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ようやく住処が決まりました。 こっちでは“studio”と呼ばれているタイプで、日本で言うところの1LKアパートメント。とは言え、そこはやっぱAmerican! その1Lがやたら広いし(たぶん12畳くらいある)、キッチンもレジやコンロが非常にゆったりしており、少々ムリすればテーブルを置いて食事ができるくらいのゆとりもあったりする。 建物は2階建て。白塗りで、恐らく木造かウレタン製のため、全体的に温かみが感じられる佇まい。さらに、青々と芝が茂った中庭を囲むようにコの字型に建っているため、緑と白のコントラストがなんとも鮮やか。湿気が少なく透明度の高いLAの空気を通り抜けてきた陽光たちが白い壁で跳ね返り、木々の間でさえずっているよう(なんのこっちゃ!)。 しかしそれ以上に印象的なのが、このアパートメントのマネージャーさん。年の頃は、恐らく20代後半(ガイジンさんの年齢はさっぱ解らんのでもっと若いかもしれんが)。目は大きく、鼻はすこぶる高い。尖った顎に肩甲骨くらいまで伸びたフワフワな金髪と、“いかにも”な西洋人ルックスの持ち主。部屋の中にはルームランナーまで置いてあるなど、我々アジア人が抱くガイジン像を完璧なまでに体現している、ステキなお姉さんである。 でも、なんかちょっとヘンな感じ。“マネージャー”という言葉から連想する人物像からは大きくかけ離れた、ちょっとした“不思議っ娘ちゃん”といった感じだ。 例えば、彼女はいつも電話で誰かと話してる。しかも、日本ではとんとお目にかけない、イヤホンで通話するタイプの携帯を使用しているため、パッと見では、独り言を言っているようにしか見えない(ま、これは別に彼女のせいではないんだけれど)。初めてこのアパートメントを訪れ、たまたま中庭で電話をしていた彼女の姿を見かけたときは、いわゆる“文学な人”かと思ったくらい。「ここのマネージャーは居ますか?」と聞いた際に「It's me!」と答えられたときは、けっこうタチが悪い類の“文学な人”だと思ってしまった。そして、実際に彼女が部屋の鍵を持ってきて空き家を見せてくれたときは、「このアパートメントは、かなりヤバい」と思ったものだ。ま、その電話に関する勘違いは後に解消されたわけだけれど。 でも、それを度外視してもなかなか趣のある人物であることが、徐々に明らかになっていったのだ。 なんやかんやでかなりそのアパートが気に入り、「では契約しようかな?」と言うことになったわたしたち。そんなわれわれを、彼女は温かく部屋(事務所?)に招き入れてくれた。そのアパートメントのルームナンバー4に構えられた彼女の事務所の入り口には、「平」と書かれた玄関マットが敷かれていた。室内は綺麗に片付けられており――というより、事務所なんだか普通の部屋なんだか判別つきかねる感じ――、中には、先にも触れたようにルームランナー、大きなクッション、テレビ(なぜかケーブルには繋がっておらず、ビデオ専用の模様)、そして石庭のミニチュアのようなオブジェが飾ってある。加えて、綺麗なシャムネコ風の猫が2匹。彼女はこの2匹を「ファミリー」なのだと紹介してくれた。「名前は?」と聞くと、「コイツたちには名前がないの。だからわたしは“boy&girl”と呼んでるわ」とのこと。 おー、それはなかなか悪くない! まるで『Breakfast At Tiffany's』のオードリー・ヘップバーンのようではないか!! と、興趣を覚えたのもつかの間。「じゃあ契約書を書いてちょうだい……あらっ、契約書が切れてるわ」………って、オイ!! どういう管理人ですかぁ!? この一件で、彼女に対する興味が一層わいたことは言うまでもない。「では後日、改めて保証人と一緒に来ます」ということになり、その日は契約を結ぶことなくひとまず退散。あっ、ちなみに彼女の名前はThelesaさん。 後日、正式に契約を結ぶために部屋を訪れると彼女のご主人も一緒だった。左腕に大きく“平”の文字のタトゥーを入れ、頭を見事にそりあげている。しかしそんな厳ついオプションとは裏腹に、ソラマメのようなやや下膨れの顔に目じりの下がったつぶらな目が張り付いた、柔和な表情の好青年といった風体だった。 彼はわたしたちを紹介されると、ただでさえ下がった目じりをさらに下げながら、「Hi! I'm ジョン!」と手を差し出した。先に訪れた際に、Thelesa嬢から彼は日本通だと言うことを聞かされていたので、そのスキンヘッドさんに「日本に行ったことはあるのか?」と問うと、「CMの撮影のために1度訪れたことがあるんだ」と言う。………CM!? いったい、なんの!? そもそも彼、いったい何者!? そんなこちらの胸中を察したのか、彼はニコニコと笑いながらビデオテープを手にしてテレビに向かった。そうか……ケーブルの繋がっていないテレビは、来客にこのビデオを見せるためのシロモノだったか!? LAの郊外。有名大学の学生さんたちが多く下宿するアパートメントの一室のテレビから、なんとなくわたしにも見覚えのある日本のCFが流れ始めた。 “自宅のテーブルにつき、珈琲か何かの飲み物を口にする女優(黒木瞳のように見えたけれど、ちがうかも)。すると突然音楽が高らかになり響き、ビートルズそっくりの格好をした外国人4人組が彼女の後ろに現れる”……と、その場面になるとジョンは「It's me.」と、ビートルズのひとりを指差した。茶髪のマッシュルームカットではあるが、確かに顔の造作は彼そのもの……のような気がする。CFは最後、メンバーのうちのひとりがカップに紅茶を注ぎながら、女優に向い「アナタニハ、Liptonがヒツヨウデ~ス」と言って終わるのだが、そのときにもジョンは、紅茶を注ぐ人物の後ろに立っているひとりを指しながら「It's me.It's me!」と言った。 俳優なのかと聞いたら彼はYesと答えたが、彼からもらったbusiness cardには“singer/song writer”と書かれている。結局のところ正体がよく解らないこの人物についてさらにわかったことと言えば、彼はどこかの大学か何かで日本語を勉強中らしいということ、本名はGreorgeであること、そしてわたしたちが出会った前日に31歳になったということだった。 という訳で、かなり味わい深い夫婦が管理するアパートメントに住むことになりました。今後の日々には、どんな予想不可能な出来事が待っているのか……? ケ・セラセラで、楽しみにしております。
2004年04月11日
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Hiya! How are you? I'm very fine, thank you!! ………なんのことやら。という訳で、右も左もわからぬうちにLAまで来てしまったあっしの、記念すべき初日の出来事記続編です。【前回までのあらすじ:無事、LAの空港に降り立ったわたくしども。しかし空港で彼らを待ち受けていたのは、荷物紛失というかつてない災厄だった! 果たして彼らは、鬼畜米英の魔手から荷物を取り返すことができるのか!? できるのかァ?】 空港では荷物に関する有力な情報が得られなかったわたしたちだが、ひとまず、空港を出ることに。何故って、主人の雇い主であるところの先生=メッツナー氏が迎えに来てくれているはずだから。しかも悪いことに、彼は“ドイツ人”なのだ。そう、パンクチュアルなことにかけては我々日本人の上をいく唯一の民族と言われている、あのドイツ人である。待たせるわけにはいかない(徐々に判明しつつあることだけれど、彼はマジで時間に厳格&せっかちさん。時間を無駄にするという行為を何より嫌っているふう)。 空港の出口付近では、やはり既に到着していたメッツナー氏が待ちわびた様子かつ不安そうな面持ちで立っていたが、我々(というか主人)の姿を見定めると、手を大きく広げた、いかにもガイジーンな大仰な態度で迎え入れてくれた。何しろ彼は、あまりに荷物の多い我々のために、vanまで借りてくれたナイス・ガイなのである。 やや細面で、中肉中背。金髪のくせ毛を短く刈っており、年の頃は40半ばくらいだろうか。知的で神経質そうなそのガイジンさんは、大量の荷物をテキパキとヴァンに積み込むと、後部座席のドアを開け、中を手で指し示しながら「Sit down! and relax!!」と、わたしに呼びかけてくれた。 さてさて、LAといって我々が抱くイメージは「大都会&犯罪都市」なわけで、それはもう一歩街中に踏み出せば強面の兄さんたちがガムを噛みHipHopな音楽に体を揺らしながら歩き、道路はサイレンを鳴らしながら犯罪者を追うパトカーでごったがえしているのかと思いきや、車で辿りついたUCLA近辺は緑が多く、さほど大きなビルディングも見当たらないなんとも穏当そうな地域でした。雰囲気としては……そうね、多摩ニュータウンに近いかしらん。坂がやたら多いし。 それにしても、熱い!! 思わず本来「暑い」であるところを「熱い」と書いてしまうほどに、暑い!! こちらは3月末の日本から来たのだから当然それ相応の格好をしているわけだけれど、街を歩いている人々は、一様に短パン、ビーサン、Tシャツといった無防備極まりない出で立ち。う~ん「It's America!!」。 ホテルへのチェックインを済ませ荷物を部屋に運び込み、「後で一緒にランチをとろう」と言ってくれたメッツナー氏とひとまず別れると、ようやく人心地つく。 しかし、ホッとするのはまだ早い。なにしろこれからメインイベント……すなわち「荷物確認のためのお電話」をこなさなければならないのだ。ま、ここは英語が堪能なご主人様が果敢にチャレンジ。渡されたメモに書いてあるダイアルを、慎重な手つきでプッシュしたのちに、おもむろに話し出した。「…ハイ。マイネームイズ・●△×………ロス・アンゼルス………あっ、切れたっ!!」――――。 再度チャレンジしてみるものの、どうやら結果は芳しくなかったらしい。ガックリと肩を落とすMy husband。なんか、かなり「もうダメ」って感じのオーラを、全身から放っている。 なんでも、そのダイヤルは機械音声のガイダンスに従って先に進むシステムなのだが、その機械ったら、彼の渾身の「ロス・アンゼルス」という発音を、なぜか「ワシントン」と認識してしまうらしいのだ。