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2009.01.04
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カテゴリ: I experienced
中学3年の秋、皆が受験体制に入り、ちーちゃんの顔からも笑顔が消えがちになったとき、一つの事件が起きました。

休み時間、A組のMさんが、教室の階が違うC組の私のところへやってきたのです。
Mさんは、小学校のときの同級生でしたが、中学に上がってからは、一度も同じクラスになったことはありませんでした。
小学5年生のとき、九州から転校してきたのですが、担任が言うには、
「田舎の分校にいたので、学習面が遅れている」
ということでした。
でも、私には、“学習面”という限定的な問題でないことはすぐにわかりました。
今の言葉で言うと「知的障害」があるということだと。
言語が明瞭でないことと、身体能力が低いことは、私以外のクラスメートにもすぐにわかったと思います。


そんなMさんの家庭は貧しく、知的障害や足の障害がなくても、高校に進学できたかどうかはわかりませんが、中学卒業後の彼女の進路は「就職」と決定していました。

Mさんが教室の外から私の名前を呼んだとき、その様子から尋常ならざる状態であることがわかりました。なぜなら、彼女の泣きはらした目がそのことを訴えていたのです。

「どうしたん? Mさん」
「○○さんと、□□さんと、△△さんが、私のことを、臭い、汚い言うねん」
○○さんと、□□さんと、△△さんというのは、Mさんの同級生で、別段悪い子だと思ったこともなく、私と普通に接していた女生徒たちでした。Mさんは、家庭の事情なのかどうかわかりませんが、お風呂に余り入らないとか、洗濯回数が少ないなどを推測させる状況であることは認識していました。が、それを材料にいじめるのは許せない。
「いつ?」
「ずっと前から」
「何で今まで言わへんかったの?」
「我慢してた」
不自由な足を引きずって、階の違う私のクラスまでやってきたMさんの心情を思うと、私はいたたまれなくなり、
「ここにおって。ちょっと行ってくるから」


彼女のクラス担任は理科系の教師で、柔和な表情や物言い、ユーモラスな会話で生徒には特に人気の高い人物でした。多分、教師を対象にした人気投票をしたら、3位以内には入るだろうと思われました。
対して我がクラスの担任は体育系教師で、体罰をいとわず、その筋の人のような威圧的な視線で生徒を威嚇する、いわゆる“暴力教師”で、人気投票では間違いなくワースト1になるという、札付きの悪教師でした(この先生のことも、いずれ書きたいと思います)。

職員室に飛び込んだ私は、一目散にA組の担任に駆け寄りました。
「どうしたんや、●●(私の姓)。えらく怖い顔して」
A組の担任が驚いた顔で聞きました。

「ちょっと待て、どういうことや」
「臭い、汚いって、ずっと言われていたらしいです。先生、知りませんでしたか?」
「知らんなぁ…。……なぁ、●●、受験でみんな気が立ってるんや。事を荒立てんといてくれるか」
私は耳を疑いました。この教師からそんな言葉を聞くとは思ってもいなかったからです。
きっとMさんをかばって、いじめの張本人をこっぴどく怒ってくれると思ったのです。
「受験って…、Mさんは高校には行かないんですよ。学生生活最後の思い出が、いじめですか!」
「そうカッカせんと」
完全に幻滅しました。こんな教師が人気だなんて、生徒の目は節穴です。
「もういいです。先生には頼みません。ここに来た私が間違ってました」
そうです。先生などに頼らず、自分で解決したらよかったのです。
怒り狂った状態で職員室を出て行こうとする私の肩をつかむ者がいました。
振り返ると、我がC組の担任です。私の耳にそっと口を近づけて
「やれ、●●。俺が責任を取る」
「はい!」
勢いよく職員室を出た私は、私を追ってきたMさんとぶつかりそうになりました。
A組の担任の言いようを彼女に知らせずに済んだことを幸いに思いながら、
「うちのクラスにおって!」
そう言い残した私は再び全力疾走でA組に向かいました。

