読書日記blog

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2006.12.28
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カテゴリ: 教養・実用


中公新書



かつて日本のキャンパスの模範文化であった教養主義の実体と、その没落過程を探る。

あらかじめ断っておくが、私はエリート学生でもなければ、教養のある学生でもない。しかし、教養主義的なるものへの漠然とした憧れのようなものを持っている。教養主義が大衆化していった時代でならば、私も背伸びをしたら何とかプチ教養主義者として時代の流行の波に乗れたのかもしれない。
しかし、大学がただのサラリーマンになるまでの間のモラトリアムにすぎなくなってしまった今日、キャンパスで教養主義者タイプの学生やそれに憧れる学生はほとんど見かけることはできない。現代学生の主流は、専ら異性と遊ぶことばかり考えている「軟派」型、資格試験や就職に向けての取り組みに力を入れる「実利」型だろう。スポ根系の「硬派」型も減少傾向にある。まあ、これらの内訳は大学のレベルによって多少前後されるだろうが、そう大きくは変わらないと思われる。
もっとも私自身、教養主義に憧れるとは言うものの、どこまで真面目に教養主義的生活をしているかと問われれば返答に詰まる。複数の教授から古典を読めと言われているが、まだあまり読めていない。厳密に言うと読もうとしていない。教養主義の刻苦勉励エートスが私にはどうも足りないようである。
しかし、政治学を大学院で学んでいるということは、将来サラリーマンになるとしたら役に立ちそうにもないという意味では文学部とどっこいどっこいである。就職後に備えて実践学に取り組んでいる訳でもなく、専門分野で食べていけるほど優秀でもない。私は、どうすればよいのだろうか…。ただ、そんなに名のある大学ではないものの一応大学院に進学したということで、少しは上昇感を感じることは出来ている。これはもう、教養主義的なものに憧れるよりほかないではないか。たとえ、私にその能力がないにしても、気分の上では教養主義を気取りたい。
ちなみに、私の書斎にも冬休み中に読もうと決めた本が山積みしてある。せめてその三分の一は読みたいものである。





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Last updated  2006.12.29 00:00:38
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