《櫻井ジャーナル》

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2012.02.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
今年4月から6月の期間にイスラエル軍がイランを攻撃するかもしれない 本当の目的 は別にあるという見方もある。イラン制裁を先送りしているEUを脅すためだというのだ。

 パネッタ長官の発言とは違い、 バラク・オバマ大統領はイスラエルがイラン攻撃を決定したとする話を否定 している。パネッタ発言の信憑性が問題になることを見越しているのかもしれない。

 こうした推測をする人が先ず注目しているのは、6月という期限。アメリカの圧力に屈した形でEUの外相理事会は7月からイランの原油輸入を禁止すると決めたのだが、それは6月まで禁輸しないということ。イランはすぐに石油の輸出を止める動きに出て、その影響が懸念されている。7月までの間に禁輸の決定を覆すことすらありえる。イスラエルの攻撃情報は、そうした動きを封じることに役立ちそうだ。

 もっとも、イスラエルが攻撃しなくても、アメリカ政府は中東の軍事的な緊張を高めている。 オバマ大統領はアメリカのイランに対する制裁は「外交的」だとしている が、これは正しくない。3空母をホルムズ海峡の近くに配置、周辺のアメリカ軍も増強しているわけで、十分に軍事的だ。

 ミサイル危機の際、ジョン・F・ケネディ大統領はキューバに対する直接的な軍事侵攻を封印するために海上封鎖しているが、その時には同時にソ連と真剣に平和的な解決を目指して話し合っている。

ミサイル危機 はアメリカの好戦派がソ連に対する先制核攻撃を目指す中で起こった出来事であり、実際に「核戦争の脅威」は存在していた。アメリカの好戦派にとってもソ連にとってもキューバは重要な位置にあり、だからこそドワイト・アイゼンハワー政権の時代から好戦派はキューバへの軍事侵攻を計画、ソ連は中距離ミサイルを持ち込んだのである。

 しかし、当時のキューバと今のイランとでは状況が全く違う。CIAの報告でもイランは現在、核兵器を製造するような段階にはないのだ。つまり、経済封鎖するような状況にはなく、アメリカを中心とする勢力にまつろわない国のひとつ、イランの体制を転覆させたいだけのことだろう。これはシリアでも当てはまる話だ。中東で核兵器を保有している国はイスラエルだけ。150とも300発とも言われる核弾頭をイスラエルは持っていると言われている。

 もし、イスラエルがイランを攻撃し、アメリカが巻き込まれるような事態になると、イスラム世界の親米独裁体制は厳しい状況におかれる。リビアやシリアのケースを見てもサウジアラビアはイスラム世界に対する影響力を強めようとしていることがわかるが、そのサウジアラビアの体制が揺らぐ事態もありえる。

 世界を見渡すと、イスラム諸国に限らず、これまで欧米に支配され、富を奪われてきた国々では反米感情が高まっている。そうした感情が爆発したなら、「親米」は命取りだ。

 すでに湾岸の独裁産油国では民主化を求める非武装の抗議活動が広がり、激しい弾圧を受けている。中東から北アフリカにかけての地域が戦乱に巻き込まれたなら、世界の石油生産に大きな影響が出ることは必至だろう。

 オバマ大統領でなくても、イランへの攻撃が破滅的な結果を招くと考えるのが常識的だろうが、 アメリカ政府は「外交的」と称する軍事的な圧力 を加え続けている。そうした状況の中、好戦派の暴走、あるいはアクシデントによる開戦もありえる。オバマ政権の思惑だけで物事が進むとは限らない。





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最終更新日  2012.02.06 21:53:20


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