《櫻井ジャーナル》

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

寄付/カンパのお願い

巣鴨信用金庫
店番号:002(大塚支店)
預金種目:普通
口座番号:0002105
口座名:櫻井春彦

2011.02.08
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
 独裁体制を倒そうという運動が盛り上がる中、エジプト軍が武力の行使に慎重な姿勢を見せているが、その理由は 軍と「平和産業」との関係

 エジプト経済の中で大きな比重を占めている観光産業にも軍は深く関わっていると指摘されている。風光明媚な海岸線は軍が支配していたのだが、その海岸線をビジネスに使うために開発業者と手を組んだのは、その一例。結局、経済活動の5から40%を軍が支配していると推測されている。

 推測にはかなり幅があるのだが、ともかく 軍は国内産業の内部に利権を持つようになっている わけで、混乱/内乱は死活問題につながるわけだ。そうなると、戦車などの兵器ではなく、見えないように弾圧していくことになる。アメリカで特殊工作の訓練を受けたオマール・スレイマンEGIS(エジプト総合情報局)長官が得意とする分野だ。

 言うまでもなく、この スレイマンもムスリム同胞団を敵視 している。エジプトを民主化するためには、そのムスリム同胞団をも納得させる必要があるわけで、交渉がすんなりと進むと期待することはできないだろう。

 エジプト軍のビジネス界への進出は軍事力の行使にブレーキをかけているのだが、その一方でイスラエルやアメリカの軍事力行使を後押ししてきたという側面も忘れてはならない。ガザに対する兵糧攻めはエジプト政府の協力なしには不可能であり、ヨルダン川西岸やレバノンなど北部での軍事作戦も今のようにはできなかっただろう。CIAの拉致/拷問工作にも協力してきた。

 エジプトに限らず、中東の親米/親イスラエル独裁国家はパレスチナ人などイスラエルの犠牲になっている人々を見捨て、自分たちの限られた仲間で富を独占してきた。エジプトの場合、ホスニ・ムバラク大統領から息子の代へ移行する中、「新自由主義経済」が推進され、そうした矛盾が噴出して今回の事態へ至っている。すでにエジプトの「御用メディア」もムバラク大統領を見捨てたようだが、エジプトの民主化は独裁者を排除するだけでは実現しない。正に「革命」が必要なのである。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011.02.08 15:39:29


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: