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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2016.12.29
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カテゴリ: 文芸
​ ​ 本著の解説に登場する 『クラインの壺』 を読んだとき、
 「これが本当に平成元年に書かれた作品か!?」と驚嘆させられた。
 そして、その翌年に発表されたのが、この『レベル7』。
 こちらも、今読んでも古さを全く感じさせられない。

 読み始める前、そのタイトルから『クラインの壺』のような
 SF的要素の強い作品だと勝手に思い込んでいたのだが、全く違った。
 1982年の ホテルニュージャパン火災
 1983年の 宇都宮病院事件 を下敷きにした、宮部さんらしい作品。

記憶をなくした男女が、隣の部屋に住む男の力を借りながら、
自分たちは何者なのかを探し求めるというお話と、
保険会社が営む「電話駆け込み寺」に勤務する女性が、
突然失踪した女子高生の居場所を突き止めようとするお話。

この二つのお話が結びつくのが、潟戸友愛病院。
総入院患者数800余名という、日本屈指の精神科専門病院。
その院長が村下猛蔵で、地域の有力者なのだが、
ホテル経営にも、表面には出てこないが関わっていた人物。

そして、その潟戸友愛病院で勤務しつつも、

猛蔵の長女の夫である榊達彦。
この榊と、猛蔵の次女の夫・遠山顕が共同で開発したのがパキシトン。

  この物質を注射すると、見事に記憶障害が起きる。
  ただし、これから学習することを覚えられないわけじゃないし、
  覚えてもすぐ忘れるということでもない。

  甦らないように閉じ込めてしまうという作用だけだ。(p.517)

得意げに語るのは、村下猛蔵。
さらに続けて

  そこで、うちでは、 電気ショック療法 を併用しているんだ。
  分裂病の治療法だがな。
  これを続けると、重い健忘症になることがあるのは、有名なんだ。
  ただ、これだけじゃ、最低60回はかけないと、そういうふうにはならない。
  でも、これとパキシトンの投与を組み合わせて使うと、
  薬の副作用はほとんどなしになり、電パチの回数は十分の一以下で、
  記憶喪失の人間をつくることができるってわけだな

まぁ、これがこのお話の肝になって来る言葉なのだが、
私が強く心に残ったのは、
榊クリニックに勤務する太田明美という事務員の次の言葉。

  ええ。
  アメリカなんかではそんなことないけど、
  日本ではまだ、『精神科の医者にかかる』っていうだけで、
  なんかもう途方もなく恥ずかしいことのように
  思いこんでしまう人たちが多いんですよ。
  『社会から落後してしまった』って思うのかしら。
  これはまあ、今の社会に、
  心の病気で病んで治ったあとの人を、
  ちゃんと受け入れてあげられるだけの度量も設備もない、
  ってことがいけないんですけどね。
  それじゃ駄目なのよ。
  どんな健康な人でも、
  一生に一度も病気にかからないというわけじゃないでしょ?
  それと同じで、心だって病むことはあるんだし、
  とりわけ特別なことじゃないんですからね。(p.255)

四半世紀を経て、この言葉は今も同じなのか、
それとも変化があったのだろうか?





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Last updated  2016.12.29 19:16:01コメント(0) | コメントを書く
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