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フライハルト宮が新体制で揺れている最中、レティシアのもとへ悪い知らせが届いた。女王派の重臣、ボルク将軍が胸を患って倒れたという。見舞いに訪れた女王に、老将軍はめっきり艶を失った顔に皺を寄せて嘆いた。「まこと面目ない。このような大事の折に・・・この顔で胸を病むという柄でもあるまいに。」神聖ローマ帝国の勇士として数々の戦場を踏破した岩のような体は、一回り小さくなったように見えてレティシアの心を締め付けた。床から起き上がれないボルクの手を、彼女は寝台のすぐ脇に腰掛け握りしめる。「将軍、国の事など気にしなくていい。早く体を治して、元気になってくれなければ嫌です。」「やれやれ、すっかり昔の姫様に戻ってしまわれて・・・。」ボルクはもう片方の手で、レティシアの手の甲をなでた。「陛下、私が職務に復帰する事は最早難しいやも知れませぬ。お約束いただいた軍務大臣の地位は返上いたしましょう。その代わり、どうか老いぼれの助言をお聞き届け下さるように。」「ボルク・・・。」「この間隙をジークムント公に突かれてはなりません。後任には、十分信頼の置ける者を選ばねば。さりとて今の年若い者たちは、まだまだ力不足・・・。」それはレティシアが最も思い悩んでいた点であった。20年以上に渡って戦争から遠ざかっていたフライハルトは、実戦経験のある若い将校が育っていないのだ。「そこで、私から推薦致したい。数多の戦場を駆け巡り、戦略を立てさせればこの男の右に出る者なし・・・うむ、私めを除けば、ですがな。」ボルクはかすれた笑い声を上げると、下男に命じてもう一人の客人を部屋に通させた。広い額に真白い髪、射るような頑迷な瞳と高い鷲鼻の老人は、驚きで一瞬声を失った女王を静かに見据える。その男の姿に、レティシアの胸には複雑な想いが去来した。「ローレンツ侯爵・・・。」先王の勘気をこうむって以来、職を辞して自領に引きこもっていた侯爵は、これまで女王とジークムント公の間で中立的な立場と目されてきた。だがレティシアにとっては、何より先にかつての想い人の父親である。「すぐにはご信用いただけないのも無理のないこと。長年、中央での出来事には我関せずで通して参りました。」抑揚の乏しい侯爵の澄んだ低い声に、レティシアはユベールの香気が父親譲りであると確信した。「はるか昔、私はボルクと誓いを立てたのです。互いの身に事が有った時には、相手の分までフライハルトのために尽くすと・・・。ボルクも私も、その誓いを忘れてはおりませんでした。」「あれは7年戦争の折だったな。」侯爵の言葉にボルクが目を細めて付け足す。「今となっては、ローレンツが宮廷を追われ陛下のお側におらなんだも幸い。公の反発も防げましょう。」「つまり、あくまでも伯父上との妥協をはかる人選であると見せかける・・・。」「然り。」レティシアの言葉に、侯爵は短く頷く。日が傾き始め、部屋は橙に染まり三人の影が長く延びた。「事は極力慎重に構えねばなりません。陛下の清廉な政(まつりごと)を不服に思う連中は、いまだ目に見えぬところを蠢いておる。いずれジークムント公を放逐するにしても・・・・」ボルクはむせ込み、枕元の水差しに手を伸ばした。レティシアが汲んでやった水を喉に流し込み、彼はぐったりと目を閉じている。「フライハルトは、フランスのかつてない脅威に曝されております。しかし国内の盤石を得るにも、敵を洗い出し力を削るには今しばらく時間を要する。」旧友の言葉を引き継いだローレンツ侯爵は、レティシアの反応をうかがう。「分かっています。他国からの余計な干渉を受けぬためにも、内紛だけは避けたい。必要ならば、伯父との妥協を装ってみせましょう。」レティシアの迷いない返答に、ボルクは安堵したようだ。この日、三者の会談は夜遅くまで続いた。レティシアはローレンツ候と多くの言葉を交わし、初めて彼の明敏さを知り感服もしたが、彼がユベールについて触れることは遂に無かった。
2006/01/31
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『舞姫テレプシコーラ』山岸凉子 1~8以下続刊 ダ・ヴィンチに連載中初めに申し上げましょう。これを読んだら、あなたはバレエを踊りたくなる。(断言)山岸凉子さんの作品は、激大雑把に分けて「幻想的で夢いっぱいのファンタジー」と「リアルで痛みを伴う心理劇」に区分できると思います。この方のバレエ作品といえば初期の『アラベスク』が既にありますが、これは前者、ロシアが舞台の良質な少女漫画。(うなるほど面白い。)そして、現在連載中の『テレプシコーラ』は後者、痛い方。(といっても少女の成長物語なので、明るい側面もあるのですが。)山岸凉子の作品は、痛い。しかも激痛。何が痛いのか、それは読者が日頃見ないふりをしている自分の負の面、汚い面をガリガリとえぐり出してみせるからです。自分がダメだ、弱いと思っていても、では何が、どこが弱くてダメなのか、このまま進んだらどうなってしまうのか、一定のところまで考えると普通は思考停止するのではないでしょうか。その先を確かめるのが、あまりに怖くて気分が悪いから。。。ところが山岸作品はノンストップ。行き着くとこまで行っちゃう。結末には、救いのない破滅が待っている。読者は「あー痛い!痛い!くぅ~」と思いつつ、目を背けることができず読み切ってしまうんです。この物語、舞台は現代の日本ですが、設定からして凄い。主人公はバレエ教師の母と将来有望なバレリーナの姉を持つ、明るく気弱な(?)バレリーナの卵。潜在能力は高いけれど、骨格的な問題でハンデを背負っている。そして主人公が出会った一人の少女・・・彼女は天才的な素質を持ちながら、顔が(救いようもなく)醜いせいで男性としてコンテストに出場しようとするほど。(汗)しかも経済的に困窮している親が、彼女に児童ポルノへの出演を強要しているのです。あぁ・・・痛い。。。容赦ないです、山岸先生。しかし山岸作品が単に痛い作品と違うのは、心理描写です。普通、人物の感情や思考は、話の流れに必要なものだけを書きますよね?山岸凉子は、「そんなこと必要ないんじゃない?」と思えるような部分まで書く。雑念とも言えるようなものまで、ノーカット。そんな風にして再現された思考の「揺れ」が、リアリティーとして読者に迫ってくるんです。読者は、劇中のふとした出来事、些細な思考から「痛み」に気づいてしまう。ただ、これは裏を返せば「喜び」や「発見の驚き」への「気づき」にもなるんですね。主人公が体験する「こうすると上手く踊れる!」「こんな風に踊ると凄く楽しい!」という発見は、そのまま読者の発見になる。まるで自分が踊れたように気持ちいいし、実際こんな風に踊ってみたいと思う。山岸凉子という方は、思考や感覚の過程を豊かに描き出し、読み手を作品の世界に引きずり込んでしまう達人なのです。ですからきっと、これを読んだら、あなたもバレエが踊りたくなる。(笑)私はバレエ教室に通いたくなりましたよー。
2006/01/30
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50に手が届こうかという年齢のジークムント公爵はがっしりとした体格の持ち主で、なおも片手で猟銃を玩(もてあそ)びながら馬の手綱を器用にさばき、女王の目と鼻の先でぴたりと馬の足を止め周囲を眺め回した。「裏手の森で狩りをしていたが、獲物が一頭、こちらまで逃げ込みおったわ。手負いの獣は危険なものよ。万が一お前が蹄にかかってはと思ってな。」公爵の後から続いてきた目つきの鋭い従者風の男たちが、馬を下りて側の茂みから公の仕留めた獲物を引きずり出した。先ほど人々をかすめていった黒い影は、追い立てられた一頭の牡鹿であった。それにしても余りの公爵の態度に、アルブレヒトが前に歩み出る。「殿下、女王陛下の御前でございます。どうか猟銃を・・・・」言い終わらぬうちに、馬上から鞭が振り下ろされた。「アルブレヒト・・・・!」彼の右頬に浮き出た緋色の線を目にして、女王が昂然と公爵を睨みつける。だがジークムントは悪びれもせずに言い放った。「言っておくが、あの牡鹿を仕損じてここまで迷い込ませたのは儂ではない、そこにおるエンケの小せがれよ。それを危害の及ばぬよう仕留めてやったのだ。感謝されこそすれ、騎士ごときに批難される謂(いわ)れはないわ。」公爵の後ろで名指しされた若者が、蒼白の面持ちで地面に両手をつき、ひれ伏さんばかりにしていた。長年侍従長を勤める男の息子で、レティシアとも親しく言葉を交わす仲だ。人柄は良いが少々気の弱いところのある男で、大方、公爵の無理な誘いを断りきれなかったのだろう。鹿を庭園に追い込んだのは公爵たちの仕業に違いないが、これ以上の詮議は罪のない者を追いつめてしまう・・・レティシアは沸き上がる怒りを抑え、公爵を無視して周囲の者たちに声をかけた。「すっかり興ざめしてしまったわ。気分直しに飲み物でも頂きましょう。」これまでも散々傍若無人な行いを繰り返してきた伯父をレティシアは快く思っていなかったが、公の家臣がユベールを傷つけた事件があってからは、はっきりと嫌悪を感じる。以前は、一部の貴族に強い支配力を持つ伯父を敵に回すことで国が二分されるのを恐れ、思うように処分を下すことも出来なかった。だがこれからは違う・・・もう伯父に好き勝手はさせない、そのための最後の忍耐の時期だとグストーは言った。なす術もなく様子を見守る貴族たちは、案の定ジークムント公の"報復"が始まったことにすっかり肝を冷やしていた。公爵配下の重臣を二人までも処分しておいて、何事もないはずがないのだ。ジークムントは、レティシアの王位の正当性など欠片も納得していない。これ以上の手出しがあれば姪にとって代わる準備があると、荒々しい気性の公爵は知らしめに来たのだ。