《櫻井ジャーナル》

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2012.02.10
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 今年の夏、ロンドンで開かれるオリンピックは「監視の祭典」になりそうだ。 イギリスは監視カメラの多いことで有名 ニューヨークのマイケル・ブルームバーグ市長が視察 したこともある。昨年、そのニューヨークでは、不公正な政治経済システムに抗議する「占拠運動」が始まり、世界に広がった。その運動を監視するため、ロンドンでの経験は生かされたことだろう。

 強者総取りの経済システムは限界に達し、不公正なシステムに抗議する声が世界的に強まっている。資本主義は強欲を「是」とする仕組み。墨子流に言えば「相悪(にく)む」わけで、社会が乱れるのは当然なのだが、その根本を替えず、「乱」を力で抑えようとする。それがファシズム化であり、その基盤が監視システムだ。

 監視はカメラだけで行うわけではない。車両の移動もカメラで追跡できるが、通信内容の盗聴、携帯電話やオイスター・カード(イギリスの交通機関を利用できるICカード)を利用した個人の追跡も実用化している。最近のカメラは顔を識別できるようになっているので、自動的にシステムが特定の人物を追いかけることも可能らしい。

 監視は昔から支配層が望んできたことであり、第2次世界大戦後、イギリスはアメリカと共同でそのためのシステムを築き上げてきた。その中心にはUKUSAと呼ばれる電子情報機関の連合体がある。イギリスのGCHQとアメリカのNSAが結びついたのである。この連合体が世界の通信を監視するために使っているシステムがECHELONだ。(詳細は拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)

 米英の監視システムを明るみに出したのはイギリスのジャーナリスト、ダンカン・キャンベル。1970年代のことだが、日本ではマスコミは勿論、「市民活動家」もこの問題に関心を持っていなかったようだ。それらしい記事が出ても、内容はキャンベルのレポートと比ぶべくもない。

 デジタル通信が広まると、盗聴を容易にするための体制作りが始まり、1993年になるとアメリカは「ILETS(国際法執行電気通信セミナー)』を創設、翌年には電話会社にデジタル通信の傍受を可能にすることを求める「CALEA(法執行のための通信支援法)」を制定した。言うまでもなく、日本もこの後を追いかけている。

 アメリカでも個人情報の監視に力を入れてきた。例えば、学歴、銀行口座の内容、ATMの記録、投薬の記録、通信記録、運転免許に関するデータ、航空券の購入記録、住宅ローンの支払い内容、電子メールに関するデータ、インターネットでアクセスしたサイトに関する記録、クレジット・カードの記録も調べている。住民基本台帳ネットワークも、こうしたアメリカの動向とリンクしていると考えるべきだろう。

1月にはテームズ川で海兵隊とロンドン警視庁が合同で警備訓練を実施 、本番では警備のために 軍から1万3500名が投入 されるという。カメラを含め、オリンピックの治安対策を名目にした監視システムの強化も進み、最近では 無人機を使った監視技術 も急速に進んでいる。オリンピックの名を借りて、イギリスはファシズム体制を強化しているようにも見える。

 そういえば、日本にもやけにオリンピックの招致に熱心な知事がいた。この知事、ファシズムがよく似合う・・・というのは気のせいだろうか?





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最終更新日  2012.02.10 17:03:17


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