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「郷にいては郷に従え」 と云います。
日本国内での職歴が長い私、思い返せば、ひと頃はLAにて駐在員として勤務していた経歴があります。
駐在員というのは、言うまでもなく 「一時的滞在による勤務」
でして、
端的に申し上げれば、かなりの厚遇です。
広ーいコンドミニアムのみならず、車+ガソリン代も会社から支給された上、赴任手当もあるので、異国に住んでいながらにして、かなり貯金が出来ました...。 何だかおかしな話ですね。。
その一方で、現地採用された社員はというと...同じ日本人同士であれど、待遇にはかなりの開きがあって、同じ職場にいながらにして、大きな待遇格差があります。
彼らからよくこんな話を聞きました。 「これが勤務条件なのだから、仕方がない。会社がビザスポンサーなのだから、嫌ならば日本へ戻るか、他のスポンサーを探すほかないんだから」。
異国で働くということは、並大抵のことではありません。
特にアメリカならば、ビザをサポートしてくれる企業があってこそ、働けるわけだし 、(ワーホリはないので)
現地採用ならば、仕事の能力はもとより、言葉もネイティブ並に操れてこそ、一般的な社員と互角に渡り歩いていける。
すべて 「異国から来ている」 という概念を排除してこそ、現地社会に溶け込んでゆけるのです。
私は、これまでそういった現地採用社員を見てきたからこそ、異国での就労の厳しさを実感しています…。
その国の、その企業の、そのコミュニテイの、いかなる単位の集団であれ、所属するグループにある規則(ひいては法律)、人との間にあるルールや習慣を理解し、それに対応する 「順応性」(adjustment)
を持ち合わせてこそ、社会に溶け込んでいけるのだ。
という、まさに代表例なのかもしれません。
話は変わりますが、
今、手掛けているプロジェクトもいよいよ大詰め。
周囲の援護や、一緒に頑張る仲間のおかげで、万事順調に進んでいます。
かねてから外国人社員を補充したいと思っており、企画書を上げたところ、トップより決裁が下りたので、
最近は外国人社員の採用面に多くの時間を割いております。
応募条件というと、
とあるポジション付、各種保険完備
(雇用・労災・健康・厚生年金)、 アメリカでいうところの Full-time
(フルタイム)のポジションタイプ
です。
さらに、幅広くから人材を募集したかったので、敢えて 「Experience(経験)を問わない」 という条件を加えました。
もちろん日本での就労ビザ・サポート付、さらにはAccommodationサポートあり (←日本語で言うと 社宅 ですね) です。
確かにここまでの条件提示は、日本国内の外資系・日系企業問わず、なかなかの条件と思います。
そしていよいよ受付開始...
ものすごい反響でした。
Resume/履歴書(欧州で云うCV)のチェックが、一日では到底終わらないくらいの数。
個人情報なので、詳細を書くことは控えますが、どの方もすごいアピール力でして、
何日も掛けてお一人ずつじっくりと目を通し、最終的に数十名にまで絞り込んで、
書類選考通過者にインタビューの案内を送りました。
ここから先は、あくまでもその場の事実を書くまでです。ご了承下さい。
そしてInterview(面接)当日。 来社した応募者に向けて、オリエンテーションを行ない、まずはJob discription(職務内容)と雇用契約内容の確認。
その後、個別面接を実施しました。
欧州や近隣各国から来ている応募者のアピールというと、日本人と似ており、
かならずと言って良いほど 「私にできるか分かりませんが、精一杯の努力をします」
といったHumility(謙遜)を用います。
話がすんなりと耳に入ってきますので、言葉こそちがえど日本人の方の面接と、然程変わりないようにも感じます。
対してアメリカからの応募者はと言うと、
アピール度の大きさこそ評価の大小、という考えのもと、たとえ小さな経歴であろうとも、全身をいっぱいに使って表現します。また、我々の質問内容ですら 、「それは答えにくいのですが、〇〇についてのみ答えさせて頂きます」
などなどストレートな話が多く、
面接終了後にも、強烈なインパクトが残り、彼ら一人ひとりとどんな話をしたのか?を鮮明に覚えています。 とにかく内容が印象深いのが持ち味です。
インタビューも無事に終了し、プロジェクトのメンバーと共に(外国人の同僚を含む)採用者を決定。 良い人材とも出会え、成果は上々でした。
仕事とは離れて、この内容を振り返ったときに、気づいた興味深い話。
それは...日本で働く外国人
「 仕事 > プライベート」? それとも 「仕事 < プライベート 」?
