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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.03.14
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カテゴリ: 文芸

 すべてのキャラクターが、無理なく頭の中に飛び込んでくる。
 時は1985年、バース・掛布・岡田のバックスクリーン三連発が飛び出し、
 阪神タイガースが21年ぶりの優勝を達成した年。

 でも、物語に、そんな野球の話は、ほとんど関係ない。
 関係あるのは、新田恵利に国生さゆり、夕焼けニャンニャン。
 野球より、そちらの方が生活の中心になっている、肩書きだけの高校球児たち。
 そこへ、時速150キロ以上のボールを投げる、天才左腕が転校してくる。

とんでもないダメチームが、一人のヒーローの登場で、勝利の味を知り、

可愛い女子マネージャーの活躍もあって、さらに生まれ変わって、練習漬け。
最後は、とうとう強豪チームに勝ってしまうという、何とも、ありがちなお話。

でも、この物語が凄いところは、高校球児たちが主人公でありながら、
試合の場面が、ほとんど皆無に近いという事実。
即ち「野球」というものを舞台装置として使いながらも、
実は「野球」とは、ほとんど関係なく進んでいく、高校生たちのお話だと言うこと。

しかしながら、そこから伝わってくるのは、
やっぱり、あの高校野球というものが持っている、何とも言いようのない、
甘酸っぱく、切なく、頼りなさげで、それでいて、躍動感に満ちた感覚。
女性作家による「中学生野球」を描いた物語とは、ひと味違う本格派。

それにしても、この物語を読んでいると、時代というものを感じずにはいられない。

投手がマウンドを去り、ゲームに敗れるようなことがあれば、
きっと、社会的大問題として、マスコミにとりあげられることだろう。

また、チームメートや、その他周辺人物の、この件に関する反応も、
今の時代では、ピンとこない、的外れなもののように感じてしまう。
沢渡くんのような人たちが、この20年あまりで、かなり市民権を得たと言うことか。


もう一つ、時代を感じるシーンは、ここ。

  前につきあっていた彼女の時も大変だった。
  電話がかかってくるたびに(母親が)受話器に耳を寄せて、
  なんとかして僕たちの会話を聞きとろうとするのだ。
  SF映画のように、個人が携帯できる電話があればいいのに、
  と願っているのは僕だけではないだろう。

そう、20年前は、こうだったのだ。
「僕」の願いは、完全に現実のものとなり、
高校生たちは、プライバシーを、しっかりと手に入れた。
しかし、実は、多くのものを失ったことに、気づいていない人は、とても多い。

さて、最後のクライマックスシーンでの、寮の窓から次々に垂れ下がる何十本もの垂れ幕や
男女逆転のコスチュームに、味方からの「一番言っちゃ駄目な言葉」の大コール。
さらに、数百人の生徒たちによる「セーラー服を脱がさないで」の大コーラス。
このあたりで、読者は、「感動の波」に飲み込まれそうになる。

そして、それは、秋元康がラジオで言ってたとされる、
次の言葉の部分で、ピーク迎える。

  学校でウンコ漏らしたとするじゃないですか。
  それがばれると、何カ月でもからかわれ続けるんですけど、
  翌日学校に行って『昨日ウンコ漏らした石橋です』って言えば、
  そのままヒーローになれるって

「消えた退部届」のトリック(?)部分などには、
『交渉人』や『Fake』で見られた、五十嵐さんらしさが垣間見えましたが、
それ以外の部分では、まるで別人が書いたようなタッチの作品。
なぜ、こんなことが可能なのか……、恐るべし、五十嵐貴久!!
次は『リカ』を、読む予定。





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Last updated  2008.03.15 12:38:32 コメントを書く
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