《櫻井ジャーナル》

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2012.02.11
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 2008年8月、グルジア軍は南オセチアに対して奇襲攻撃を仕掛け、平和維持部隊を粉砕する。グルジア政府は十分に準備した上で軍事作戦を始めたのだが、すぐにロシア軍が反撃を開始、グルジアの作戦は失敗に終わる。このときにグルジア軍はクラスター爆弾を一般市民に対して使用している。

 この奇襲攻撃を実行したグルジアのミヘイル・サーカシビリ大統領はアメリカで教育を受けた法律家。2003年、投機家のジョージ・ソロス、あるいは バドリ・パタルカツィシビリ をスポンサーとする「バラ革命」で実権を握った。オリガルヒのひとり、ボリス・ベレゾフスキーとパタルカツィシビリは親しかったが、後にサーカシビリとは仲違いしてしまう。

 2007年の後半、サーカシビリのライバルとして、パタルカツィシビリは次の大統領選挙に立候補すると宣言する。12月に出馬を断念するのだが、年明け直後に再び立候補を表明した。その彼がロンドンで急死したのは2008年2月のことだ。

 サーカシビリが実権を握る前からイスラエルの「民間会社」がグルジアへ武器を提供、将兵を訓練している。その会社とは、イスラエル軍のガル・ヒルシュ准将(予備役)が経営する「防衛の盾」で、予備役の将校2名と数百名の元兵士が教官としてグルジアに入っていたという。

 勿論、こうした動きをロシア側は熟知、2008年8月には アナトリー・ノゴビチン副参謀長 はイスラエルがグルジアに武器を供給していると語った。また2009年11月になると、NATO、ウクライナ、そしてイスラエルが兵器を提供、新しくNATOの参加した国々が小火器を、イスラエルが無人飛行機を、そしてウクライナが重火器と対航空システムを提供し続けているとロシアの軍情報機関 GRUのアレキサンダー・シュリャクトゥロフ長官 が話している。

 グルジアをアメリカも支援してきた。2002年にアメリカ政府は特殊部隊のメンバーを含む約40名のグループをグルジアへ派遣、その翌年にはグルジアの軍事パレードでアメリカ国歌が最初に演奏されている。また、2008年1月から4月にかけて、アメリカの傭兵会社MPRIとアメリカン・システムズは元特殊部隊員を派遣、「アフガニスタンに派遣される部隊」を訓練している。



 そして現在、ロンドンやイスラエルへ逃亡したオリガルヒの影響力が完全になくなったわけではなく、今でもデモを組織して揺さぶりをかけている。ただ、かつてのような影響力を失っていることも確か。2月上旬に行われた反プーチン/親西側の抗議活動では反イスラム勢力と合流したが、参加者は主催者の発表で6万人、警察の発表で3万8000人だった。

 ところが、当日、反「反プーチン/親西側」のデモ(親プーチンではない)には13万8000人が集まったという。ロシア人はエリツィン時代の地獄を忘れていないということだろう。

 ロシア人の多くは西側が自分たちを狙っていると考えている。しかも、エリツィンが去った後も西側/イスラエルがロシアを狙っていることを示す出来事が起こった。南オセチアに対するグルジアの奇襲攻撃もそのひとつだ。つまり、シリアやイランの問題でプーチンはNATO(米英仏)/湾岸独裁産油国に妥協するわけにはいかない背景がある。

 アメリカ経済は1970年前後に破綻、リチャード・ニクソン米大統領は1971年にドルと金との交換を停止せざるをえなかった。現在、アメリカの支配システムを何とか維持しているのは基軸通貨を勝手に刷れるという特権。唯一、世界の中でアメリカが優位にたっているのは軍事力だけであり、その軍事力を使って世界を支配する仕組みを新たに築こうとしているように見える。

 軍事力で経済力を粉砕できなければ、破綻である。アメリカは今後、ロシアだけでなく、ブラジル、インド、中国、南アフリカというBRICS諸国、あるいは民主化が進む南アメリカ諸国などを相手にしなければならない。覇権を握ることは簡単でない。最後は核兵器・・・ということも、ないとは言えないだろう。





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最終更新日  2012.02.12 00:59:30


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