《櫻井ジャーナル》

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2012.02.08
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 詐欺商法に何度も引っ掛かる人たちがいる。何度でも騙される。だからこそ、そうした業者は大金を出し、顧客リストを売買するわけである。

 2003年3月、アメリカのジョージ・W・ブッシュ政権はイラクを先制攻撃、サダム・フセイン体制を倒し、破壊、略奪、殺戮を続けた。

 攻撃を正当化する理由として、アメリカ政府は「大量破壊兵器」の保有を宣伝していた。しかも、あたかもアメリカがすぐにでも攻撃されるかのような発言もあった。それだけでなく、2001年9月11日の出来事、つまりニューヨークの世界貿易センターに立つ高層ビルへの航空機突入、ペンタゴンに対する攻撃の黒幕がイラクであるかのような話も伝えられた。

 勿論、こうしたアメリカ政府の宣伝は真っ赤の嘘だった。そうした嘘を広める部署が存在していたことも今では明確になっている。2002年に設置されたエイブラム・シュルスキーを室長とするOSP(特別作戦室)だ。

 アフガニスタンに対する先制攻撃も正しくない情報を広めてから実施しているが、それだけでなく、ビル・クリントン政権時代のユーゴスラビア攻撃も嘘に基づいて実行された。(詳細は拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)

 そして今、アメリカ政府は間違ったイメージを世界に広めながら中東/北アフリカで体制転覆作戦を展開している。しかも、アル・カイダを同盟相手にしながら。軍事介入を正当化するために「テロとの戦争」を掲げ、テロの象徴としてアル・カイダを使ってきたことを忘れてもらっては困る。

 イラクのサダム・フセイン、リビアのムアンマル・アル・カダフィ、シリアのバシャール・アル・アサドには共通項がある。アル・カイダを弾圧していたのだ。リビアの場合、2002年から04年にかけて「テロとの戦争」に協力していたことを示す文書も発見されている。

 そうした中で拷問されたひとりがアブデル・ハキム・ベルハジ。アル・カイダ系の武装集団、LIFG(リビア・イスラム戦闘団)のリーダーだ。この拷問に絡み、 ベルハジはイギリスの情報機関、MI6の高官だったマーク・アレンを訴えた 。テロとの戦争を主導したジョージ・W・ブッシュやドナルド・ラムズフェルド、リチャード・チェイニーたちでないところが興味深い。



 ソ連と戦わせるためにイスラム武装勢力を組織したのはズビグネフ・ブレジンスキーである。ジミー・カーター大統領の補佐官だった彼は1979年4月、武装集団の編成プログラムを始動させ、5月にはCIAイスタンブール支局長がISI(パキスタンの情報機関)の仲介で武装勢力と会談している。ソ連軍がアフガニスタンに侵攻したのは、この年の12月だ。

 ブレジンスキーの思惑通りに戦争は泥沼化し、ソ連軍は勝利できないまま撤退する。その後、イスラム勢力同士の内戦が始まり、収拾のつかない状態になるのだが、そうした状態を終息させるためにアメリカとパキスタンは1994年、タリバーンを組織する。1996年にタリバーンは首都カブールを制圧した。アメリカの支配層はタリバーンがサウジアラビアのような親米体制を築いてくれると期待したようだ。この頃、オサマ・ビン・ラディンがアフガニスタンに入っている。

 2001年7月、オサマ・ビン・ラディンはアラブ首長国連邦の病院に入院した。腎臓病の治療が目的だったと言われているのだが、その際にCIAの人間と会ったとフランスのル・フィガロ紙は報道している。この時点で、ビン・ラディンが軍事作戦を指揮できる状態ではなくなっていた可能性がある。

 そして、2001年9月11日を迎える。アメリカ政府はほとんど調査をしていない段階で実行者はアル・カイダだと断定、アフガニスタンをすぐに攻撃、そしてアル・カイダを弾圧していたイラクに攻め込んだのである。

 いわゆる「15年戦争」を振り返り、伊丹万作はこんなことを書いている:「幾ら騙す者がいても誰一人騙されるものがなかったとしたら今度のような戦争は成り立たなかったに違いないのである。」





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最終更新日  2012.02.08 23:39:24


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