《櫻井ジャーナル》

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2010.10.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 WikiLeaksによる機密文書公表を受け、イスラエルの国会議員、ミハイル・ベンアリは国連事務総長に対し、アメリカによる戦争犯罪を調査するように求める書簡を送った。同議員はイスラエルの「最右翼政党」と言われている国家統一党(複数の政党が参加した政党連合)のメンバーで、アメリカとは対立関係にある。この人物、ガザ侵攻などに賛成する立場のようだが、その侵攻作戦を調査したリチャード・ゴールドストーンを調査の責任者に据えるよう示唆しているのだという。

 自分たちの虐殺と破壊が戦争犯罪だと指摘されたことの腹いせでゴールドストーンの名前が浮上したのかもしれないが、そうしたベンアリの動機はともかく、アメリカ軍による戦争犯罪の調査をすべきだということは同意できる。

 明らかにされた文書の中には「フラゴ242」なる指令が出てくる。2004年6月に出されたもので、武力衝突に関する如何なる違法行為も「連合軍」が直接関与していない限り、調査するなと連合軍に命じる内容だ。要するに、イラク政府による拷問や殺人を黙認しろということである。アメリカ軍の中にも面白半分に非武装の市民を殺している軍人がいるわけで、イラク政府が何をしようと、批判するのは土台無理な話だが。

 現イラク政権はサダム・フセイン時代よりもひどいという話も聞かれるが、そのフセイン政権で外相兼副首相を務めたタリク・アジズに死刑判決が出た。WikiLeaksの文書公表に合わせた判決だったことから、アジズの関係者でなくても、政治的な動機に基づくものだと感じるだろう。

 現イラク政権の人権相は、WikiLeaksを訴える権利をイラクは持っていると発言したようだが、今の状況はイラク政権にとって厳しい。ヌリ・アルマリキ首相をはじめとする閣僚は戦争犯罪人として裁かれても仕方のない立場にいるということだ。頼りはアメリカ政府だけだが、そのアメリカ政府も戦争犯罪の容疑者。こうした状況を吹き飛ばすような出来事をアメリカ政府は演出できるだろうか?





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最終更新日  2010.10.27 03:30:17


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