彼は従者に例の獲物を持ってこさせると、レティシアの足下に投げ出した。貴婦人方の間から悲鳴が上がる。幾発もの銃弾を受け頭を撃ち抜かれた牡鹿が、無惨な姿で横たわっていた。「折角だ、"献上"しよう。」思わず眉をしかめたレティシアに、公爵は酷薄な笑みを浮かべる。「そなたは血なまぐさいのも好みであろう。猟銃の扱いも詳しいではないか。」「・・・・私は、猟銃など。狩りもしたことはありませんわ。」「何を言う。大きな獲物を仕留めたことがあるではないか。この王宮で・・・。」伯父の謂わんとする事を悟り、レティシアの表情がこわばった。彼女の体に、封じていたはずの忌まわしい感触が一斉に蘇る。 床一面に広がった赤 むせ返るような血の匂い レティシアを抱き寄せる腕 彼は全身に飛沫(しぶき)を浴びて 白銀の髪から雨のように深紅の水滴がしたたり落ちていた・・・・「陛下。」アルブレヒトが、公の挑発に動揺するレティシアをいさめる。すぐさま我に返ったレティシアだが、ジークムントは自分の言葉に十分な手応えを感じとっていた。張りつめた、きわどい沈黙が続く・・・。緊張を打ち破ったのは、場違いなほどに鷹揚な声であった。「おぉ、女王陛下、せっかくのお招きへの遅参、お詫びのしようもございません。」どこから現れたのか、レティシアの前に進み出て優雅なお辞儀をしてみせたのは、あのカムデンである。無論、招待どころか女王は彼がフライハルトにいる事すら知らなかったのだが。「カムデン殿・・・よくぞ参られました。待ちわびましたよ。」レティシアは小さく息をはいて、彼の芝居に乗る事にした。女王の手に恭しく接吻した後、彼は牡鹿にちらりと目をやり、したり顔で言う。「立派な牡鹿でございますな。公爵様はかなりのお手前と拝見致します。何を隠そう私も狩りと銃の収集には目がございませんで、本日は是非殿下と親しく狩猟談義なぞ・・・。」ジークムントは苦虫を噛み潰したような顔をしていたが、さすがの彼も大国の使節相手に無礼を働くわけにはいかなかった。公爵を王宮へと促しながら、カムデンはレティシアに一礼する。その瞳は、これで一つ貸しができましたよ、と微笑んでいた。園遊会はすっかり台無しになってしまい、めいめい場所を変えて楽しむことになった。自室に引き上げたレティシアは薬を持ってこさせ、手ずから丁寧にアルブレヒトの頬に塗り込んでやった。「跡が残らなければ良いけれど・・・。」もしこの傷が消えなければ、伯父を決して許せまい。ふと、彼女の目が宙の一点を見つめ、手が止まった。息することすら忘れたような静寂をアルブレヒトがいぶかしみ始めた時、レティシアが呟いた。「・・・・・あれは、事故だわ。」かすれた声は、まるで別人のようだ。「あれは、事故だった。エグモントは・・・・」「陛下。」アルブレヒトの力強い腕が、あの時と同じようにレティシアを抱いた。「忘れてしまうのです。貴女には、何も罪はない・・・。」金色のゆるやかな巻き毛を撫でながら、彼は忘れろと繰り返す。形ばかりは夫と呼んだ男の死に様を、レティシアは誰より信頼する者の言葉にすがって記憶の奥底に沈ませていく。忘却、それこそが神の意志に背くことと知りながら。
2006/01/29
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私は何かにハマると、やたら集めたくなるコレクター癖があります。こういう部分、男性的なんでしょうか。。。漫画やCDはレンタルで十分なのかもしれないけど、どうしても「手元に持っている」あるいは「持っていた」という記録がほしいんです。ただ、別にそのコレクションを他人に自慢したいとかは思わないので、大体が秘蔵品になります。(笑)子供の頃はお金がないので、ほしいな~程度で済むから無害だけど、大人でコレは悲惨な運命が待っていますよね。散財。趣味にいくらかけたんだろう。。。あまり計算したくありませんがっ。(汗)漫画、CD、レコード、工芸品・・・うぅ・・・。貯金しておけばよかった。orz
2006/01/28
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フライハルト入りしたカムデンは、城下で熱心に噂話を収拾して回った。どうやら結果は、彼の予測を裏付けるものであったらしい。彼はかねてより懇意にしていた王宮勤めの侍女と連絡をとり、目当ての人物の居場所を探り当てたのだった。「・・・カムデン殿か。久しいですな。この国においでとは、知らなかった。」宮廷のホールで声をかけられた男は、カムデンに名乗る間も与えず、軽く挨拶の礼をとって歩き去ろうとした。「これはこれは、感激です。お会いしたのは4年以上も前ですが、私を覚えて下さっていたとは。」「一度会った人間の名は、忘れないようにしているので。」取りつく島もない態度に、カムデンは愛想の良い微笑みを作って食い下がる。「グストー・イグレシアス殿。」彼は慇懃無礼な若造との距離を詰め、しばらく小声で何事かを囁いた後に、懐から取り出したものをグストーの上着ポケットに忍ばせた。「我が祖国は交易の国。”契約”次第でいかなるものも、万事滞りなく。」グストーは、さも興味無しという風に切り返す。「物売りなら、陛下に直接伺えばよろしかろう。近頃陛下はご機嫌も良い故、ドレスの一着ぐらいは貴殿とのよしみでお召しになるやも知れませんな。」「ふぅむ、左様ですか。仕方ない、そう致しましょう。」グストーの真横に付いていた彼は、一歩体を離し踵を返すと顔だけで振り向く。「私が戻ったのは、貴殿が帰国したからだよ、グストー殿。」非の打ち所もなく上品な仮面をした英国人は、再び魅力的な笑みで優雅に会釈を贈る。「この度の一件、お見事でした。」きびきびとした足取りの後ろ姿が遠ざかるのを見送りながら、グストーは上着を探り、男の置き土産を取り出した。ひやりと冷たく、堅い、銅(あかがね)色の銃弾。王宮正面の庭園では、過ぎ行く夏を惜しむように園遊会が開かれていた。人々のおしゃべりは、もっぱら新しい国政での人事について。クロイツァー主導で議論された省制度への移行は無事可決されたが、実態は強行採決に近い内容であった。移行後の重職から外される事を懸念したジークムント公派の貴族達は、揃って反対に回り、クロイツァーを散々悩ませたのだ。転機は例の騒ぎ、前王弟派の二貴族が互いに争った結果、両者の評決権停止と罷免、領地の一部及び私兵の没収という厳しい処断が下ったことであった。法に従った処罰とはいえ王弟派の重鎮二名が失脚する事態に動揺した諸候を、宰相はうまく切り崩して裁可にこぎつけたのである。これまでにない女王の強気、その背後にグストーの存在があることを、周囲の人間も薄々気づき始めていた。「このままあの連中を、一掃するおつもりだろうか。」「いや、公のご気性を考えれば、この先がかえって恐ろしい。」その言葉通り、ここ数日は黒獅子の騎士も女王の警護に神経を尖らせていた。彼は自ら護衛につく時間を増やし、彼女の行く先々に気を配っている。レティシアはそんな彼に負担をかけまいと、極力アルブレヒトの目の届く場所に身を置くよう心がけていた。リュートが奏でる雅やかな音楽の中で、人々が踊りや遊びに興じている。その輪に交ざっていたレティシアだが、次々の誘いに音を上げアルブレヒトのもとへ逃げ込んだ。「陛下、つれないじゃありませんか。ずっと順番を待っておりましたのに。」青年貴族の泣き言に、レティシアはいたずらっぽく笑う。「もうだめよ。もうお仕舞い。最後に、アルブレヒトと踊るの。」「・・・・陛下、私は・・・・。」腰に回された腕より、彼女の言葉に黒獅子の騎士はぎょっとした。「軽くステップを踏むだけでいいから・・・いつもの様に、ね?」女王の部屋でお遊びに付き合わされる以外、人と踊るなど滅多にない彼のこと。ひごろ超然としている彼がレティシアに翻弄されているのを、周りで見ていた男女が冷やかしたり羨ましがったりしている。しかし、二人の動きに合わせ楽士達がゆったりとした旋律をつま弾き始めると、彼らは口をつぐんだ。ヴァイリエート。フライハルト地方の、ワルツにも似た伝統のリズム。旋回して風に舞うレティシアの衣。見上げる碧い瞳に注がれた、慈しむような眼差し。重ねた手のひらから伝わる熱と、繰り返され高まっていく調べ。やがて一組、二組と、人々が踊りに加わる。腕の中でしなやかに舞い続けるレティシアを見つめながら、彼はもう長いこと心の重しとなっていた"しこり"が、僅かに溶け出していくのを感じていた。 かつて、アルブレヒトの引きとめる手を、レティシアは振り払った・・・曲調が変わり、一層穏やかで豊かな流れとなる。アルブレヒトの胸に頬を押しあてた彼女は、グストーを選んだあの日以来二人の間にできた薄氷の壁が、いま少しずつ溶け去っていくのを感じた。「アル・・・・。」このまま音楽が鳴り止まねばいい。このままずっと踊りが続けばいい。このまま・・・そうすれば・・・。乾いた鳴動が空気を裂き、陶酔は打ち砕かれた。至近距離からの銃声。混乱する人々のすぐ側を黒い塊が駆け抜け、続いて二発目が撃ち込まれた。とっさに主を己の体でかばったアルブレヒトの耳に、馬蹄の音が響く。一人の男が女王の前で下馬もせぬまま、猟銃を肩にかけ火薬のきな臭い香りを漂わせていた。「驚かせたかな、レティシア。それに取り巻きの方々も。」鼻につく、芝居じみたしゃがれ声。「ジークムント伯父上・・・。」アルブレヒトの腕を解いた彼女は、静かな怒りを込め男を見上げた。↓この作品がお気に召したら、投票をお願いします。とても励みになります(月1回) ネット小説ランキング>恋愛シリアス部門>「天空の黒 大地の白」に投票 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~*作者から一言*2万のキリ番のログを確認し損ねました。(わわっ)「きっと自分」という御方、どうぞ名乗りをあげて下さいませ!
