「ミラレパの十万歌」
チベット密教の至宝 「ミラ・グルブム」<1>
おおえまさのり 1983/04 いちえんそう/出版 めるくま-る/発売 、原書 The Hundred Thousand Songs of Milarepa]1962
Vol.2 No.331 ★★★★★

この本は普及版が出されなかったのだろうか。これだけチベット密教に注目が集まっているのだから、チベットの民衆にもっとも愛された聖者ミラレパの、もっとも代表的な「十万歌」は、もう少し広く読まれてもいいはずだ。が、なんせこの976ページほどの大冊だから、文庫本化されたとしても、2~3冊の分冊になってしまう。
検索してみると、 「ミラレパ」(1973) というイタリア映画もあったようだし、Youtubeでも動画がでている。
そこでミラレパは「六つの要」という歌を歌った。
心の顕現(あらわれ)は無料の陽の光に浮かぶ
無数のほこりよりも多いもの
王者のごときヨーギは
これらの顕現の自性を知る
存在の本性の実相は
原因によっても、条件づけによても生ぜず
王者のごときよー議は
正しく明確に、唯一の真実を知る
たとえ幾百の槍に脅かされようと
かれの全知の智慧は不動
かくして王者のごときヨーギは
自然に一切の執着を征服する
動いて止まらぬ心は
鉄の箱に入れても飼いならすのは難しい
王者のごときヨーギは
これら(心から)発する一切のものは幻であると知る
この本には ガンポパ もでてくるが、レーチュンの名前のほうがはるかに多く頻出する。むしろミラレパとレーチュンパの対話集のごときである。しかし、それは体裁を整えるための文法でもあるかもしれない。超長大な一冊につき、後日、再読の要あり。この本、我が家の蔵書になって四半世紀が経過しようとしているのに、開いてひととおり目を通したのは、今回がほぼ初めてと言っていい。我が家の埋蔵経典とさえ言える(笑)。
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