2024/11/05
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★ 忘備忘却録/きょう(狂)の過去帳 ★
☆ ハワード・カーターが王家の谷で盗掘に専念、その執念とカーナヴォン伯の援助でツタンカーメンの黄金マスクを入手(1922年)。されど、「ツタンカーメンの呪い」に遭う。 ☆ 8年前にJFKに苦杯を飲まされたリチャード・ニクソンが、雪辱を果たす(1968年)。しかし6年目にして任期途中の水門事故でホワイトハウスから去ることになろうとは、誰も予想しなかった。 ☆ 自作の動画・尖閣諸島中国漁船衝突事件によってSENGOKU38がネ申となった日(2010年)。
【 彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和5年11月05日 】

汚職と脅迫に基づくプーチンの超長期政権
権力の私物化が招いたウクライナ侵攻 =終節=
『空爆と制裁』4章「狂気の皇帝 プーチン」 =連載第4/4回
Wedge_Online 【プーチンのロシア】 2024年9月9日 黒川信雄( 産経新聞社 元モスクワ特派員)



 プーチン氏は論文を、スラブ民族をめぐる古代の歴史から説き起こしている。その冒頭では「ロシア人、ウクライナ人、ベラルーシ人は、すべて古代ルーシの子孫である」と主張した。そして、それらの民族は共通の言語(ロシア語)、経済、さらに正教の信仰で結び付いていると述べ、彼らにとり、ウクライナの首都であるキエフ(キーウ)という場所がいかに重要であるかを強調している。

 そしてプーチン氏はそこから、「言語」という要素に着目する。「ロシア西部において統一国家が生まれた背景には、政治的、外交的決定があったからだけではない。そこには、共通の宗教があり、文化、伝統があり、そして、最も強調したいのは、言語の類似性があったということだ」と述べ、その言語は次第に「方言」や「現地語」に発展し、それが各地の文学、文化的発展を生んだとし、「それらをロシア、ウクライナの遺産だと区分けをする必要があるだろうか?」と問いかけた。

 ウクライナ語などの言語は「地方で発展した言語」であるために、それらの言語で生まれた文化的遺産を、「別の国のものだと主張する意味があるのか」と問いかけている格好だ。暗に、「われわれは同じ言語を使っている仲間同士であり、ロシアとウクライナは、同一なのだ」と訴えようとする、プーチン氏の考えがにじみ出ている。

 しかし、言語の共通性があれば、その国家の存在を否定してよいなどという考えは妄想に近い。例えば英語が使用されている、または、過去にイギリスの植民地だった経緯を持つ国々は、すべてイギリスと一体の国だとみなされ、侵攻してもよいわけはない。プーチン氏は、ウクライナの文化的遺産を記した本などは「引き続き発刊されるべきだ」とも述べているが、そのような発言をすること自体、ウクライナという国家に対するプーチン氏の強い否定の意思が感じられる。



「主権国家としてのウクライナが存在する余地はない」


 プーチン氏はその条項に、「最も危険な、時限爆弾が埋め込まれた」と主張した。この条項が盛り込まれたばかりに、ソ連末期には各国の離脱の「パレードが相次いだ」からだ。1991年12月8日にロシア、ウクライナ、ベラルーシの各共和国首脳が調印した「ベロベージの合意」にも言及し、この合意によりこれらの国々もソ連から離脱し、ソ連が崩壊した経緯に言及した。

 プーチン氏はかねて、ソ連崩壊を「20世紀最大の地政学的悲劇」と主張してきた。「危険な時限爆弾」との言葉は、そのプーチン氏の主張と一致する。ソ連崩壊を「悲劇」ととらえ、その歴史の修正を目指そうとするプーチン氏の思いがにじむ。

 そして現代のウクライナについて言及し、ウクライナはソ連が誕生して以降、ソ連の政策によって拡張を続けてきたと述べ、その領土は本来、「多くの部分は歴史的にロシアだった地域だ」と主張した。ソ連がなぜ、そのようにウクライナに対し「寛大に」土地を供与してきたかについては、「もともと、世界革命を目指し、国境を消滅させることを夢見ていたからだ」と断じた。そして「ひとつの事実は明らかだ。それは、ロシアは明らかに、奪われたのだ」と結論した。奪われた土地──ウクライナの領土──を取り返さねばならない、というのだ。

 プーチン氏はさらに、ウクライナをめぐる一方的な見解を続ける。ロシアがクリミアを併合し、ウクライナとの対立が激化した2014年以降も、「ウクライナ人はロシアに仕事を探しに来ており、彼らは歓迎され、支援を受けた。それが〝侵略国〟だというのだ」「本質的に、ウクライナの指導者は自国の独立を、過去を否定することによって、正当化している」「1930年代に起きた飢饉は、ウクライナ人に対するジェノサイド(集団殺害)だと位置付けられた」などとした。



 欧米とウクライナの関係をめぐっては、2014年よりはるか以前から、ウクライナが欧米の意向によって「ロシアとの経済協力を制限する方向に押しやられていった」とし、そのような状況を「ウクライナは、危険な地政学的ゲームに引き込まれていった」と表現している。そのような、「反ロシアプロジェクト」においては、「主権国家としてのウクライナが存在する余地はない」などとし、「本当のウクライナの主権は、ロシアとのパートナーシップを通じてのみ、実現し得る」と主張してみせた。

 自国とのパートナーシップによってのみ、主権が達成し得るという言葉には、ウクライナを主権国家として強く否定するプーチン氏の思考があからさまに現れている。
 プーチン氏はそして、この論文を発表したわずか7カ月後には、ウクライナへの全面侵攻に踏み切った。膨大な数の民間人が殺害され、故郷を追われ、生活の糧を失った。

 論文でプーチン氏は、ウクライナをめぐる歴史的経緯を批判しつつ、ウクライナ人に対する賛美ともいえる言葉を連ねていた。しかし、その結果が全面侵攻である。短期間で決着をつけられるとにらんだプーチン氏の思惑とは逆に、戦争はすでに、泥沼に陥っているともいえる。このようなプーチン氏の決断は、狂気と呼ばざるを得ないのではないだろうか。

狂気の果てに
 ウクライナ侵攻が始まり、プーチン氏をめぐっては重病説が報じられたり、私兵集団「ワグネル」が反乱を起こしたりするなど、その足元が揺らいだかのように見える局面が幾度かあった。

 しかし、プーチン氏は現在も外遊をこなすなど健康体とみられ、ワグネルの反乱も最終的には収束させ、国内の動揺を抑え込んだもようだ。2024年3月に実施された次期大統領選でも、同氏の優位を揺るがすほどの強力な対立候補が現れることもなく、難なく再選となった。

 ただ、そのようなプーチン氏のもとで生活を続けるロシア人の多くは、政治に無関心であるか、またはプロパガンダを正しいと信じて生き続けるか、本心を隠して生きるしかない。
 結局プーチン氏の政策は、自国民に限られた自由と一定の生活の保障を提供する以上のものではなく、さらに隣国に対し著しい混乱と生活破壊を招きかねない。
 そのようなプーチン氏の、大国のリーダーとしての資質には、強い疑問を投げかけざるを得ない。

了 



○◎ ○◎    ◎ ◎ ◎   ◎○ ◎○ ◎○ 
古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。
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Last updated  2024/11/05 05:10:09 AM
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