2006/01/27
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ちょっとショックなことが。。。うちのパソコンはMacです。このブログも全部Macで作ってて、一度もWinから覗いたことがありませんでした。で、今日、出先のウィンドウズから初めて自分のページにアクセスしたら。。。がーん。第一印象は「汚っ」(滝汗)一番の原因は、画像を貼った時に周囲に出る枠線。。。Macだと表示されないので、枠線消すタグを打ってなかったんですね。orzも~ショック、ショック。よくこんなんで公開してたよね、と。めそめそ。先ほど、トップページにある「Novel」「Link」ボタンの枠線を消してみました。これでちゃんと消えたのかしら。。。その他の部分も、全部消していきます。あぁ、びっくりした。PCによる見え方の違い、もっと気をつけなければ!とつくづく思いました。さて、そろそろ2万のキリ番が近づいてきました。踏まれた方には「粗品」の進呈がありますので、どうぞ狙ってみて下さい。前回からあまり間がないので、本当に「粗」な品になるかも知れませんケドっ。(笑)
2006/01/26
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pian pianoさんから受け取りました「人生本バトン」に挑戦!自分の人生を本で出版するなら、どんな本?というバトン。直球で語れるほど内容のある人生でないので、私は変化球で。。。(のっけから謝っておきます。ごめんなさいっ!)【Q1】 あなたの人生をテーマとした本、誰に書いてもらいたい?スカリ-FBI捜査官はい、X-Fileの・・・・って、えぇっ?!(笑)彼女の報告書って、かなりクールというか、簡潔ぽいですね。もう一つ、子猫の視点から書いたシリアスな人生本も捨てがたいのですが、これは本当にブログ上で書くかも知れないので温存します。【Q2】 その本のタイトルは?「X-File 凍える血潮」角川文庫(ぇ)*ネタを考えてないので、タイトルは適当。【Q3】 その本の書き出しはどんな感じ?200X年 1月25日 02:15 AMベッドサイドの電話が鳴って、私の浅い眠りは断ち切られた。時計は午前二時。こんな非常識な時間-電話の声の主は予測、そう悪い予測通り、”彼”だった。「モルダー・・・モーニングコールなら、気が早過ぎる。」「君の甘い眠りを遮って悪いけれど、スカリー、新しい被害者だ。例の連続変死事件のね。」 (なんじゃこりゃ・・・・中略っ!)被害者の女性は東洋系、年は20代、やや赤みのある茶色に染めた髪が血に濡れて額に張り付いていた。「身分証があったわ。日本人。学生ね。」ブロードウェイの目抜き通りから一本奥まった路地・・・彼女は生前、自分の最期がこんな冷酷な「観察」の目に曝されるだなんて、想像しただろうか。「これまでの5人とは、接点がみえない。関連があるとすれば・・・。」私の言葉を、モルダーが引き継ぐ。「早速、日本の警察に問い合わせよう。“あの場所”への渡航歴を・・・。」* 私の人生、普通に書いてドラマになるような波瀾万丈ぶりはないので・・・せめて死に方をフィクションにして、エンターテイメントに組み込もうと。(笑)この後、スカリーの捜査によって私の人生が明らかにされていくわけです。はい。モルダーとスカリーのキャラがおかしいのは見逃して下さい。記憶が曖昧です。【Q4】 その本のキャッチコピーをつけるとしたら?あやかしの聖地巡礼-連続変死事件に秘められた、中世の呪い!【Q5】 その本はどんな装丁(デザイン)?う~ん、背景にイギリスの古城みたいなのがあって・・・で、「羊たちの沈黙」みたいな、ちょっと怖いめの装丁。あくまでX-fileシリーズですから!(笑)【Q6】 人生本を読みたい、と思う人は?物書きさんには、ぜひ書いて頂きたいです!崎さん金比羅系さんそれから、ちょっと面白そうと思った貴方!宜しくお願いします!補記:書き方は、pianさんのお答えの方が参考になると思います。pianさんがトラバを入れて下さったので、是非そちらからご参照ください!
2006/01/25
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天の字さんから受け取りました「ぴったりバトン」に答えてみますv意外と悩みましたけど、楽しかったです!ではでは・・・・1.手を繋ぐならゴン太くん(できるかな) きっとメルヘン。手が米粒でベタついても気にしない事。2.抱き付くならムック(ポンキッキ) あの毛は柔らかいのかしら、それともモップ系?!3.抱き殺すならイシュカ(愛すべき魔性たち)自分のキャラでごめんなさい。彼ならOKな気がしました。4.抱きつかれるならキスケ(おじゃる丸) 母性本能くすぐるっピ!5.恋人にするならアンドレ(ベルサイユのばら) 私の影になれ!←無茶。永遠のあこがれですね。この人を理想型にして現実の男性に満足できなくなった乙女は多いと思う。(笑)6.ペットにするならめそ(すごいよ!マサルさん) 中身がグッチャリしていても、やっぱ可愛い。。。7.結婚するならユベール(天黒) 協調性があるので、色々と歩調を合わせてくれそう。問題は、どうやってレティシアを忘れさせるかです。(ぇ)8.浮気するなら夏侯惇(三国志) 浮気というより、どこぞの戦場で拾われ、側室にというパターン希望。9.両親にするなら利家とまつ(???) 夫婦仲の良い家庭がいいと思う。10.兄、姉にするなら次元大介(ルパン三世) たぶん腹違いか何か。そうと知らずにときめいてみたり、真実を知って悲嘆の涙にくれたり。。。で、最後は敵に撃たれて死ぬ。私が。「お兄様、逃げて・・・!(ガクリ)」←妄想11.弟、妹にするならキッコロ(愛地球博) けしてモリゾーではない。12.子供にするならハイジ(アルプスの少女ハイジ) 天真爛漫で癒されそうです。働き者だし。(何)13.虐めるなら石川五ェ門(ルパン三世) 私にもできる気がします。マックロクロスケ(となりのトトロ) 消し飛びます。14.虐められるならグストー(天黒) めくるめく被虐の世界へようこそ。15.語るなら曹操(三国志) 我が君と国家100年の計について。16.甘えるならオスカル(ベルサイユのばら) ロザリーみたいに可愛がってほしい~アルブレヒト(天黒) ハグはセルフサービス。(彼自身は動きません)17.甘やかすならノッポさん(できるかな) 気の済むまで作り続けてごらんなさい。18.敵に回したくないのはトトロ(となりのトトロ) ←を敵に回した時点で、私が悪役っぽい。19.デートするならレオ(ジャングル大帝) レオ、これが人間の町よ!20.旅行行くならドラえもん タイムマシン、どこでもドア、ホンヤクコンニャク・・・旅行の際のお役立ちグッズ満載!21.バトンを11人に回してね蘭世にょ~さんあと、我こそはという御方、ぜひぜひっ!
