読書日記blog

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2007.08.11
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カテゴリ: 教養・実用


小学館文庫



台湾からアジアを見れば、中華帝国の脅威がよくわかる。

タイトルは『台湾海峡から見たニッポン』であるが、内容は台湾海峡から見たアジアであり、台湾人の日本観についての本ではない。アジアにおいて猛威を振るってきた中華帝国に対して台湾をはじめアジア諸国がどのように対処しているのか主なテーマとなっている。面白かったのは、北朝鮮の異常な振る舞いは中国の増したにあるということに起因しているという考え方。確かにそれは一理ある。

それと、もう一考えさせられたのは、日本おける保守派と台湾における革新派の関係について。大まかにいうと、日本では、反中国は右、親中国は左との構図になっている。しかし台湾では、これまで中国人意識を持つ外省人が主導権を握り、台湾人意識を持つ本省人はそれに服従させられてきたため、革新派が反中国で保守派が親中国(ただし反中共)という構図となっている。そのため保守的な日本人と革新的な台湾人は歴史問題や外交問題では意気投合している。ただ、環境保護、弱者の人権などの市民運動ではこの両者には温度差があるようだ。
加えて最近では日本でも、中国の人権侵害を指摘し中国を批判する声が高まってきている。悲惨な中国の実情を日本の市民派も知り始めた。本格的な中共のシンパはともかく、雰囲気で左翼がかっていただけの市民層が台湾にもっと目を向け始める可能性がある。そうなれば日本における台湾の存在感はますます大きくなるだろう。





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Last updated  2012.04.18 04:21:22
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