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Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2007.11.24
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カテゴリ: 教育・子育て

 『オレ様……』に比べると、少々硬めのもの仕上がっており、
 書かれている事柄を、きちんと理解しようとするならば、
 最近出版されている多くの新書のように、読み飛ばすわけにはいきません。

 個人的にいえば、最近読んだ、どの書物よりも、
 ラインを引いたり、付箋紙を挟みたくなる部分が多かったです。
 本当にリアルで、まさに現在の生徒・教師・教室が描かれています。
 そんな中で、特に気になったところを挙げると、次のようになります。

  年齢や成績のレベルによっても違うと思うが、

  クラス(学級)という生活空間、学習空間が
  子どもたちの生活圏のユニットと意識されていないことである。
  (中略)
  昔は、クラスの生徒たちに向かって一般的に伝達しておけば
  誰かが伝えてくれたものだが、
  いまではそのとき教師の言うことを聞いていないと、
  「ボク(アタシ)は聞いていない」クレームをつけるのである。(p.114)

  「学校」(教育)が期待する子ども(生徒)は朝早く起きて学校へ来て、
  みんなと一緒に勉強したり、掃除したりする子どもなのである。
  「私だけの私」の生き方や考え方を「学校」は許容するわけにはいかないのだ。
  社会的な近代的個人としての汎用性の高い、つまり、ある意味で画一的な、


  教師はクラスで「生徒」たちに話しているつもりでいる。
  そのとき、「生徒」の位置にいない生徒には聞こえていない。
  生徒たちは教室でも授業中でも、「生徒」の位置にいるのではなく、
  それぞれの「この私」であるA君(さん)やB君(さん)の位置にいる。
  もちろん、「生徒」「(私)」であったり、

  みんながそれぞれ好きな位置にいて、それに固執すると
  「学級崩壊」が起きたりもする。
  だから、現在の学校において、「質問(あるいは問題提起)をする生徒」は、
  かつてのように必ずしも「いい生徒」とはいえないのだ。(p.162)

  学校でもクラスを生活圏として見なさずに、数人のグループで生活しているという。
  自分が認知している範囲でしか人と親しくなったりしない。
  自分の(認知している)生活圏や接触ポイントに他人が入ってくると、
  敵か味方かを識別して認知する。
  そうでなければ「見下す」にしろ「見上げる」にしろ、他人は関係がない。
  いちいち他人のことにかかずらわないのが彼ら式の「やさしさ」なのである。(p.186)

  学校は「みんなで成長するための大事な公共空間」なのである。
  親や子の「私」的な教育要求を満たすところではあるが、
  それは学校の「公」に沿って実現すべきものだ。
  「私」の扱いを「私」の要求どおりにせよ、と求めるところではない。
  逆に、高村薫さんの言うように、「私」は40分の1に過ぎない、
  と客観視することを身につけるべきところなのである。
  そう思わない生徒は人間的に成長しない。
  その大事な「公共空間」の公共性を維持するのは、
  「公」としての教育行政や学校でなくてはならない。(p.242)

  「ゆとり教育」推進論者も、「学力向上」推進論者も教育改革を口にする人たちは、
  みんなAレベル(表現される世界)しか考えていない。
  つまり、授業のことだけ考えている。知識の学習のことだけである。
  教室という囲まれた空間にいることに、どういう意味があるか、
  クラス集団の共同性がなぜ必要かなどとは考えないから、
  すぐに「教室の壁をとっぱらっちゃおう」とか、
  「クラスをなくそう」などと発想する。
  空間(場)のあり方が「個」の安定にどう寄与するかなどとは考えないし、
  そういうことを考える学問のフィールドもない。
  つまり、これは「表現されない世界」なのである。(p.307)

このほかにも、ワタミの「クレームゼロ運動」(p.280)等、大変興味深く読みました。  
学校のなかの「表現されない世界」については、本文に
「そういうことを考える学問のフィールドもない」とありましたが、
今後、ちょっと気をつけて見たり、考えていきたいと思っています。





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Last updated  2007.11.24 22:46:03 コメントを書く
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