2006/01/24
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グストーが王宮の自室に戻ったのは午後も大分回ってからのこと。待ち受けていたレオに、グストーは二言三言声をかける。「えぇ、ちゃんと揃えてありますよ。何たって、このレオ様は顔が広いですからねぇ。・・・っと、それと、陛下から預かりものです。5時までに目を通しておくようにって。」手渡された分厚い紙束の表には、ユベールの印章が捺されていた。ソファに仰向けに寝そべりページを繰(く)るグストーの元を、レティシアが時間通りに訪れた。「まぁ、最初の報告にしては及第点といった所だな。」グストーの口元に微笑が浮かぶ。オーストリアから送られてきたユベールの報告書は、徴兵制の準備と手順に関する緻密な調査・分析が200枚近くに渡って綴られている。「まだ稚拙な部分もあるが、努力は褒めてやれ。不足箇所を挙げておいた。送ってやるといい。」レオに書かせていたメモをレティシアは受け取り、思わず眉をひそめた。相変わらずミミズの這ったような字で、読みにくいこと、この上ない。「レオには、書き取りの練習が必要みたい。」そんな女王の言葉を、レオンハルトは全く意に介していないようだ。レティシアは諦めて、グストーの方へ向き直る。「ユベールには成果をあげてほしいわ。磨けば要職を任せられる人材だと思うの。」「確かに、素質はありそうだ。」一瞬レティシアが見せた誇らしげな顔が、グストーは気に入らない。彼はソファから体を起こし、唇の端を歪めた。「いつまでも奴を自分の男だと思っていると、痛いめに遭うぞ。」「どういうこと。」「初めての女など、所詮は通過点だということさ。」「・・・っ!」レティシアは何か言い返そうとしたが、唇を噛みしめたままグストーから報告書を奪い取り、部屋を出て行ってしまった。「欲深な女だ。世界中の男が自分に惚れていなければ気が済まないんだろう。」まるで他人事のようなグストーの物言いに、レオが批難めいた目を向ける。レティシアが出て行った扉を眺めながら、グストーはほくそ笑んだ。こうしていたぶっても、彼女は結局グストーに救いを求めてくる。自分の傷を舐め、癒してくれるのは彼しかいないと、レティシアは信じている。苦しみがつのるほど、女王は一層グストーに捕らわれていく・・・それから半月あまり後、イギリス外交官カムデンを乗せた馬車がフライハルトの国境近くを走っていた。カムデンはプロイセンからバイエルンを経由して本国に戻る途中、フライハルトに立ち寄る事にしたのだ。「フライハルトですか、あの国は・・・。」バイエルンから同行した道案内が渋る。「はぁ何故って、ついこの間ここからそう遠くない土地で領主同士の諍(いさか)いがありまして。安全と言えますかどうか。」案内の話では、ボルネフェルト伯の館に数名の賊が押し入り、宝飾品やら骨董やらが持ち去られたという。盗まれた品の中には、身分を証す印璽も含まれていた。折しも臨時の協議会で重要な決議が行われるという時期。印璽無しには、評決に加わる資格が得られない。ところが伯爵の家人の中に、賊の一人を見た、近隣のグレーシェル家に出入りする男であると証言する者が現れたのである。事件は、単なる盗難では済まなくなった。詰め寄った伯爵に対し、グレーシェル子爵は知らぬ存ぜぬの一点張りで、渦中の男は行方知れず。事態は膠着するかに思われたが、その翌日には伯爵の馬車に「仕掛け」が見つかり、その上グレーシェル子爵の名で国境越えの手形が申請されていた事まで明らかになる。元々、領地の境界を巡って不和の続いた両家の争いは、とうとう互いの私兵が衝突して小競り合いを起こすまでに至った。「ほう、それで結果は。」「王家の直属部隊が二個連隊もやってきて、あっという間に鎮圧していったそうです。女王の騎士の、フォルクマールとかいう・・・。騒ぎの張本人達は厳しく罰せられたようですが、両家ゆかりの連中がまだくすぶっていると、もっぱらの噂ですよ。」カムデンの向かいに座る補佐官がそれを聞き、うんざりとした調子で呟く。「フライハルトも落ち目ですね。ヨーロッパ中がフランスに戦々恐々としているこの時に、内輪もめなど起こしているようでは。」彼は寄り道などせず、さっさと故国に戻って優雅にティータイムを楽しみたいのだろう。ところが、彼の上司は膝を叩いて哄笑している。「何を言う、バーンズ君。こんな面白い見物を逃す手はないぞ!ボルネフェルトもグレーシェルも、先の王弟ジークムント公傘下の有力諸候ではないか。」彼は両手をこすり合わせ(これは興奮したときの癖なのだ)、さっそく怜悧な頭脳であれこれと計算を始めていた。「うむ。うむ。まだまだ、これからぞ。さぁ、馬車を飛ばせ!我々は王宮に乗り込んで、商いの話をしなければ!」「えぇ?カムデン様、本国への連絡も無しにそのような・・・」「帰国は当分、先延べだ。そう悲痛な顔をするな。フライハルトの料理は大概食えたものじゃないが、鱒(マス)はなかなか美味い。」バーンズ補佐官は速度を上げた馬車の腰掛けに身を沈め、急に生き生きとし始めたカムデンを恨めしそうに一瞥する。この馬車にも仕掛けがあって、カムデンが放り出されてしまえば良いのにと、心中こっそり願ってみた。↓この作品がお気に召したら、投票をお願いします。とても励みになります(月1回) ネット小説ランキング>恋愛シリアス部門>「天空の黒 大地の白」に投票 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~*作者から一言*Q.カムデンて誰だっけ?A.第一部7章、女王の恋人 後編をご参照下さい。久々の登場です。(あせっ
2006/01/23
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次回分の小説は、半分以上書き上がってるので明日更新いたします。最近、すっかり週1ペースですね。(汗)もうちょっと頑張りたい今日この頃。さて、キリ番のリクエストをSallyさんから頂きました。いろいろ選択肢あったんですが、私の好みで「フルメタル・パニック」テレサさんのイラストになりました!って、原作見たことないので少々不安ですが、頑張ります。版権ものは普段あまり描かないので、とても楽しみですv失敗したら笑ってやって下さい。ではでは、また明日に!
