《櫻井ジャーナル》

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2010.06.02
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 鳩山由紀夫首相が辞意を表明したのに続き、民主党の小沢一郎も幹事長の座から降りることにしたという。鳩山首相によると、普天間基地の問題と「政治とカネ」の問題が辞任の理由らしい。

 普天間基地の問題は、自民党と公明党が与党だった時代にアメリカ政府と決めた移設案を「御破算」にしようというわけで、アメリカ政府との交渉がタフになることは最初からわかっていたはずだ。「抑止力」なる呪文の効果がなくなっていることに気づかなかったのは間抜けな話であり、韓国軍の哨戒艦の沈没も理由にはならない。朝鮮軍に攻撃されたとする「公式発表」を否定する話が調査団の内部を含め、早くも伝えられている。だいたい、アメリカのネオコン(新保守/親イスラエル派)が望むように朝鮮半島で戦争が勃発すれば、日本はアメリカ軍の出撃基地、そしてアメリカを守る盾になるだけのこと。アメリカ軍の基地は攻撃目標になるだけだ。

 また、検察が火をつけた「民主党とカネ」の問題に疑問点が多いことは、少なからぬ人々から指摘されてきた。その中には、長崎地方検察庁次席検事を務めた経験のある郷原信郎も含まれている。ある政党などは「不適切な行為」と「違法行為」を混同した議論を展開しているが、これは厳密に区別しなければならない。

 鳩山首相や小沢幹事長に「政治とカネ」の問題があるとするならば、それは企業献金をはじめとする団体からの献金を禁止しなかったことにある。企業や団体からカネをもらう以上、そうした企業や団体の利益を考えるのは当然のことであり、だからこそ財界は「通知表」をつけて献金額を決めていたのではないのか。

 結局は民主党が大勝した前回の総選挙だが、その前に東京地検特捜部は小沢一郎の強制捜査に乗り出していた。西松建設が政治団体を通じて行った小沢側への献金について、小沢の秘書は西松建設からの献金であると認識して受け取ったという嫌疑だ。この件に関して小沢の政治団体が強制捜査を受けている。

 自民党には同じような形で献金を受け取っている議員が多数存在しているはずだが、あくまでもターゲットは小沢。しかも、捜査が進む過程で漆間巌官房副長官が「今回の疑惑追及が与党(自公)に波及することはない」と記者に語っている。

 漆間は元警察庁長官。長官時代に安倍晋三首相と頻繁に会っていたという。ジャーナリストの青木理氏によると、漆間長官時代の警察は事実に基づかない、あるいは事実を誇張したり歪曲した捜査が横行していた。相当怪しげな捜査を「メッセージ」として行うと明言していた人物でもある。勿論、公安警察や思想検察などはその前にも政治的に動いていたが、これほど露骨な発言をした人はいるだろうか?

 こうした警察/検察からの攻撃はあったものの、民主党への支持が減っている最大の要因は「自民党政治」から抜け出せなかったことにある。基地問題のほか、巨大企業が下請け企業や労働者から富を搾り取るシステムを放置、劣悪な労働条件で働かされている非正規労働者の問題を抜本的に改正する努力をせず、法人税の減税と消費税の増税を主張、つまり庶民からカネを巻き上げ、巨大企業や富裕層のカネ儲けを助ける政策を続けようとしたことが大きい。

 法人税を引き下げる根拠として日本の支配層は「実効税率」を持ち出してくるが、この議論はすでに破綻している。おそらく、日本のマスコミ以外では通用しない。まず指摘されるのは、社会保険料の事業主負担額が日本は低いという事実。このほか、地方の法人課税で、所得課税以外の方式による課税が比較の対象になっていない、また課税ベースが国によって異なっているなど、「実効税率」を国際比較の指標にすることはできない。






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最終更新日  2010.06.02 13:54:28


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