にいたっては、中国の集積材工場と提携し、新築マンションの内装材や家具用のスギ丸太輸出契約を結んでいるほど。・・・世の中かわれば変わるものですね。というわけで木材不足の中国と国産材の消費減に伴う荒れた山に悩む日本・・・ここは ひとつ、お互いの環境を守るためにも、継続していってほしい事業ではな いでしょうか。 注〕かつて中国は、日本への備長炭輸出国でした。揚子江流域南 部にウバメガシが自生しており、日本から技術指導を行った結果、 品質や歩留まりは悪いが備長炭の生産が可能となり、急速に 日本への輸出を伸ばしていたものです。その量は日本の木炭総 輸入量の半分以上を占めていたほど。 注〕中国では砂漠化防止と洪水防止のために全国的に樹木の伐採 が1998年以降禁じられているのにも関わらず、木炭のみならず 木材の対日輸出量は増加していたものでした。当時、日本の木 炭輸入関係者に聞くと、中国側売り手の説明では「伐採禁止令 が出る前に炭に焼いておいたストック品で、違法な伐採による原 木は使ってない」とのことであった。 ・・・不法伐採の可能性はおおありですね。この有り様では中国 の資源が底をつきはじめた話も、納得できる話です。 「違法な経済活動の影響力の大きさ」を、窺えしる話ですよ。。 っていうか、日本の木材市況/木材相場がいかに低下しているかを裏付 ける悲しい現実ではあります・・ね、今回のテーマは。 「夢で終らせない農業起業」「里地里山複合大汚染」
Jan 6, 2017

農業は釣りだっ”・・・論。2009年分となりますが、よろしかったら。 ↓『農業は釣りだっ』日本は島国であるとともに国土の約73パーセントを山地が占める山国で もあります。そのために地形が、一様ではないことがウィキペディアでは つぎのように描写されています。 「日本は山国であるため日本の河川は流路延長に比し川床勾配が急で一気に流れ下る。大陸を流れる川と比べたら滝のようなものである。しかも多 雨地帯にある。したがって侵食力が強く山地では深いV字谷を、盆地や平 野など山地からの出口には扇状地を発達させていることが多い。また河口 付近には厚い堆積層からなる平野を形成している。中部地方から東北地方にかけては河岸段丘を発達させていることが多い。」そのような複雑な地形は、四季があることとあわせて多種多様な気候を生み出します。同じくウィキでは「国土が南北に長いため、亜寒帯から熱帯まで地域により大きく異なる。 本州(一部地域を除く)、九州、四国、南西諸島(一部地域を除く)など大部分は温帯に属する。そのほかは、北海道と本州の一部内陸部や高原地 帯は亜寒帯に属する。暖流である黒潮や、大陸辺縁部であるため季節に より入れ替わる複数の気団の影響により、南方諸島の一部を除く国土の ほとんどの地域において季節の変化が大きい。日本の気候は、列島の中央を縦走する山岳地帯を境にして、太平洋に面している地域(太平洋側)と日本海に面している地域(日本海側)とで大きく異なる。」と、されています。さて、そんな日本でのサカナ釣りをかんがえてみましょう。 渓流もありますし、湖沼や海岸沿岸での釣りもできます。船釣りだって できますし、もちろん集団の大型漁船を使たマグロの延縄漁が出来る場 所もある〔楽しい小物釣りもありますしね〕。ありとあらゆる釣りがで きる。 地形や気候に適して魚種もいろいろなのですから、サカナを釣る方法や仕掛けだっていろいろあるわけですよ。この国では、いろいろな場所に対応したやり方で、各人が得意とする方法で、好きな魚を対象とした釣りが展開されてきたわけです。そして農業です。 農業もまた〔釣りと同じように〕いろいろな場所に対応したやり方で、 各人が得意とする方法で、それぞれの技術にあった作物を対象とした農業が展開されてきた歴史があります。いろいろな農業は こちら 。しかし、そんななかでの 現代の農政・農業改革論です。 改革論といえば、判を押したように『集団化した大型機械を使った土地利用型作物の栽培こそが理想』といったような農業論ばかりが幅を利かすのです。じつに・・・不思議な話だとは思われませんか。これって、釣りにたとえて表現するとしたら・・・「個人個人が陸から の手釣りで魚釣りをやっていた川や池でも、集団の大型漁船を使った マグロの延縄式の漁をやるべし」といっているようなものではありませ んか。農業にとっての大切な条件である地形や気象といったものが あまりに考慮されていない。そんな釣りって、楽しくはないですよ。だいいち釣れないでしょう、そんなやり方なら魚だって/笑。いろいろな場所に対応したやり方で、 各人が得意とする方法で釣りをやるからこそ、釣りは楽しいし、釣果もあがる。。 農業だって同じです。 米国中西部やカナダ、オーストラリアといった先進農業国のように、安く広大で平坦な農地が無く、発展途上国のような安価な労働力も無い。しかも、南北にひたすら長いために同一条件下の気候にないとい う日本なのですから・・・そこで展開される農業は、 『気象条件や地形に即した、個人の経験と知識を活かして行う農業』のほうが効率が良いと思うんですよ。また、そんな農業をやれるからこそ、楽しいし、やる気もでる。いじょう、集団化した大型機械を使った土地利用型作物の栽培も、条 件があうのであれば、もちろんあってもいい。しかしそれがすべてで はないだろう・・・という 「農業とは、サカナ釣りに似ている」論 でした。 自給自足的な家庭菜園。これは〔漁師さんではない〕趣味と しての釣りということになりますが、これはこれで、じつに 楽しいではりませんか♪ 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 3, 2017

その農業改革案の扱う作物は、土地利用型?労働集約型?改良要記録 作物には 土地利用型作物と、労働集約型作物があります。たとえば米・小麦・大豆といった作物が典型的な土地利用型作物です。 機械化の面からいえば、栽培に関する作業のほとんどが農業機械で行える作物だといえるでしょう。だたし収益をだすためには、いろいろな農業機械と採算に合うための広い土地が必要になります。 反対に、栽培に関する作業の大部分が機械化するのが困難な作物があ ります。たとえば葉もの類であればホウレンソウ・ネギといった 葉もの類、果菜類であれば キュウリ・大玉トマト・イチゴにメロン、そしてお花などです。これらを労働集約型作物といいます。こちらは農業機械はさほど必要ありませんが、機械化出来ない部分に投入する労働力が必要となります。そしてこの2つのタイプの作物のうち典型的なものを例にとり、数字で表すと、次のようになります。作物 労働時間/10a 農業所得/10a 労働農業所得/1時間 コメ 29.2時間 32067円 1100円 大豆 10.1時間 1595円 176円 ↑↓ ネギ 1254.3時間 885000円 706円 メロン 3100時間 3546000円 1278円どうでしょう、農業で生産する作物というくくりでは同じ作物ですが、その実態はまるっきり正反対なものだということが、おわかりになりま せんか?このような作物の栽培の実態と、その経営の実態を認識したうえでな ければ農業改革論を論じられません。どの作物を扱うかで、方法論も結論も、理想とする農業の姿が変わるわけですから。そして・・・なぜ、日本には土地利用型作物を使った農業や労働集約型 作物をつかった農業といった、いろいろな農業が存在するのかを説明して お話はおしまいです。 日本は南北にながーい山国。それゆえに気象も多種多様 ・・これが日本にいろいろな農業が要る理由です。 ● 集落にはいろいろな農家と農業がある は こちら 。 農家さんは、いろいろな農作物をつくるから百の姓で お百姓さんという。 というはなしが ありますよねっ。 「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」
Jan 3, 2017
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