2006/01/22
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蘭世にょ~さんから受け取ってきました、17才バトンです♪【Q1】17歳の時、何をしていた?高校の部活は、天文気象部と弱小音楽部。「星の瞳のシルエット」(柊あおい)という少女漫画があって、舞台が高校天文部(?)なんですね。あまーいロマンチックな幻想を抱いて入部。。。結果:幻想は幻想だよ。はっ。毎日気象図を書かされました。星の観察は?ここのメンツがすさまじく、先輩の半数がギャンブラー。←毎日賭博自分、強くなったと思います。あとは・・・生徒会ですね。会計です。(お金も計算もダメなのに)立候補したのは、自分の視力が弱かったせいです。集会で壇上に立つ生徒会長が凄い格好良く見えたから。(笑)近寄ったら・・・・でした。【Q2】17歳の時、何を考えてた? ちょうどこの頃、横山三国志にハマったんですよねぇ。毎日、「曹操サマ素敵&許チョがラブリーv」とか、「はー、どうやったらイラスト上達すんの」とか、そんなことばっか。(笑)今でこそゲームの影響で三国志=メジャーですけど、この頃は三国志好きっていうと、ほとんどは男子高校生かオジサン。数少ない女性中心の同人サークルを知って、4コマやイラストを投稿させてもらってました。【Q3】17歳のイベントといえば?文化祭でプラネタリウムをやりましたvOBに工学部の大学生がいて、一夏かけて。けっこう本格的で、お客さんにも好評だったので嬉しかったなぁvv場所は学校の天文ドームだったんですが、普段は立入禁止の場所。だって・・・あのギャンブラー達がドームという名の密室で賭トランプしたからですよ!!あとは、当時付き合っていた人が「彼女=婚約者」みたいな考えの一風変わったというかむしろ変人で、友達がそのことを面白がってクラスに「ブラックは婚約してる」とか言いふらし、女子更衣室で「キャー!」とか騒がれたり。二ヶ月で別れました。(笑)【Q4】17歳でやり残したことは?若さをリアルタイムで楽しむこと。漢文とかばっかり読んでないで!と自分に言ってやりたい。【Q5】17歳に戻れたら何をする?ストーカーされない!前にも書きましたが、友達のとばっちりなんです。3年間。だから高校時代には戻りたくないですね。中学生か、大学1年生がいいです。【Q6】17歳に戻っていただきたい5人金比羅系さん凪坊ヤ☆クゥさんpian pianoさん天の字さん強制ではありません、気が向いたら受け取ってやって下さいねv
2006/01/21
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最近、続編が発売されましたね。私は第一弾だけ持っています。普通の書籍版を計算篇と国語篇と両方持っていて、かなり効果を実感していたので、DSの方も買ったんですが・・・正直、本でやった方が効果あるかなっ。本でやった時は、確実に集中力がついてました。ここで一句。DS版 2日遊んで あと放置さようなら、ポリゴンの川島教授・・・っ。
2006/01/20
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ここはオーストリア。ユベールの部屋に、ロイが慌てた様子で飛び込む。「大変だ!フライハルトから伝令で、”バブル祭りでワッショイ”と・・・!」「・・・・・は?」「いや、だから、バブル・・・」「全然意味が分からない。」ユベールの横に控えていたティアナが、至って真剣な面持ちで叫んだ。「ローレンツ様、きっと何かの暗号ですよ!フライハルトが大変な事になってるに違いありません!あぁっ、アルブレヒト様どうかご無事で!!」「・・・(そうなのかなぁ?)」その頃のフライハルト「陛下、お気を確かに。」「アル・・・私にはもう何が何だか分からないわ。だんだんお祭り気分を通り越して、少し怖くなってきたくらいよ。」「確かに、このような数値は異常です。」アルブレヒトは手元のアクセス報告書に視線を落とす。「しかし、お任せ下さい。15000のキリ番は、きちんと把握しておりますので。今回のキリ番は・・・15009 12:39 Sally-M 様に決定致しました。Sally殿、おめでとうございます。(よし。父上、母上、今度こそ役目は果たしました・・・。)」←1万のキリ番発表を参照(笑)それにしても、とアルブレヒトは珍しく幾分昂揚した様子でレティシアを見た。(”らんきんぐ”の効果は、げにも恐ろしいものだな・・・。)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~はい、ということで、今回のキリ番はSallyさんです!Sallyさん、お仕事が落ち着いたらリクエストお願いしますねvvそれと、もう一点、ご報告があります。『天黒』が小説ランキングで4位に入りました!(瞬間最高順位)すごいです。130以上ある作品中の4位ですよ??全部丸ごと、投票して下さった読者様のおかげです!本当に有り難うございますvvvで、ランキング効果といいますか、今日のアクセス数が700超えました。(汗)あり得ない数字です。こんなの初めて見た・・・。レティシア様も目を回して倒れるというもの。持つべきものは、温かい読者様。(涙)重ねて、あつくお礼を申し上げます。本当にありがとうっv
2006/01/19
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本日のアルとレティの会話「また、例の時期が近づいて参りましたね。」「えぇ。。。季節の巡るのが早いこと。。。(ずずっ)」 ←縁側でお茶をすする音「嬉しいことです。では、1万5千のキリ番企画も前回と同じく・・・」*15000以降、最初にアクセスされた常連様が「キリ番ゲッター」ですv (常連様=これまでBBSやコメントにカキコして下さった方) ログインした状態でお越し下さい。* プレゼントは、二つから選べますv1) イラスト:小説のキャラクターor俳優やアニメキャラなど1人(似てるかは保証対象外デス。笑)2)小説:天黒のお好きなキャラ1~2名ご指名で、外伝制作。皆様、ふるってアクセスして下さいね!「今度こそ・・・・。」「?」「いえ、一人言です。。。」場面変わってレオとグストーは・・・「告知お願いしまーす。」「む。(げふん)読者の皆様にお知らせとお願いです。作者が調子に乗って、天黒を”小説ランキング”の恋愛小説部門に登録しました。小説本文の末尾に”投票ボタン”があるので、見かけたら是非クリックを・・・」「マスター、棒読み、棒読みっ。」「(五月蝿い!!←怒怒怒憤怒)・・・・投票できるのは、1作品につき、月1回。いくら絶賛したくても連打はNGだから気をつけてほしい。」「読者様からの一票が、すごい励みになるんですよっ。宜しく御願いします・・・投票ボタンは、こんな感じ。↓もちろん、ココから今スグ投票できちゃいますよー。うん。(笑)」この作品がお気に召したら、投票をお願いしますv(月1回) ネット小説ランキング>恋愛シリアス部門>「天空の黒 大地の白」に投票 (投票結果が反映されるには1時間くらいかかるようです。)「ところでマスター、何だか今日の俺たちピリっとしないつーか、パワー足らなくないスか??」「作者の風邪が悪化したからだろ。」「・・・・・・。」 今日は早く寝ます。
2006/01/18
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創作者の皆様に御尋ねしますー。自分の作品で泣きが入ることってありますか??私はあります!!場合によっては号泣モードに突入しますよ。(←ちょっと大げさ?)滅多なことでは泣かない私ですが、自分の作品となると・・・セリフ考えたりしてる内に、登場人物と妙にシンクロしてしまい、涙涙。。。(最近は映画やドラマなど、非現実の世界だと簡単に泣けます。涙腺壊れた??)うーん、『天黒』にも何度泣かされたか・・・数えきれないくらいです。悲しいシーンだけじゃなく、ちょっと感動、みたいな場面でも。今日は、これまでの話で私がこっそり泣いた部分をピックアップしてみます。日記のネタがないんだな、なんて言わずに!まぁ、座って聞いて下さい。(笑)物語を書く時は、ユベールにシンパシー感じる私ですが、泣きポイントとなると(同じ女性同士のせいか)レティシアの感情に入り込んでしまいます。例えば、第一部 契り 後編 ユベールとレティの再会シーン祭りの後、困難の末ようやく巡り会えた二人。「ずっと側にいる」というユベールの誓い。。。"ユベールの唇が優しく動き、愛の言葉を紡いだとき、レティシアはあまりの幸福に声を押し殺して泣いた。"ココです。レティより私が号泣。(笑)レティ様、悪いヒトですけどね・・・この時、レティシアはグストーを失って何年も色彩のない世界で生きている。アルに支えられ、かろうじて政務をこなす日々。(この辺は書いてませんが・・・)そんな彼女が、ようやく再び希望とか喜びとかを感じとれるようになるのが、この時です。レティ様、本当によかったね・・・と、作者は涙。。。他には、第二部最後でレティがユベールの背中を追う場面や、小さなレティ&アルブレヒトの「もう姫様の騎士ではない」→「私の騎士はあなたです」の辺り・・・自分よりグストーを選ぼうとするレティシアを見て、"自分ではもう彼女の支えになれないのか"と嘆くアルブレヒト。レティシアの裏切りを知って、「彼女に騙された、利用された」と悲しみを募らせるユベール。この辺が私の泣きポイントでした。・・・やっぱり、グストーにシンクロして泣くというのは、無いですね。(笑)
2006/01/17
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メジャーって、メジャーリーグじゃなくてっ(それは分かる)うちの『天黒』を、そろそろ小説の検索サイトやランキングに登録したいなぁって。。。そのための作品トップページ(目次)を作ってたんですが、どうもまだ納得がいかないんです。散々変更して、結局一番最初のに戻したり。(泣きよろ)私の苦心の跡→コチラいやーん。紹介文が恥ずかしい。(笑)最初は、ココとは別にサイトを作ろうと思ってたんですよ。フラッシュ使いたくて!導入部分をフラッシュアニメでとか!! ←意欲だけは満々でも、気に入るもの作るにはまだまだ時間かかりそうですし、自分の性格でサイト2コ管理は無理だろうし。当分、楽天で登録する方向にしようと。今ちょっと悩んでるのは、「天黒」が「恋愛小説」なのか「歴史小説」なのかというカテゴリ分類です。架空の国をでっちあげてる時点で、歴史風味空想小説な気もします。やっぱり「恋愛小説」???