という価値観について。
まず気づいたのは 、「日本人女性と結婚している、結婚を考えている方が、たくさんいらっしゃるんだなぁ」 ということ。
在留外国人の方ですから、それは至極当然のことかもしれませんが、それぞれ求めるワーキングスタイルが異なる点が、実に興味深かったです。
手掛けているプロジェクトは最終局面に入っているため、ときに残業や土日の出勤、そして出張を余儀なくされるのが現状でして、雇用契約書類の中にも、それを入れているのですが、
面接の中で 「時に起きる不測の事態に対し、会社からの出勤要請に応える用意がありますか? ありませんか?」 と尋ねると
「家族(ガールフレンド) と過ごす時間が取りたいので、月に1日程度の残業・休日出勤、出張ならば良いが、それ以上ならば引き受けられない」 という話し合いが時に出ます。
我々、企業側からすれば...それは アウト
なんですよね。。
(それでなくとも、一般的にどの企業も契約条件に入っているならば、もちろん断ることは出来ないと思うのですが)
彼らはただ 「仕事とプライベート、どちらのプライオリティが高いか?」 について、正直に答えたまでなのは十分に分かりますが・・・。
勤務について融通性の低さを前面に出すと、企業採用者への印象を悪くするのも、日本にある企業ならではなのでしょう。
これも 「郷にいては郷に従え」。
残業、休日出勤、よもやの出張といった、諸条件が受け入れられないならば...残念ながら、ご縁なし。
ちょうど、アメリカで一緒だった現地採用社員と、状況が似ているように感じます。
ここだけは、私見を込めて書いてしまうのですが、
そうして、 面接の段階においても「家族・ガールフレンドを大切にしたい」と答えるというご主人、彼をお持ちの日本人女性のみなさま。
とても家族(彼女)思いでうらやましい限りではあるのですが...
少なくとも他国の日本で働き、家族を養おうとする在留外国人のパートナーを思えばこそ、 「 仕事 > プライベート」 という、 日本の企業風土の実態 をしっかりとパートナーに示してあげるべきではないでしょうか...
それは、日本国内だからという観点だけでなく、少なくとも私が働いていたLAでも、その傾向は見て取れました。
「仕事と私、どちらが大事なの?」
という愚問を浴びせるなどナンセンスです。
応募者の中には、自らそんなオハナシを明かしてくれた方もありましたので(汗)
日本国内ならば、私たち自身、何ら不自由なく就労できますし、少なくとも私たちの方が日本の実社会を理解している筈です。
パートナーが異なる社会で仕事に就くのは、大変なことです
。
どうか他国で働く彼らをしっかりと支えられる女性であって欲しいし、彼らの苦労を解かってあげて欲しい。
仕事が終わった後には 「おつかれさまでした」 。 そして、一生懸命に働いたお給料で頂いたプレゼントには 「ありがとう」。
何かと融通がちがう環境で働いているということを念頭に、心を込めて労いあえる関係であって欲しいと思います。 私は…それだけで十分だと思います。
面接に来られた応募者の方々の真剣なまなざしを思い出し、この状況を自分の身に置き換えて、今後、渡米後の自分自身をイメージしている私。。
私もゆくゆく就労にあたって、さまざまな苦労がやってくるのでしょうが、今回の経験も踏まえて、アメリカ社会を渡ってゆこうと思っています。。
そうそう、ここへ来て下さる皆さま、
私のビザ取得の師匠(?!)である 「Junbugさん 」
(クリック)
が、
結婚し渡米後、ご自分でアプライした ″NOT″ 日系企業 、
早い話が現地企業から ジョブオファー (内定) をもらわれたそうです!
しかも、かねてからの 希望職種 だとか。。いやぁーすごいですね!
私も見習わなくっちゃ~
是非、皆さまより祝福の拍手をお願い致します
Junbugさん 、
改めまして… おめでとうございまーす
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