《櫻井ジャーナル》

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2010.05.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 沖縄の宜野湾市にある米海兵隊の普天間基地が問題になっている。1995年にアメリカ兵が少女を暴行した事件が発端になって沖縄では米軍駐留に反対する声が高まり、「普天間基地返還」の流れができたと言う人もいるが、日米両政府がそうした運動で動かされるとは思えない。沖縄に住む人々の気持ちを考えているならば「県内移設」などを口にできるはずがない。

 普天間基地の問題を理解するためには別の「カギ」を探す必要がある。つまり、1996年に閣議決定された「防衛計画の大綱」、その翌年に発表された「日米防衛協力のための指針」、そして1999年の「周辺事態法」だ。問題の根にはアメリカの世界戦略が存在している。

 日本に限らず、好戦派は「抑止力」という表現を使いたがる。報復攻撃力を持つことで先制攻撃を抑止すると言いたいのだろうが、少なくともフランクリン・ルーズベルト大統領が1945年4月に「急死」してからのアメリカには当てはまらない。好戦派は戦争したいだけなのだ。

 ドイツ降伏した1945年5月にイギリスのウィンストン・チャーチル政権が「アンシンカブル作戦」、つまり数十万人の米英両国軍が再武装されたドイツ軍兵士10万人とともにソ連に奇襲攻撃を仕掛けるという計画を立てていたことは「別の国の話」だとしても、ソ連を核攻撃する計画はアメリカでも練られていた。ドイツ軍との死闘で疲弊していたソ連を潰すのは容易だと考えたのであろう。

 広島や長崎へ原爆を投下したのも、ソ連に対する示威行動だと解釈する方が自然だ。何しろ、日本の敗北は明白であり、原爆を投下して非戦闘員を大量虐殺する必要はなかった。原爆投下だけでなく、東京などの都会を絨毯爆撃して市民を焼き尽くす作戦を指揮したカーティス・ルメイはソ連を核攻撃するべきだと主張するグループの主要メンバーである。

 大戦後、アメリカは中国に国民党政権を樹立する予定だった。1946年の段階ではアメリカ軍の最新装備を持つ総兵力430万人の国民党軍が圧勝するのは間違いないと見られていた。何しろ紅軍は日本軍から奪った兵器しか持たず、兵力は120万人にすぎなかったからである。

 ところが、1947年の夏になると兵力は、国民党軍365万人に対して人民解放軍(紅軍から改称)は280万人と接近、1949年1月には解放軍が北京に無血入城し、10月には中華人民共和国が誕生した。

 元特務機関員で戦後はアメリカの情報機関で活動していた人物によると、1948年には中国共産党の幹部を暗殺し、混乱の中で親米派の軍隊を蜂起させて国民党政権を樹立させるという計画が存在したのだが、この計画が共産党側へ漏れたために中止、1950年の春には朝鮮半島で挑発活動を始めたという。その延長線上に朝鮮戦争やベトナム戦争があるのだが、その間にアメリカの情報機関は国民党軍を使って中国侵攻を何度か試み、失敗している。

 テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授(経済学者ジョン・ケネス・ガルブレイスの息子)によると、1957年初頭にアメリカ軍はソ連に対する先制核攻撃を準備しはじめ、1963年の後半には実行するつもりだった。その計画を阻止したジョン・F・ケネディ大統領は1963年11月に暗殺されている。






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最終更新日  2010.05.06 03:17:27


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