2006/01/16
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白銀の髪をした老齢の紳士は、ゆっくりと珈琲を口に運びながら、手にとった書類の最後の一枚に目を通し終えて唸った。「うむ。短期間でよくぞこれだけのものを仕上げられた。」気品に満ちた端正な面差しは、いかにも大貴族らしい威風と温厚な性質を映している。王国宰相クロイツァー伯爵は、改めて目の前の男の才覚に舌を巻いた。「あらかじめ下図は出来上がっておりましたので。」「成る程、本場フランス仕込みであったな。陛下もさぞお喜びになるだろう。」宮殿近くに建つクロイツァーの私邸。その一室で繰り返されたグストーとの打ち合わせは、最終段階に入った。才気煥発として野心に満ちたこの男を、彼はなかなか気に入っている。女王にこの男を引き合わせたのもクロイツァーであることを思えば、縁は深い。その三者が密かに計画を進めていたのが、中央政府の統治機構改革である。古くよりフライハルトでは「顧問会議制」が採られており、各事案ごとに数名の高官が選ばれて顧問会議を形成し、対応するのが常であった。必要に応じて次々と作られる顧問会議の間で管轄が入り組み、権限の分配も不均等で合理的ではなかった。グストーの提案は、この統治制度を廃止してフランスの革命政府式「省」制度を導入するというものである。外務省、財務省、軍務省、法務省など、君主の下に統一的、計画的に権限配分された専門省を置き、全国に統治権と責任を負う。この機構改革は、他のあらゆる改革を効率よく行うための要石となる。好々爺然とした宰相はグストーをちらりと眺めて、再び珈琲を含んだ。「・・・これを、本当に貴殿の名で出さずとも良いのかね。」「無論です。クロイツァー様のお名前でこそ、ご威光もあるというもの。私のような若輩では、とても。」グストーの瞳が暗い光を放った。王家二代に宰相として仕え、切れ者と賞賛されたクロイツァーも老いた。「これが実現すれば、クロイツァー様のお名前はフライハルトの、いえ帝国の歴史に残るでしょう。」フライハルトの名家に生まれ、金銭に淡白な彼は貴族の取りまとめ役であり、女王が大きな混乱なく国内を治められるのも彼の力による部分が大きい。そのクロイツァーが老いてなお、否、老いたからこそ捨てられぬのが、名誉欲である。「良かろう。では、週明けの臨時枢密協議会で。」彼は一礼して下がろうとしたグストーを引き止め、昼食に同席させることにした。客人が執事に案内され執務室を離れたのを見計らい、クロイツァーの二人の息子が父親の元へやってきた。二人とも、高級官僚として才能を認められた能吏である。「父上、顧問会議制廃止の件、もう決めておしまいになったのですか。」「そうだ。来週に発表する。」父親の返答に、兄弟は顔を見合わせた。「少し性急過ぎるのではありませんか。失敗すれば、悪しき結果はすべて父上に跳ね返ってくるのですよ。」「そうです。あの男は、父上を泥よけに使おうとしているに違いない。」クロイツァーは近頃面積を増してきた額に皺を寄せ、二人に腰掛けるよう低い声で命じた。「お前達は自慢の息子だが、官僚などやらせて近視眼になってしまったな。」フランスがドイツ地方に食指を伸ばし、オーストリアの軍事力も当てにはならぬ今、フライハルトの独立を支えるのは自国の力しかないと宰相は悟っている。旧態依然とした現行の制度では、求心力があまりに足らない。「この国を守るには、今動くしかないのだ。確かにこれは、あの男が仕掛けた賭けかもしれぬ・・・だが勝ち目のある賭けならば、私はすすんで乗ってやろうと思う。」「父上・・・。」クロイツァーは、フライハルトの凋落を見るような事態に陥る事を恐れていた。国を失うことも、無能者の宰相と誹りを受ける事も恐れた。グストーの知謀は、灰色の停滞に差した一筋の光明に思える。あの男が生まれながらの貴族であったなら、とクロイツァーは口惜しかった。生まれながらの貴族であったなら、レティシアの新しい夫に迷う事無く推薦できただろうに。この作品がお気に召したら、投票をお願いします。励みになりますv(月1回) ネット小説ランキング>恋愛シリアス部門>「天空の黒 大地の白」に投票
2006/01/15
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やぁっ、今日は随分いいことを尽くしました。「のどにいい」ことを。(笑)最近暖房のつけ過ぎだったせいか、朝起きたら喉がガンガンに痛くて。。。腫れてるし、おまけに熱っぽい。でも今日はバイト呼び出されてるし、外は土砂降りの大雨だし←関係ないで、「ネギショウガ汁」と「かりん茶」と「ヴィックスドロップ」の3点セット投入!・・・・・・・夜11時現在、ほぼ完治!!うーん、どれが効いたのかよく分からないけれど、とにかく効果はありました。そんな闘いを繰り広げていたため、今日は小説が書けな(削除)ブログの改装だけ・・・天黒第一部は、全部移し終えました。明日こそ、書くぞっ♪
2006/01/14
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「うぅん・・・」「レオ、何をうなっているの?あなたも接種を受けなくちゃ。ほら。」「でもレティシア様・・・・。」「アルブレヒトは、ためらわずに受けたわよ?ねぇ?」「当然です。陛下が受けられたものを、躊躇するなど。」「・・・。痛い??」「少しだけね。腕に傷をつけて、そこに天然痘の病原体に浸しておいた糸をグリグリっとこすりつけるの。」「グリグリ。。。」←汗「イギリスで発展した方法だ。さして痛みは無い。それとも昔の中国のように、直接病原体の組織を埋め込んでほしいか?」「うぅっ!マスター、それは・・・っ。」←滝汗「レオ・・・迷っている間に、病気になってしまうかも。あの恐ろしさは知っているでしょう?幸運に治っても、全身あばたができてしまうし・・・下手をすれば、体中が腐って溶けてしまう。フランスのルイ15世陛下も、壮絶な御最期だったと聞くわ。あぁ、あなたの可愛い顔がドロドロになったら・・・。」「へ、陛下っ、なんで薄ら笑いなんですかっ!」「案外、一度病気にでもなった方が良いやもしれません。あばた顔になれば、こいつの遊び好きも治まるでしょう。」「がぁっ。それは困る!全国2000万のファンの女の子達を泣かせるわけにはっ。」「つべこべ言わずに腕を出せ。」グサッ。グリグリ。。。。 あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ここが東洋なら・・・この時代、天然痘のかさぶたを粉末にして鼻から吸引するなんて方法が中国から日本に伝わっています。レオ、残念。なお、天然痘の接種法は中央アジアで生まれ、その後ヨーロッパと中国に伝播したと考えられています。この頃、免疫をつけるための病原体は人間から採っていました。現在の方法に比べ危険性も若干高く、死亡事故につながった例もあるそうです。ジェンナーが人間ではなく牛痘による安全な予防接種を発見、発表するのは、この数年後のお話。。。(牛痘は牛版の天然痘ですが、症状が軽く、死亡することはありません。なのに人間用のワクチンが採れるのです。なんと便利!しかし、ジェンナーがワクチンの実験に使った少年は、よくお話で言われるような”自分の息子”ではなく、縁もゆかりも無い少年だそうな。ひどい。。。)
2006/01/13
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小説のバックナンバーをより快適に読んで頂くために、フリーページを改装中です。新しい小説ページのイメージこれまで日記に直リンクしていましたが、フリーページに本文を移し替えてみました。文字の色も変えてみたのですが、どうでしょうか。。。(日記で使ってる薄茶よりも、目に優しいと思います。)そこで、読者の皆様にお願いです。(平伏)文字色、文字サイズ、行間、デザイン・・・また、特にwindowsユーザーさんがエクスプローラで見た場合、テーブルの縦ラインが崩れずに表示されているかなどなど(私Macなので凄く不安ですっ)もしおかしな部分がありましたら、是非ご一報下さいませ。今のところ、デザイン性よりも「読みやすさ」を重視して作っています。1回1回が読みやすく、どんどん続きをクリックしたくなるような。(笑)些細なことでも結構です。お気づきの点がありましたら宜しくお願い致しますv(おじぎ)追記:改装中につき、しばらくアトリエ他一部のコンテンツを閉鎖中です。 また、一部デザインが崩れているページもあります。ご容赦下さいっ。
2006/01/12
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宮殿のある丘から一望できるフライハルト城下は、白色の素朴な家々が立ち並び、街全体を朝もやが静かに包んでいる。夜明けを告げる大聖堂の四点鐘を、レティシアは初めてグストーと共に聞いた。主人の好みに合わせ固めにしつらえた彼の質素な寝台でレティシアが目を覚ますと、グストーは既に書き物机に向かい書類の束に修正を加えていた。こんなとき気を散らされるのを、彼は一番嫌う。レティシアはいつもと薫りの違う空気を深く吸い込んで、再び目を閉じた。心が昂揚しているのは、見慣れぬ景色で朝を迎えたせいばかりではない。いよいよ、この国に大鉈(おおなた)を振るうのだ。グストーと共に練り上げた構想を、実現に移す時が来た。もっともその前に、今日はもう一つの仕事をしなければならない。「体調はどうだ。」気配を察したグストーが顔も上げずに尋ねた。「平気。今日で大丈夫。」レティシアを呼び寄せ、象牙のようになめらかな白い腕を撫で脈をとる。「少しでもおかしいと感じたら、すぐに言えよ。」「分かってる・・・あなたも、意外と心配性ね。」「馬鹿を言え。確実に安全が保証される方法などない。」「でも、効果はあるわ・・・。」力強いノックが響く。ずかずかと入り込んで来たレオは、傍らのレティシアの姿を見るなり赤面した。夏物のごく薄い夜着をまとうばかりの彼女の造形が、外側からもはっきり透けて見て取れる。「やあ、これは・・・へへ。」困った風を装いながらも、レオは持ち前の正直さで「役得」とばかり、とっくり観賞させてもらった。コルセットの不自然な締め付けを嫌う彼女の肢体は、高貴な女性としては稀にみる健康的なバランスを保ち、水浴を終えた女神さながら、黄金の曲線美を彼の前にさらしている。「レオ、用件は何?」「えっ・・・いえ、その、朝のご機嫌伺いに・・・!」にたりと笑うレオンハルトの鼻先に、レティシアの指が突きつけられた。「ならイルゼを呼んで来て。着替えを持ってくるよう言って頂戴。今すぐよ。」