《櫻井ジャーナル》

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2010.11.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 今回の中間選挙でアメリカの有権者は「政府の肥大化」を選択した。アフガニスタンやイラクに続き、イラン、パキスタン、そしてイエメンに対する軍事行動を「ティー・パーティー」を含む共和党は視野に入れているわけで、戦費負担を減らすつもりはない。

 ティー・パーティーの始まりは「ロン・ポール運動」だと言われている。ロン・ポール下院議員を大統領に、という草の根運動だ。当初は反戦活動にも力を入れていたのだが、今ではネオコンを含む勢力、つまりジョージ・W・ブッシュ政権を担いでいた人たちに乗っ取られ、好戦派と環境規制反対派の巣窟になっている。

 WikiLeaksが公開した機密文書を見てもわかるように、アメリカ軍をはじめとする占領軍はイラクやアフガニスタンで「無法行為」を繰り返してきた。略奪、破壊、そして殺戮で現地の住民はアメリカに対する憎しみを募らせている。こうしたアメリカによる「テロ行為」がアメリカへの攻撃につながることは否定できない。

 ここ10年ほどの間、アメリカが「秘密戦争」を続けてきたイエメンでも反米感情は高まっている。特殊部隊の「秘密戦争」を続け、空爆を実施、最近では無人機での暗殺攻撃を実行していることを考えると、アメリカに対して何らかの敵対的な行動に出ても不思議ではない。

 アメリカの介入で無政府状態に陥った国は少なくないが、そのひとつがソマリア。この国に対する作戦/工作の拠点はジブチに置かれている。ここにはペンタゴンのJCTF(統合連合機動部隊)が駐留しているのだ。ここで自衛隊が活動するということの重大性は改めて指摘するまでもないだろう。

 何年か前、アフガニスタンやイラクでの戦費は3兆ドルを上回るとハーバード大学のリンダ・ヒルムズやコロンビア大学のジョセフ・スティグリッツは主張、大げさだと批判されていたが、現実はこの程度の金額では到底、収まらないと見られている。戦前の日本と似たような状況とも言えるだろう。アメリカが戦費負担に耐えられず、崩壊する時期が早まった。

 ところが、ティー・パーティーは戦争の継続を望んでいる。環境規制をなくすべきだと考え、気候変動に対する対策に参加する意志など全く持ち合わせていない。あとは富裕層のために税金を減らし、社会保障のレベルを極限まで引き下げようとしているだけだ。いわば、庶民から富を搾り取ることしか考えていない。

 今年8月、1963年8月28日にマーチン・ルーサー・キング牧師たちが25万人以上を集めた場所で、ティー・パーティーはワシントンDCで大規模な集会を開いた。この集会を企画したのは、Foxニュースでショーの司会をしているグレン・ベック。キング牧師の理念など微塵を持ち合わせているとは思えない人物で、差別発言を公然と行うことを「売り」にしている。いわば、アメリカのビートたけしだ。

 このベックの黒幕が石油で巨万の富を手にしたコッチ家の兄弟、デイビッドとチャールズ。前回にも書いたように、コッチ兄弟は税金を徹底的に減らし、社会福祉を最低限のレベルに引き下げ、企業への規制、特に環境規制をなくすべきだと考え、健康保険制度の改革に反対し、気候温暖化の問題で「否定論者」を支援してきた。





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最終更新日  2010.11.05 02:53:34


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