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2013.11.10
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【シリアナ】
20121125

「彼らは卑怯だ。信心深いイスラム教徒を過激派に仕立て上げる。彼らは言う、“紛争の目的は資源獲得と軍事支配だ”と。そんな言葉を信じたら思うつぼだ。後悔するのは我々だぞ。ありえない! 人間の本質的な欲求を自由貿易による現代生活で満たすなど・・・。宗教と国家はひとつ。コーランでは・・・2つは切り離せない。コーランでは王の統制も奴隷の服従もコーランにはない」

この作品はちょっと難しい。ここへ来てにわかに自分の教養不足が情けなくなる思いだ。

あらましはなんとなく分かるような、分からないような・・・。
どなたか中東問題に詳しい方に、解説を願いたい。

もともとは『CIAは何をしていた?』という原作があり、それをベースに制作されたものらしい。(ウィキペディア参照)
この元CIA諜報員が告発する内容によれば、あれだけの組織力と実力を持ち合わせるCIAが、何故9.11を阻止できなかったかという点にスポットが当てられている。
翻ってこの映画に関して言えば、中東の石油利権をめぐる駆け引きの舞台に、CIA、弁護士、王族、石油会社の幹部らが登場する。
そのCIA諜報員バーンズ役をジョージ・クルーニーが好演。
腕利きであるはずのバーンズが、工作活動に失敗し、CIAそのものからその身を抹殺される崖っぷちに立たされてしまうというものだ。
さてタイトルの『シリアナ』だが、これは架空の国名となっている。だが、実際はCIAが中東再建プロジェクトを指す時の専門用語とな。(真偽は不明)


一方、ナシール王子の弟・メシャール準王子は、アメリカ企業と結託し、ナシール王子の失脚を目論んでいた。
CIAは、ナシール王子一派を反米組織と見なし、暗殺を計画。
メシャール準王子を王位に即けることでアメリカ企業の安泰を図ろうと画策するのだった。

この作品を見ていて、分からないなりにも衝撃的だったのは、パキスタンから出稼ぎに来ている若者が、イスラム神学校に集い、徐々に洗脳されていく場面だ。食事や教育などを提供されるボランティア組織などと思ったら大間違い!
イスラム原理主義を説教される場所なのだ。つまり、過激派テロリストとして生まれ変わる教育機関というわけだ。
こういうくだりは、以前見た戦争映画にも出て来るので、それほどの新しさはない。
だが、現在進行形の中東問題を抱える世界にとって、こういう生々しい現状は、たとえ映画と言えどもショックは隠せない。

CIA諜報員役のジョージ・クルーニーの陰惨な最後を見届けるだけでも、この映画の価値はあるのではなかろうか?
業界アナリスト、ウッドマンの役であるマット・デイモンが、全てを失って最後には家族のもとへ帰る姿も見逃せない。
この作品は、見る人を選ぶタイプのものかもしれない。

2005年(米)、2006年(日)公開

【出演】ジョージ・クルーニー、マット・デイモン

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.11.10 06:29:43
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