A組の出入り口前に立った私は、
「○○、□□、△△、出てこい!」
3人は不審な顔をして出てきました。
「どうしたん? いのさん」
「あんたら、Mさんに臭い、汚い、言うたらしいな」
「そんなこと、言うてへんよ」
一人が答え、皆うなづいています。
「そんなはずはない。不自由な足ひきずって、うちのクラスにMさんが来た。しかも泣いてた」
「そんなつもり、なかったんよ」
「どんなつもりや」
「……」
「あんたらは高校行くか知らんけど、Mさんの学生生活はこれが最後や。そのMさんに、いやな思い出だけを残すのか! あんたらはいやな奴らという思い出になって、平気なんか!」
そのとき、私を追ってきたMさんが到着しました。途中、“大変なことになった”と思ったのか、私の行動に驚いたのか、泣きはらした顔がさらにクシャクシャになっていました。
「見てみ、この顔を見て、あんたらは平気なほど、いやな奴らなんか!」
3人のうち、一人が泣き出しました。
「ごめん、ごめん……」
「あんたらがそんなつもりない、言うても、この子がこんな顔になってるねんから、ひどいことしたことに間違いないやろ」
ほかの二人も泣き始めました。
「ごめんね。もう言わへんから」
私は畳み掛けるように言いました。
「今度こんなことがあったってMさんから聞いたら、承知せえへんからな」
私の勢いに怖じ気づいた3人は
「もうしません」
なぜか敬語になっていました。
「■■、出てこい!
■■というのは、このクラスの学級代表の女の子です。
「あんた、このこと知らんかったわけやないやろ」
「知らんかった」
いつもは仲よしと思っていた私の剣幕に驚いた彼女は、うそを言いました。“知っていた”と、顔が言っていました。
「情けないなぁ。学級代表やろ。あんたがしっかりしてへんから、Mさんが私のクラスまで来たんや。しっかりせぇ」
■■さんは泣き出しました。
「ごめん」
■■さんが小さな声で謝りました。
「謝らんでいい。そのかわり、卒業するまでMさんをきちんと守ってや。もしもう一回こんなことがあったら、あんたも承知せんで」
私はMさんを振り返り、
「Mさん、このあほの4人を許したってくれる? よく言うといたから」
「うん、うん、ごめんね。ごめんね」
Mさんも大泣きし、
「Mさんが許してくれるらしい。お礼言うとき」
いじめた3人と学級代表に言うと、4人はMさんに向かって
「ありがとう。ごめんね」
と、Mさんの手を取って言いました。

それを見届け
「ごめんな、呼び捨てにして。大きい声で怒鳴って」
そう4人に詫び、Mさんの肩を叩いて、私は自分のクラスに戻りました。
途中、暴力教師が私を待つようにして廊下に立っていました。
「やってきました」
笑みを浮かべながら私が言いました。
「そうか。で?」
「解決しました」
「よっしゃ!」

担任に責任を取ってもらう事態に至らず、よかったと思いました。

その日の終業のホームルームで、担任がこの出来事をクラスメートに説明しました。
最後に言いました。

「オレは、このクラスの担任になってよかった。弱い者をいじめるような奴がおらんし、そんなほかのクラスのことを怒ってくれる生徒がおった。お前らに感謝する」

体育担当の我が担任は、全学年の男子の体育の授業を受け持っています。
授業の最初にこの事件のことを話し、“いじめ”の醜さ、酷さ、無意味さを説きました。

そんな事件に出会えた私や、その当時在学していた生徒は幸せだと思います。
Mさんがいなかったら、「他人事」として通り過ぎてしまっていたのですから。
人生の貴重な時期に、ちーちゃんやMさんがいてくれてよかった。

そう思わせてくれる事件でした。


またしても長々と……。
次回の予告はしないことにします。
書くたびに思い出すことが増えて、思惑どおりにはいかないことに気づきました。






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Last updated  2009.01.05 13:25:44
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Re:ちーちゃんと過ごした日々 その4(01/04)  
superiocity  さん
自閉症児を育てる親として清潔感と身だしなみは
気を使う所です。
私達の中学にも同様の云いがかりで、いじめを
受けていた女の子(健常児)がいました。

この事件を生徒たちの間で解決させた体育の
先生も素晴らしいですね。
普通なら俺が言う!となるところでしょうけど
日頃のskeさんの信頼度が窺われます。

いじめをしていた女の子たちも今は親に
なっている可能性が強いと思いますが
障害者に理解ある人になって居て欲しいです。


ムム。。
ゆっくり更新して下さいネ!
(2009.01.05 21:21:24)

Re[1]:ちーちゃんと過ごした日々 その4(01/04)  
ske3888  さん
superiocityさん
思い出をたどっていると、いろんなことが思い出されて、「これを書いておかねば」と思ってしまいます。途中で、いつものようなバカなブログを書いてしまうと、人間性が疑われはしないかと心配で…。基本的には毎日更新していますので、書くのは苦痛ではないのです。speriocityさんこそ、休み休みチェックしてください(長文ゆえ、一度に幾つも読むのは苦痛でしょうけれど)。
いじめをしていた女の子と学代の女の子は、その後Mさんに親切にしてくれました。卒業の日、Mさんはこの日のことを思い出して、お礼を言ってくれましたし、いい思い出だと言ってくれました。気づかずにいじめをしてしまっていたことを3人はとても反省したようです。受験のストレスだったのだと思います。指摘する機会があって、皆が救われたように思います。
体育の先生、面白い人物です。
このことも書きます。 (2009.01.05 22:07:27)

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