《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2010.11.30
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 ジョージ・W・ブッシュ政権が始めたアフガニスタンやイラクでの戦争では住民が占領軍によって虐殺されている。そんな虐殺を気にしていないのが日本のマスコミ。アメリカ軍のアパッチ・ヘリコプターに乗った兵士が戦闘行為と関係のない十数名の人々(通信社ロイターのスタッフ2名も含む)を殺害している映像をWikiLeaksが公開した際には無視していた。そのマスコミが今回の外交文書公開は大きく扱っている。しかも、注目しているテーマといえば、各国政府の首脳に対する「評価」のような問題だ。

 ブッシュ政権の政策からチェンジできないバラク・オバマ大統領だが、ブッシュ政権を支えていたネオコン(親イスラエル派)やキリスト教系カルト集団(シアコン)、また環境規制を批判し、軍事増強を求めるコッチ兄弟のような富豪たちは今でも反オバマの姿勢を崩していない。戦争ビジネスへの参入を目論み、「京都議定書」の延長に反対している日本の支配層がブッシュ政権を支えていたグループと結びついくのは自然の流れなのだろう。

 イランに対する揺さぶり工作や軍事的な攻撃、つまり「体制転覆」の話にしろ、また国連でのスパイ活動にしろ、すでに報道されている情報ではある。ただ、今回の公開でアメリカ政府や関係者はシラを切ることができなくなった。

 東アジア関連では、 中国が暴力的な朝鮮に愛想を尽かしているという話 も伝えられている。中国では若手エリート、特にアメリカからの留学帰り組は親米色が鮮明で、アメリカに同調しても不思議ではない。が、だからといってアメリカと韓国の内部で検討されている軍事侵攻による「体制転覆」を容認しているわけではないだろう。問題が多すぎる。

 歴史を振り返ると、朝鮮の指導部は「挑発」に弱いことがわかる。元特務機関員で戦後はアメリカの情報機関で活動していた情報源によると、朝鮮戦争が始まる半年ほど前からアメリカは挑発工作を始めていた。「投降兵」を装って朝鮮軍の内部へ入り込み、銃を乱射して将校を殺すというようなことを繰り返し、朝鮮戦争の勃発が近づいてくる頃になると、南北両軍が対峙している付近では頻繁に軍事的な小競り合いが起こっている。そうした中、朝鮮軍が南下してきたのだという。アメリカから見ると、「先制攻撃させる」ことに成功したわけだ。

 大延坪島への砲撃でも「挑発にのった」という側面がある。朝鮮軍が唐突に攻撃したのではないことは本コラムで何度か指摘した通り。この交戦を「朝鮮の事情」だけで解説する日本のマスコミは話にならない。だが、朝鮮側が感情をコントロールできなかったことは確かだろう。

 好戦的な雰囲気を広めている日本のマスコミと挑発にのりやすい朝鮮。一歩間違えると状況は暴走する危険性がある。勿論、東アジアを潰したいネオコン、カネ儲けのためには軍事的な緊張を高める必要がある戦争ビジネスなどにとって、そうした暴走は望ましい状況だろうが。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.11.30 18:47:01


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: