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2010年04月03日
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カテゴリ: 神社
桜が満開を迎え、どこの桜を見に行こうか迷う時期である。

この松蔭神社、もともとは毛利家の下屋敷があったところで、吉田松陰の遺骨を高杉晋作らが密かに葬り、霊を祭ったことに由来するという。
したがって境内の一角には松下村塾を復元した建物があり、境内の隣には吉田松陰の墓所もある。

松下村塾は激動の時代に人材を輩出したことで知られるが、復元した建物自体は極めて質素で、これより立派な家に住んでいた豪農はいくらでもいただろう。武士は支配階級といっても、庶民と隔絶した贅沢をしていたわけではない。そしてまた江戸時代は厳しい身分制度の時代などと教科書にはあるが、松下村塾の中には武士階級以外の出自のものもいた。塾の客分の桂小五郎の親は武士ではなかったというし、伊藤博文の親にいたっては貧農だったという。
こういうことは、藩なんかによっても違っただろうし、「身分制度は親の敵」なんていう福沢諭吉の言葉にもあるように身分差別の厳しいところもあったかもしれない。
でも、藩の武家社会は狭い。そうした中で子供のうちから学問や武芸などを稽古していれば、誰が優秀で誰が駄目かなんてことは、皆が了解していたのではないか。べつに剣術の腕で出世がきまるというわけではないにしても、叩かれて(当時は今の剣道と違い防具もない)わあわあ泣いている子供と歯をくいしばって立ち上がっていく子供では、その資質の差は誰が見たって明らかであろう。一藩の経営にはそれなりの能力も必要で、家老の子は家老、足軽の子は足軽では藩がつぶれる。
とまあ、脱線したが松下村塾では身分の差なく塾生がたがいに研鑽に励んだだろうし、それがまた塾のよさだったのだろう。

復元した松下村塾の説明には維新の偉人だけでなく、萩の乱で刑死した前原一誠も含まれていた。歴史の中での勝者だけでなく、いわば敗者も松下村塾の塾生としてきちんと紹介してあるのがなんかうれしい。吉田松陰は前原一誠の人格を激賞していたというが、司馬遼太郎の小説「翔ぶが如く」(現在読書中)では非常に愚かしい人物のように描いている。
さて実像はどうなのだろうか。

とまあ、そんなふうに境内の満開の桜をみながら、なんとかく幕末、維新の歴史に思いをはせるのもよい。





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最終更新日  2010年04月03日 21時36分46秒
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