部屋を追い出されたレオは彼女の姿を細かに反芻しながら、今あらためて思う。あぁ、グストーに仕えていて本当によかった!午後になって、王宮の大広間は人で溢れかえっていた。そのほとんどが、城下や近隣の街に住む一般の市民達である。人々から一段高い台の上に、数名の医師と女王、付き添うアルブレヒトの姿。医師が女王の腕を取り、刃物をあてようとする。「あっ・・・あぁぁぁぁ~~っ!」突然上がった男の声に女王は苦笑し、黒獅子の騎士は睨みつける。「レオ、情けない声を出さないで頂戴。危険はないと説明したでしょう?皆さんにそれを示すために、こうするのだから。」「それはそうですが・・・せっかくの綺麗な腕がもったいなくて・・・・。」二人のやり取りに、周囲の人々がどっと笑った。医師達が施そうとしているのは種痘、つまり天然痘の予防接種である。この時代、天然痘はペストと並んで恐れられる、死亡率の高い流行病であった。毎年のように猛威を振るうこの病は、時には一国の王の命さえ奪う。種痘の方法は既に確立されロシアでも成功を収めていたが、フライハルトの一般市民は、病のもとを自分の体に入れることに強い抵抗感を持っていた。そこでレティシアはロシアの女帝に倣い、自ら、それも人々の前で接種を受けることにしたのである。女王のしみひとつない陶器のような腕に刃が立てられ、人々がため息をもらす。小さな傷口に病原体が埋め込まれる間、彼女はけろりとした顔で笑顔さえ見せ、続いてアルブレヒトが同じ処置を受けた。領土の巨額な売却金で女王が最初に着手したのは、公衆衛生の向上である。オーストリア継承戦争、七年戦争と、ハプスブルク家を巡る相次ぐ戦乱の後遺症、加えて今回の対仏戦争にヨーロッパ中が疲弊していた。その犠牲者は全体で百万人とも言われ、国庫への負担、生産力低下による二次的な損害も甚大である。フライハルトもまた、オーストリア陣営として人的、物的援助を余儀なくされた30年前の痛手から立ち直れずにいたのだった。ローテブロイの領土を売却し、移民として多大な労働力を得た女王は、人々を病から守り”生かす”ことを第一と定めた。種痘の徹底、各地域への診療所の設置、医師の育成に予算がつぎ込まれていく。むろん、その背後には、グストー、クロイツァーを交えた度重なる協議がある。レティシアは市民の前に立ち、語りかけた。「さぁ、今見たこと、私の言葉を、あなた方の隣人に、家族に、出会ったすべての人々に伝えて欲しいのです。これから医師達がフライハルト中のありとあらゆる街と村を回るでしょう。ためらってはなりません。小さな勇気があれば、誰もが死の恐怖から解放されるのです。」はじめは及び腰であった者達も、潜伏期間を過ぎてレティシアに何の症状も現れないのを知ると、いよいよこれは凄いと言い合うようになった。女王と黒獅子の騎士が揃って種痘を受けたのである。噂はすぐに国中に広まり、その後、国民はこぞって接種を望んだ。↓この作品がお気に召しましたら、投票をお願いします。とても励まされます。ネット小説ランキング>恋愛シリアス部門>「天空の黒 大地の白」に投票
2006/01/11
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* * *ティアナが語った事の経緯に、ユベールは驚きを禁じ得なかった。婚約破棄・・・いや、アルブレヒトに並の男としての過去があったこと自体、今の彼からは想像もつかないほど不似合いに思えたのだ。あの姿が何かを削ぎ落とした結果だとしたら、ユベールはそれ程の犠牲を払って女王の側に立つ人間を知らない。そんな男に、自分とレティシアの関係も見守られていた。「・・・すみません、泣いたりして。」ティアナは、感情のままアルブレヒトの過去を打ち明けてしまったことを後悔し始めていた。誰かに自分の敬愛する人物の正しさを認めてほしかった。ユベールならばと期待して、つい甘えが出たのだ。「今お話しした事、忘れて下さい。明日からは普通に振る舞えますから。ロイさんにも。」そう言うティアナの顔には、寂しげな諦めが浮かんでいる。彼女がオーストリアへ来た口実は、半分は嘘であった。騎士となって、尊い人物に仕えるのが夢だと・・・それは、半分は嘘だ。この世に生を受けた時から父親を知らないティアナにとって、彼女を庇護してくれた高潔な黒獅子の騎士は絶対の存在である。彼女の心にあるのは、どうすれば彼の役に立てるか、その一点のみだった。アルブレヒトと同じ世界に生きると決めた時、彼はそれを受け入れティアナに剣術と訓育を授けた。いつか恩に報いたい。オーストリアで己を磨き、彼のために働くつもりだった。だが自分が側にいることで誤解を招き、アルブレヒトの名誉を傷つけてしまうならば、フライハルトに帰国しても彼のもとへは戻れない。「明日、ロイさんに謝ります。叩いたりして・・・。ロイさんが仰ったのは誰もが思うこと。アルブレヒト様への迷惑も考えず男の真似なんて・・・」「ティアナ。」語気鋭いユベールの声に、ティアナは驚いて彼の顔を見返した。「それが君の答えか。」ユベールは瞳に静かな怒りをたたえ、ティアナを見つめている。何も言えずにいる彼女の前に、艶やかな褐色の手が差し出された。「この肌をね、レティシア様は受け入れて下さったよ。」「え・・・。」「私が宮廷に来たばかりの頃、口さがない人々は陰で陛下を随分悪く言ったようだ。黒い肌の人間をはべらせて喜ぶなんて、悪趣味だとね。けれど陛下は、私が周囲を納得させるだけの価値を持てるように機会を与え、導いて下さった。だからこそ、徐々に私を認めてくれる人も現れた。」ユベールは一つ一つの言葉を打ち付けるかのように紡ぐ。「分かるかい、ティアナ。相手を思って身を引くだけでは、何も変わらない。」椅子から立ち上がり部屋のドアに手をかけたユベールは、ようやく口調を和らげて言い添えた。「そのことを教えて下さった陛下に、私は感謝している。アルブレヒト殿は、周囲の目など先刻ご承知だろう。あの方のお心をよく考えてみるんだ。」「ローレンツ様・・・。」ユベールはティアナの部屋を後にし、自室へ続く廊下をひとり歩いた。(感謝・・・・?レティシア様に・・・・。)思いがけぬ言葉が自分の口から飛び出したものだ。怒り、憤り、疑念、悲しみ・・・・偽りに満ちたかつての恋人に対する思いは、もう長いこと負の感情ばかりであった気がする。なぜレティシアの話など出してしまったのだろう。廊下の窓から炯々と照る月明かりが差し込み、床に黒い染みを形作っている。青白い光の元を凝視していたユベールの背後から、突如耐え難いほどの寂寥感が駆け抜けた。(気弱になっている・・・。)軽く首を振って、ユベールは再び歩き出した。懐古に浸ってはいられない。この国で成果を上げ、いずれフライハルトに戻り、そして・・・ あの男を凌(しの)いでみせる「仰った通りでした、アルブレヒト様・・・・」ティアナは寝台に身を投げ出し、枕に唇を寄せた。日頃のユベールは穏やかで、ティアナは心のどこかで彼がうわべだけでも慰めてくれるものと思っていた。案に反したユベールの言葉は、彼女の胸に鈍い痛みと共に刻まれた。「あの御方は信じられる。私も、そう思います・・・。」しばらく故国に思いを馳せていたティアナは、勢い良くブーツを脱ぎ捨てベッドにもぐり込んだ。ロイに謝るのは、当分取りやめにしようと決めた。
2006/01/10
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このごろハヤリの脳力トレーニング。ニンテンドーDSの「やわらかあたま塾」知覚、言語、記憶、分析、数字の5ジャンルをパズル感覚で訓練できるんですが・・・分かってはいたけど、私の脳、知覚と記憶が最悪。。。あまりの悪さに、意気消沈。普段から1秒前に見たもの忘れる人だから。。。すごい初期レベルで止まってます。フルーチェ並みのやわらか頭になれる日はいつ・・・?グラフィックやキャラクターはとっても可愛い(男女、年齢問わず好きになれると思う)ので、試しに遊んでみるのも一興。お安いですしv
2006/01/09
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総合評価:やや面白いなにそれ?(怒)という方のために、敢えて点数で表現すれば65点くらい。一部の方がいうような、投げ捨てるほどのつまらなさとは感じませんでした。ちゃんとクリアしましたし。。。ただ、中古1800円で買ったからかも??ポイント1:主人公がなぜリーダーなのか、やっぱり分からない。 あの状況でリノがリーダーでないのは明らかにおかしい。ポイント2:でもスノウは萌え。 あのダメ人間ぶりが逆に愛を芽生えさせる。 また、スノウに着替えさせて「似合ってる」と言うと、 「そうだね、やっぱり僕にはこの服が似合ってるよね。」と答えてくれます。 スノウにボロの服を着せる→そうだね、やっぱり僕にはこの服が似合ってるよね 涙が出ます。(泣笑)ポイント3:フィールドが海 私は海が好きじゃない。(何)ポイント4:本編以外を楽しむ メインのストーリーはあっさりしてます。 それ以外の部分に自分で楽しみを見つけられるかが鍵。 見つけた度合いによって、評価は上下すると思われ。 特に懺悔室は必見!ポイント5:音楽がいい。 特にエンディング! 幻想水滸伝1の「悲しみのテーマ」がオーケストラアレンジで組み込まれてます。 これだけでもサントラで聞く価値あり。壮大で泣ける。 あぁ、闘いは終わったのね、としみじみ。。。二周目の価値は??せっかくお金貯めたのに、私は途中で止まってますね。クリア特典の「老人の像」が何なのか確かめるため、本拠地で風呂場ができるまでは進めたんですが。。。見て、「あー」と思い、そこでストップ。(笑)あと私がやり残した事といえば、キノコ・ミント戦争くらいでしょうか。いずれにせよ、幻水の名前に過度の期待をかけない方が楽しめると思いました。(ひどい)ラプソディアは、中古の値段が下がったら購入予定。5には渋いダンナも出てくるようなので、そちらを楽しみにしています。
2006/01/08
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昨日のキリ番イラストから、グストーだけを切り出しました。こちらは、全ての読者様にフリー配布させていただきます。お気に召しましたらお持ち帰り&可愛がってやって(?!)下さいv(塗りの時に左目を修正したせいか、意外と穏やかな顔。)実は、これの元版になってたオリジナルを間違って消してしまいました。色々修正するつもりだったのにぃ~(涙) ←主線とか服とかっ。直せるところは直しました。一応。。。用途があるか分かりませんが、切り貼り文字入れ、色替えも自由です。ではでは、今後とも天黒をご愛読下さい!
