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妊娠して出産をし子育てをする。
その中の幸せな部分と、1人の時ではなかったヒリヒリとするような想いがギュッとつまった本でした。
ずっとずっと心待ちにしていたことなのに、妊娠をしましたと言うことを職場の人に言うのはなんでこんなにも心苦しくなるものなのか‥。
こんな忙しいのになんでいま妊娠?と口にする人はいないとわかっていても、人に迷惑をかけるということを、仕事を休むということを避けて避けてきた私にとって、妊娠しました宣言をするということは、これからできないことが増えます、出産間近になれば休みますってことだから、本当に苦しく、ヒリヒリした想いを思い出しながら「妊娠、出産編」を読みました。
この本、あの妊娠期間中に読みたかったなぁとしみじみ思うくらい、同じ気持ちが書いてありました。
おめでとうって、言ってほしかった。
大丈夫?って、言ってほしかった。
妊娠は病気じゃないからねの言葉の重さ。
人からの噂や落胆を避けて、一番しんどいとき隠し続けていたけど、妊娠しました!と堂々と言ってもよかったんじゃないのか、なんとかなると自分自身思えて、甘えてもよかったんじゃないのか‥などの葛藤。
痛くて重たいこのやり場のない気持ちと、少しずつ愛おさもお腹のエコー写真の赤ちゃんも大きくなっていく喜び。
それがパンパンに詰め込まれた妊娠編。
そして出産。SEKAI NO OWARIのメンバーがはじめて赤ちゃんに会うシーンは本当にぐっときます。
そして出産後の、心も体もボロボロで、無性にイライラしたり不安になる日々が赤裸々に綴られていて苦しくなると共に、子どもが大きくなった今は懐かしく思い出せる日がくるよと、今なら言えそうな気がします。
仕事をしながらの子育ても、サオリさんはライブしながらの子育てと全然状況は違うけど、子どもと一緒にいたい、ちゃんと子育てしたい、だけどアーティストととしてもちゃんとありたいとする葛藤に、わかるわかる‥と何度もうなづきました。
サオリさんは最後に、妊娠期間中、
「変わらずに仕事できるんだね、何も変わらないねって言ってほしくて仕方なかった。だけど出産してからは、変わって当然だと思う」と、もう少し長い言葉で、すごく素敵な言葉で綴られています。
バンドとしての目標も、メンバーに子どもさんが産まれたことにより変わったようで、それもまた素敵で。
私も、子どもが産まれたことにより、子どもたちがそばにいてくれることにより、どうありたいかは少しずつ変わってきました。
「こんなに幸せなのに、幸せだと気づくのはなんて大変なのだろう。」
忙しすぎると見えないこの幸せ。
ど真ん中にいると気付けない幸せ。
改めてこの本を読んで、妊娠したときの思い、出産のときの気持ち、出産直後、子育て真っ只中の今、どれも必死で、愛おしく感じました。
何よりイチオシは妊娠編!
妊娠中の方には読んでほしいなと思う言葉が詰まった本でした。
素敵な本に出会えて幸せでした。
おすすめです!
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