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2015.04.04
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カテゴリ: 映画/ラブ
【her 世界でひとつの彼女】
20150404

「コンピュータが恋人ですって?」
「単なるPCじゃない、人格があるんだ。意志があるんだ」
「そんなことを言ってるんじゃないの、リアルな感情と向き合えないなんて悲しい、、、」
「リアルな感情だよ! 君に何が、、、(黙る)」


ここ最近、人工知能(AI)がキーワードとなる作品をたくさん見ている気がする。
これだけコンピュータ対人間を扱った作品が次から次へと登場すると、いよいよ業界もネタ切れかと、ため息の一つもつきたくなるところだが、『her 世界でひとつの彼女』はとても良かった。
たぶん、リアリティを感じさせるからだと思う。
人間の話し相手になる人工知能型ソフトは、近い将来、確実に開発され実用化されるだろう。
社会がますます個人主義となり、単独世帯が増えれば、考えられるのはペットに代わるロボットだ。
とはいえ、ロボットは維持・管理・見た目にも何かと問題がつきまとうことが予測されるが、ソフトをPCやスマホにインストールして気軽に扱えるとなれば、がぜんこちらの方が普及するように思える。

『her』においては、主人公が最新型人工知能(サマンサ)に惹かれ、やがて恋に落ちてゆく物語である。

ストーリーはこうだ。
舞台は、近未来のロサンゼルス。

キャサリンへの想いが深いだけに、なかなか離婚届にもサインができず、孤独で、精神的にも不安定な日々を送っていた。
そんな折、最新の人工知能型ソフトのコマーシャルに釘付けとなった。
セオドアはさっそくソフトを購入。
人工知能型ソフトは自らを“サマンサ”と名乗り、セオドアの良き話し相手となる。
サマンサは人間と同じように個性を持ち、勤勉で優しさを兼ね備えていた。
そんなサマンサにセオドアは徐々に惹かれてゆき、やがて恋に落ちるのだった。

メガホンを取ったのはスパイク・ジョーンズで、代表作に『かいじゅうたちのいるところ』などがある。
この監督のスゴイのは、SFをSFで終わらせずにちゃんとラブ・ストーリーとして完結させているところだ。
近未来のことなのに、リアル・タイムな感じがしてウソっぽくない。
なぜなんだろう?と考えてみたところ、主人公の不安や孤独な状況が、今を生きる私たちと五十歩百歩に思えないだろうか。
つまり、共鳴できるのだ。


それにしてもつくづく感じたのは、大恋愛の末に結婚しても破局はあり得るし、濃密な間柄であればあるほど、その結末は残酷だということ。
一方、実態のないコンピュータ上の人格でも、ひとたび感情移入してしまえば別れはとてつもなく辛く、悲しい現実となるのである。
セオドアが妻・キャサリンとの楽しかった過去を回想するシーンと、人工知能型ソフト“サマンサ”とのひと時を比較してみるとおもしろいかも。
万人におすすめだ。

2014年公開

【出演】ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、スカーレット・ヨハンソン(声の出演)


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最終更新日  2015.04.04 07:31:32
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