読書日記blog

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2007.02.03
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カテゴリ: 日本の小説


新潮文庫



京大生が書いた、失恋小説。

もてない系のインテリ学生が主人公の青春小説。過剰な自信や自己正当化、際限のない妄想、知的なことを得意げに話すという、若者特有の心理や行動の痛さが上手く描写されている。主題が主題だけにあまりリアルすぎると陰鬱な話になりかねない。この計算されたユーモラスでコミカルな痛さは、さすが京大生による京大生を主人公とした小説といったところだろう。何処にでも居そうだが少し現実離れしたこの小説の主人公は、自分の青春時代と重ね合わせるのに程よいキャラクターに仕上がっている。
ただ、京都を舞台にということを強調するあまり、少し時代掛かりすぎている気がする。都会に住む若者にこの雰囲気が受け入れられるのかどうか。私はといえば、京大生ではないものの、京都で学生をしているので、舞台となる場所を実際に知っており、物語に入り込みやすかった。もっとも、しばしば主人公の心理にまで頷いてしまい、一寸憂鬱な気分になったりもしたのだが。





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Last updated  2012.04.11 05:33:10
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