迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

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2026.09.25
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カテゴリ: 浮世見聞記
板橋區立美術館の館藏品展「さっぱり こってり 江戸絵画」を觀る。



余白を殘した淡く控えめな“さっぱり”画調が好まれたとされる江戸畫壇において、


(※「富士見西行」 周りに薄墨を刷くことで料紙の地色を生かした白富士を表現し、白富士を見上げる西行は濃い墨で描いて色調の均衡を狙った狩野尚信の“さっぱり”系傑作 展示室内フラッシュなしで撮影可)

畫面全体に濃厚かつ緻密な色彩を展開した“こってり”作品も多く殘され、


(※「松ニ虎圖」 日本には生息しない虎を諸葛監と號した日本人繪師が資料をもとに想像で描いたもの。今日のAI生成画像のはしりか)

その両者を觀比べて江戸藝術の層の厚みを樂しむなか、私は胡粉や膠を混ぜた安い顔料で描かれた泥繪に、もっとも惹かれる。



これまで博物館などで参考出展として一、二點を目にしたことのある程度であったがゆゑに關心の高かった泥繪を、一つの展示室を使って多數展示されてゐるのは私には極上の眼福にて、



無名の繪師たちが遠近法を取り入れて油彩風に市街の賑はひを描きながら、人より建造物に焦點をあてた独特な静寂の世界は、まさに私の求める旅風景、ゆゑに泥繪は新たな友にて、



ああ立ち去り難き旅路かな。





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最終更新日  2026.09.25 18:53:33


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