ロスアンゼルスがワシントンだよ。奥が深いね、アメリカ。 そうこうしている間にメッツナー氏と会う時間になってしまったので、非常に後ろ髪を引かれながらもホテルの部屋を後にする。何しろ相手は、ドイツ人だ。 メッツナー氏に連れて行っていただいた場所は、「noodle planet」なる麺専門レストラン。よく解らんメニューを頼んだのだが、塩と鶏がらをベースにした薄味のスープに春雨みたいな麺、それと鶏肉、もやし、ハーブとナゾの辛~いピーマンみたいな野菜が入っていて、かなり美味。とりあえず食文化に関しては、そんなに心配することなさそう。あ~、よかった。本当によかった。 食事を取りながらも、メッツナー氏は荷物のことを気にかけてくれたらしく、どうなったかと尋ねてきたのでどうもなっていないと素直に答えると、「では俺がかけてやろう」と、やおら電話を取り出し、その場でかけ始めてくれた。彼が電話に向かい発するセリフに耳をそばだててみるが、わたしに解ったことと言えば、「ロス・アンゼルス」は「ロス・アンジェレス」と発音するのが正しいということと、どうやら荷物のありかが判明したらしい(!!! That's very good news!!)ということくらい。 聞くところによると、その荷物、あまりにバカでっかすぎるので、空港の方でカーゴと間違われ、あらぬところに運びこまれたのだという。ま、確かにダンボール箱だったしね。あまり乗客の荷物には見えんかっただろうな……。 荷物は空港にあるので、さっそく奪還に行こうとメッツナー氏が車を飛ばしてくれることに。なんて親切なんだ、この人は!! 早くも“LAのお父さん”の様相を呈してきた。 ということで、すべてはLAのお父さんのご尽力のおかげで、我々は無事に荷物をヤンキーの手から取り返すことができたのでした。日独の共同戦線がアメリカに勝利せし瞬間! 先の大戦で先人たちが成し得なかった宿願を、60年後に我々が成就したかたちとなった。 という訳で、現在はすべての荷物を無事に回収し終え、それなりに快適な日々を過ごしております。では、またのご報告にご期待ください。 See you again!!
2004年04月07日
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わたくしakiは、現在LAにおります。主人が仕事でLAに行くことになったんで、会社を辞めてくっついてきちゃった次第。LAでもお仕事探してますんで、なんか有益な情報あったら、どなたか教えてください(笑)。 というわけで、LAついた初日の出来事でやんす。 飛行機が成田を発ったのが15:30のこと。んで、こちらに着いたのが、現地時間の8時。なんとその日一日を頭からやり直すことになった訳です! すっごく得した気分!! もちろんこのつけは、日本に帰る際に払うことになるわけだけれど。 普段、携帯しか時計の役割を果たすものを手にしていないわたしは、まずクリエ(電子手帳)の時計を現地時間にセット。さっそく、意気揚々と記念すべきLAへの第一歩をタラップから踏み出そう……と思ったまさにそのとき、ズボンのお尻あたりにいつもの圧迫感を感じなかったわたし。ポケットを探ってみると、なんと財布がなーーい!!!慌てて飛行機に戻ろうとしたら、出入り口付近に立ってたインド人風のおっさんに引き止められる。「あ~~~、アイ・リーヴ・マイ……財布ってなんて言うんだっけ!?」。 言葉の壁と悪戦苦闘しながらも、高いパッションと確かなモチベーション、そして必殺の手振り身振りで相手に真意を伝え、なんとか取り戻すことができました、財布。 なんやかんやの末に出国手続きまで済ませ、あとは荷物を回収して出るばかり……と思いきや、今度は荷物がひとつな~~い!!(ちなみに、チェックインした荷物は全部で4つ。うち行方不明になったのは、biggestなダンボール箱製のそれ。ま、中身は主に主人のものだったので、わたしにはさほどダメージはないのだが)。何人かの空港スタッフに質問するが、たらい回しにされるばかりで、荷物と再開できる気配はなし。 そのとき、わたしのポケットから「ピピピ」という電子音が聞こえてきた。音量事態は控えめだが人の癇に障るその音は、確かクリエのアラーム音だ。だが、まだアラームが必要なことは何もクリエに入力していないはず。訝しく思いポケットから取り出し覗いてみると、「シャトルバス出発時刻」と、画面に表示されているではないか!? そうです、時間が日本のそれより戻ってしまったために、その日の予定として日本で入力しておいた出発予定時刻が、ここにきてわたしたちをせっついていたのです。こっちは着いていきなりトラブル続きで右往左往しているのに、なんたる間の悪さ……。あまつさえ荷物の一件は拉致があかず、「ここに電話せよ」とのナンバーだけ渡され半ば強制退去させられる始末。 うんうん、出足好調! 早くも珍道中の気配がただよってきたぜ!! ということで、続きはまた時間が空いたときに書きます。ではでは、See you later!!
2004年04月05日
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