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2013.11.13
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カテゴリ: 名句と遊ぶ
20121122

落葉聴く

豊頬陶土

観世音


       水原秋櫻子

葉は色づきそして散る。まさに諸行無常なのである。
そんな中で、私たちはなぜに「我欲」の執著から逃れられないのであろうか。

自然の摂理からしみじみと感じる秋の日であった。
南無観世音菩薩、合掌。

それはそうと、ファイルを整理していて昨年のコラムが目にとまった。
人間の行いがいかに罪深く、そして災いの元となっているか、その事実を真剣に考えなければならないと思うのだ。

~~~~~~~~~



かつてアフリカに、ゴリラという動物がいてね―。

それが遠い未来でない会話になるかも。密林にすむ長毛の怪物。謎の存在が科学的に認知されてから1世紀半。ゴリラはいまや、最も絶滅の危険度が高い霊長類となってしまった。

ゴリラにとどまらない。アジアのオランウータンが、南米のオマキザルが、マダガスカルのキツネザル類が。世界中で霊長類の激減が続いている。先日、絶滅の恐れがある保護対象種を、国際自然保護連合などが発表した。

霊長類の生活基盤の脆弱(ぜいじゃく)さは生物としての歴史に由来する。中生代末期に恐竜が絶滅した後、それまで未開拓だった森林で独自に進化した、新参の特殊哺乳類だ。森という空間がかれらの生活の拠点。

しかし、生存の前提である森は次々に地球上から消える。農地開発や違法伐採。バイオ燃料の原料として栽培されるアブラヤシに広大な熱帯雨林が駆逐される。さて、かれらの居場所がどこにあろう。

もう悟らねばなるまい。森の破壊は天につばする行為だと。共存へかじを切らねばならないと。ただ、ゴリラが伝説の存在になってしまうまで、残された時間はわずかだ。

愛媛新聞「地軸」 2012年11月20日掲載




一年前に我々は 『もう悟らねばなるまい。』 と気が付いたのだが、はたしてこの一年で何か進歩したのであろうか。

たしかに産業における技術革新や医学は飛躍的な前進を遂げたかもしれない。
だが、ゴリラのために、そして未来の子孫のために、また人類を育んでくれる地球のために、我々はこの一年で何か前進できたのであろうか。

省みると空しくなるばかりだ。

そう思い、再び手を合わせては南無観世音菩薩ととなえてみたが、本当のところ、人間が少しでも我欲の執著から開放され、人間らしく生きるためには宗教者と哲学者のリーダーシップ以外にはないのではないか。
もしくは人間は行き着くところまで行き着くのか。

一年後、我々はゴリラのために、そして未来の子孫のために、また人類を育んでくれる地球のために、一歩でも前進していたい。必ず!

20130124aisatsu





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最終更新日  2013.11.13 13:21:37
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