《櫻井ジャーナル》

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2010.03.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 本人の意に反する形でX行為に及ぶようなことが許されないことは当然のことである。社会面で取り上げられるような暴行事件だけでなく、外形的には合意に基づくように見えても、社会的に優位な立場にあることを利用した行為も決して許されない。そうしたことを「猥褻規制」に結びつける動きも決して許されない。言論の弾圧は性描写の規制から始まる。

 東京都は「青少年健全育成条例」を改定し、アニメなどに登場する「18歳未満と判断される架空の人物」の性描写を規制対象にしたいようだが、すでに刑法で性描写は規制されているわけで、刑法が規制していない範囲の描写を規制することになる。規制する側の人間が猥褻な妄想を好むタイプであれば、それだけ規制は厳しくなるだろう。「キスは許さない」にとどまらず、「門が開いた」というような表現も「いたずらに性欲を興奮させる」と感じ、「目をふさぎたくなる」と思う人間が出てきても不思議ではない。

 子どもの「健全な育成」を考えるのならば、「性描写」よりも「戦争描写」の方が大きな問題である。アニメは大量殺戮のオンパレードであり、人の命を軽んじる「空気」を日本に広げている。人間本来の営みであるX行為よりも、大量殺戮にすぎない戦争を美化するような描写を規制するのが筋である。東京都もPTAも性的な行為には神経質だが、人殺しには無神経だと言わざるをえない。

 規制は極端な場合だけだという弁明は信じない方がいい。「国旗」や「国家」の問題でも強制しないという条件で導入されたが、東京都は堂々と強制し、裁判所も強制を容認している。言うまでもなく、裁判所も思想統制の歯止めにはならないわけだ。

 マスコミも裁判所と同じで、思想統制の「抵抗勢力」にはならない。21世紀に入ってから「ジャーナリスト」が絶滅の危機に瀕しているというようなことが日米欧で言われるようになったが、その主な原因は、ジョージ・W・ブッシュ政権時代に展開された露骨な情報操作への協力にある。

 実は、1970年代の後半からアメリカの有力メディアは体制に批判的で気骨ある記者を排除するようになり、1980年代に始まった「規制緩和」はそうした傾向を一気に強めている。日本もその後を追っていた。ブッシュ政権はそうした実態を明確にした結果、ソ連時代のイズベスチア(政府機関紙)やプラウダ(ソ連共産党中央委員会機関紙)と同じように信頼されなくなったのである。

 日本のマスコミは元々、体制的な色彩が濃い。テレビは勿論、週刊誌にも新聞にも「反体制派」など存在しない。気骨ある記者がいれば、間違いなく排除される。「左」の新聞など、一部の人間のプロパガンダか妄想にすぎない。

 そうした傾向は、広告収入が増えた1980年代から特にひどくなった。スポンサーが喜び、政府や官僚を怒らせないような記事を載せ、番組を作る方が「コスト・パフォーマンス」は良い。そこで、カネ儲けのため、取材に手間隙をかけなくなったのである。読者や視聴者に記事や番組の質を理解する能力はないと高をくくったのだろうが、そうした経営姿勢がここにきてメディア離れの大きな原因になっている。

(注)楽天のレギュレーションで「公序良俗に反すると判断された表現が含まれています」という理由で完全な形では掲載できません。





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最終更新日  2010.03.16 16:30:39


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