《櫻井ジャーナル》

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口座名:櫻井春彦

2010.11.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 日本の技術者が国外の企業へ流れる一方、日本企業が中国などで理系の学生を「エンジニア要員」として採用しはじめているようだ。企業は研究開発、あるいは製造現場のスタッフを冷遇し、国は教育への予算を削っているのが日本。教育は他国に任せ、その果実をいただこうという虫の良いことを日本の経営者は考えているのかもしれないが、思惑通りにはならないだろう。

 世界を見渡して、日本人のように従順な人間を探し出そうとしても簡単ではない。大学を卒業して日本企業に入った外国の若者は、力がつけばキャリア・アップを求めて外へ飛び出していく。その一方、外国へ渡った日本人エンジニアは現地の企業に技術をしっかり伝える。日本企業は労働者に適切な対価を支払わず、自分たちへの忠誠だけを求めているようだが、それは身勝手すぎる。

 結局、日本の大企業は日本社会を破壊した挙げ句、自らも衰退していくしかない。日本の経営者には世界の経営者と遣り合うだけの能力はなく、日本という拠点がなくなれば競争に勝ち残ることもできない。

 大企業を優遇する政策とは、日本を破滅させる政策にほかならない。大企業/富豪を儲けさせれば、その恩恵が庶民にも及ぶというような「モデル」は存在しない。これは「妄想」にすぎないのだ。資本主義システムでは、大企業/富豪へカネが集まる仕組みになっている。強制的に庶民へ富を還流させル何らかの仕組みを作らないかぎり富は偏在し、貧困と「カネ余り」が同時に生じる。通常、「余ったカネ」は投機市場で運用されることになるが、これは単なる博奕にすぎず、経済活動とは呼べない。

 投機市場が肥大化する中、技術者や研究者が冷遇され、職人たちは切り捨てられている日本で技術力が急速に弱まっているのは当然のことだ。日本を支えてきたのは、こうした現場の有能な人々だったのだが、そこが崩壊し始めている。





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最終更新日  2010.11.23 01:45:05


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