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2017.04.09
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【ナイトクローラー】
20170409a

「君の提案はありがたいが僕の目標達成には一人がいい」
「おい、少し考えろよ」
「いや、他の人を雇ってくれ。僕の気が変わるのを待つことはない」


以前から『ナイトクローラー』のことが気になっていたのに、TSUTAYAに行って「な」のコーナーを見ると、いつも誰かに先を越されてがっかりした気持ちになった。
今回、ようやくレンタルする機会に恵まれ、金曜日の夜、我が家はさながら独占シアターになったようだった。
まずポップコーンの袋を開け、マグカップになみなみとコーヒーを注ぐ。よぶんな照明もすべて落として、よし、準備万端だ、と言った感じ。(笑)
やっぱりこの作品はみんなが次から次へとレンタルしていくだけのことはある。
見ているうちにしだいにぐいぐいと引き込まれていくのだ。

主人公のルイス・ブルームに扮するのはジェイク・ギレンホール。
この役者さんは『ミッション:8ミニッツ』においても主役を張っているのだが、ものすごい演技力である。
一度でもこの人の演技に触れると忘れられない何かが視聴者を虜にしてしまう。
これを存在感というのだろうか。

この作品のテーマをざっくり言ってしまえば、「成功するってこういうことなのか? 自己実現とは何ぞや?」みたいなものだと思う。
主人公ルイスは人脈も学歴もない。
だがネットで様々なことを勉強し、学習能力は高い。
口も達者で話術に優れている。
ルイスに欠けているのは金と名誉。
それらを手にするためにはいかなる手段も択ばない。
そのため、単なる人間嫌いというよりは、人を人とも思わない人格破綻者なのだ。
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ストーリーはこうだ。
アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスが舞台。
夜の工事現場で、売れそうなものを物色するルイス・ブルームは、フェンスを盗もうとした。
それを警備員に見つかるが、ルイスは顔色一つ変えずに対応する。

ルイスはためらうことなく警備員に襲いかかると、腕時計を我が物とする。
その後、盗んだフェンスを売りに行き、値段の交渉に食い下がるものの、二束三文にしかならない。
さらに、仕事を求めていることを告げ、自分を売り込もうとするが、相手はフェンスが窃盗品であることをさりげなく見抜いており、「コソ泥を雇う気はない」と拒絶される。
帰宅途中、ルイスは自動車の事故現場に遭遇。
興味を持ったルイスは周辺をウロウロしていると、フリーのカメラマンが悲惨な事故現場を撮影している。

ルイスは、フリーのカメラマンなら自分にもできるという気が起こる。
だが、彼にカメラなどの機材を買う余裕はない。
考えた末、競輪用自転車を盗み、それを売った金を元手にカメラと警察無線受信機を手に入れるのだった。
その後ルイスは悲惨な事件現場のようすを撮影したものをテレビ局に売り込む。
ニュース番組のディレクターであるニーナは、ルイスが撮影したショッキングな動画をチェックすると、購入を決める。
さらにはフリーカメラマンとしては新人のルイスに、局が求めている映像とはいかなるものかをアドバイスするのだった。
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ナイトクローラー=(イコール)パパラッチの呼称と考えて良い。
日本でもスマホのおかげで、たまたま事故現場にいた一般人からの動画が局に寄せられたりしている。
だがアメリカはそんなもんじゃない。
それが仕事として成立するのだからコワい。
ショッキングな動画であればあるほど、テレビ局は視聴率アップのために飛びつくし、高額取引で購入する。
ナイトクローラーは味をしめ、さらにエスカレートしてムリな撮影を試みようとする。
社会性に欠如しているのか人格破綻者なのか、人を人とも思わない主人公が、己の成功のため、自己実現のために突き進んでいく姿が気味悪い。(成功へのプロセスならもっと心地よいもののはずなのに・・・)
ロスの夜の街を、自己顕示欲の塊みたいな真っ赤な車で疾走するシーンには度胆を抜いた。
ハリウッド的カーアクションはさすが!
単調にならないための仕掛けもさることながら、スリリングなストーリー展開に久しぶりの高揚感を覚えた。
サスペンス好きの人はもちろん、カーアクション好きの人にも受け入れられる作品かもしれない。
必見の作品なのだ。

2014年(米)、2015年(日)公開
【監督】ダン・ギルロイ
【出演】ジェイク・ギレンホール、レネ・ルッソ


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最終更新日  2017.04.09 07:18:37
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