2006/01/07
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yhanna様へ大きいサイズはこちら大変お待たせしました。10000Hitのイラストがようやく完成!yhannaさま、キリ番ゲット有り難うございましたv記念にどうぞお持ち帰り下さい。(ぺこり)「アルとグストーがにらみ合って火花が散ってる感じ」とリクエストを頂きましたので、王宮の廊下ですれ違った二人のイメージで描いてみました。普通ににらみ合うと身長差があるので、グストーさん分が悪いです。(笑)この二人ですが、アルブレヒトってかなりグストーを敵視してるのに、グストーの方は相手にしてないんですよね。だから、この絵でも「にらむ」というより「小馬鹿にして鼻で笑う」感じ。なんと憎たらしい。グストーからすると、アルはレティシアの世話で満足している志の低い男に映るようです。むしろユベールに対しての方が、レティシアとの関係からいっても(少しくらいは)ライバル心を持っている様子。アルさん、じっと我慢です。。。さて、折角カラーのイラストを描いたのに、グストーがやたら小さくなってしまいました。悲しいので、次の日記にお顔のアップを載せておきます。*更新情報:1/8 アルをこっそり修正 画像差し替えました
2006/01/06
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凪坊ヤさんへ 5000&6666打おめでとうございます!ちょっと前(いや、結構前っ)なのですが、凪坊ヤさんトコの5000ゲット記念&ウチの10000祝いにアルさんの絵を頂きました!そのお礼ということで、お返しの絵を送りますと約束してはや幾歳月。(涙)最初の設定画のアルが一番お好きとの事。あの雰囲気はもう書けそうにないので、失礼ながらあの絵を加筆修正ということで↑を凪坊ヤさんに贈らせて頂きます。どうぞお持ち帰り下さいv (ていうか遅すぎでごめんなさい)そして、私が凪坊ヤさんから頂いた絵が【こちら】!すごい頼りがいがありそうな、男前なアルです!!ボスって感じ・・・力強い。 いやーん!側にいてほしいっvやはりアルのようなタイプは男性がお描きになるとヨイですね・・・凪坊ヤさん、有り難うございましたっ♪大切に飾らせていただきます~!
2006/01/05
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先日、いつも仲良くして下さっている氷上さんのブログで、キリ番を踏みましたっ。で、記念に詩を頂いたのですが、一人で楽しむのはもったいないので、ウチのアトリエに展示させて頂くことに。氷上さんの感性にはいつも驚きと感動を覚えますが、今度のも・・・vv御用とお急ぎでない方は、ぜひご覧になって下さい。(私は広報担当ではありません。単なるファンです。笑)→コチラからどうぞ氷上さん、6666Hitおめでとうございましたvそして、素敵な詩を有り難うございます!ずっと大切にして、読み返します。
2006/01/04
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数ヶ月後、アルブレヒトが机に向かい一通の手紙をしたため終えたところへ、館の執事が報告に来た。「お荷物は全て馬車に詰め終わりました。ご確認を。」「分かった。今行く。」彼は封筒に蝋を垂らし指輪で刻印を施すと、暫しそれに視線を落としていた。アルブレヒトの進退については、あれから随分と物議をかもした。結局、法学者ピヒトの助け舟もあってレティシアの訴えが認められ、アルブレヒトはかろうじて解任を免れたのである。無罪放免とはならなかったが、責を負っての謹慎も今日で解ける。彼は伯爵家の屋敷を出て、完全に王宮に移り住むことにした。身の回りの主だった物を荷詰めしてしまった彼の部屋は、最早よそよそしい。「部屋は良いようにお使い下さいと、父上に伝えてくれ。もうこの屋敷で暮らす事もないだろう。」最後に残された白い封筒を、側に控えていた老臣に託す。「これをあの人に・・・こんな役目を頼んで、すまない。」忠実な宿老は、静かにそれを受け取った。「ご立派なお覚悟でございます。騎士として、一身を賭してお仕えなさいませ。いずれ若様は、ブランシュ家の家名を至上の栄誉へと導かれることでしょう。」「”立派”などではない。ただ己の弱さ故・・・だがそれでも私は・・・」レティシアの言葉に応えたい。己に向けられた信頼と愛情に、背を向けたくはない。「アルっ!」部屋の入り口にひょっこりとレティシアの姿が現れて、彼を呼んだ。「姫様・・・!どうしてここへ?」「あのね・・・迎えに来たの。」久しぶりの再会にはにかんでいるのか、レティシアは扉から体半分のぞかせたまま、なかなか近寄れずにいる。小さな革靴が足踏みしているのを見て、アルブレヒトの顔がほころんだ。数歩近づいて腰を落とし視線を合わせると、レティシアはようやく駆け寄って彼の首に抱きついた。「さぁ、参りましょうか。」主を抱き上げると、アルブレヒトは部屋の外へと踏み出した。 アルブレヒト・・・ あなたは 黒獅子の騎士になるあの雪原で、レティシアの言葉は啓示となった。祈りに似た思いで、彼はその言葉を聞いた。「姫様・・・私はもう一度、お側にお仕えしたい・・・今度こそ、全てをかけて・・・」あの日、彼は雪の中でレティシアのぬくもりを抱きながら、思い定めていた。レティシアの他に、大切なものなどあってはならない。想い人も。家族も。忠誠を揺るがす障壁は、あってはならない。成すべきことは、そのようなものではない。今度こそ己を捨て、レティシアを守り・・・・そしていつか、女王の傍らに立つ。レティシアと共に重責を分かち合い、レティシアと共にフライハルトの体現者となる。「姫様・・・私は、決してお側を離れません。」アルブレヒトの言葉に、レティシアは黙って頷いた。
2006/01/03
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キリ絵のグストーの下塗りです。大体この方向でいこうかとっ。「つまらなそうな顔」???今回はサイズが大きくてアルとグストーを別々に描いたので、塗りのタッチを統一するのに意外と苦労しそうな予感。でもがんばる。(笑)ちなみに、あのアルの絵は壁紙にして自己満足な楽しみ方をしています。
2006/01/02
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明けまして、おめでとうございます。昨年は、自分にとって変化のあった年でした。色々な面で活動の場が広がったといいますか。。。ブログ小説を始めた事も、変化の一つです。おかげ様で、多くのお友達や読者様と交流を持つ事ができました。本当に有り難うございました。そして、今年も宜しくお願い致します。皆様にとって実り多き一年となりますように・・・!
2006/01/01
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