《櫻井ジャーナル》

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2012.02.23
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スウェーデンのカール・ビルト外相のスキャンダルをウィキリークスは明るみに出す準備を進めていると報道されている

 内部告発支援グループ、ウィキリークスの「顔」として知られているジュリアン・アッサンジは現在、イギリスの法廷で戦っている。アッサンジを「レイプ容疑」で指名手配しているスウェーデン検察にイギリスの当局は引き渡そうとしているのだが、それにアッサンジ側が抵抗しているのだ。

 アッサンジをスウェーデン検察が指名手配したのは2010年8月のことだが、その4カ月前にウィキリークスは衝撃的な映像を公表していた。それは アメリカ軍のアパッチ・ヘリコプターが非武装の十数名を殺害する場面 を撮影したもので、犠牲者の中にはロイターのスタッフ2名も含まれていた。自動車に乗っていた子どもふたりも重傷を負っている。

 この映像は3つの事実を明らかにした。まず、アメリカ軍は非武装の市民を平然と殺害し、第2に軍内部では事実に反する報告がなされ、第3にアメリカの軍や政府は事件について嘘をついていたということだ。

 この映像を日本ではマスコミの大半が無視していたが、報道した場合でも「市民と兵士を誤認した」というような代物。つまり、兵士の報告を垂れ流しただけ。映像を見れば戦闘など行われていないことは明白で、ターゲットが武装しているようには見えない。事実、武装していなかった。

 1970年代までのスウェーデンではアメリカに批判的な人が少なくなかった。1967年にベ平連は空母イントレピッドから逃げてきた兵士をたすけているが、その際、逃がした先がスウェーデンだった理由のひとつはそこにあるのだろう。

 スウェーデンの歴代首相の中で特にアメリカに批判的だったのは、おそらく社会民主党のオルオフ・パルメ。1969年10月から76年10月、そして82年10月から86年2月にかけて首相を務めている。その第2期目が始まる直前、スウェーデン国民に大きな影響を与える出来事が起こった。



 1982年9月、NATO軍はスウェーデンの近くで軍事演習を立て続けに実施している。「ノーザン・ウェディング」、「USバルトップス」、そして月末には対潜水艦戦の「ノットバーブ」だ。

 そして10月1日、パルメが首相へ返り咲く1週間前にスウェーデンの領海へ国籍不明の潜水艦が侵入、大捕物が展開されたのだが、証拠が示されないまま、ソ連軍の潜水艦だという宣伝が始まり、スウェーデン国民の反ソ連感情が高まった。このとき、アメリカとスウェーデン、両国の軍隊や情報機関は歩調を合わせていた。

 しかし、ノルウェーの研究者、オラ・ツナンデルによると、ノルウェー軍の情報将校は問題の潜水艦は西側の潜水艦だ断言、アメリカやスウェーデンの当局者と真っ向から対立している。

 その翌年、4月から5月にかけてアメリカ海軍は千島列島の沖に3空母、エンタープライズ、ミッドウェー、コーラル・シーを終結させ、大艦隊演習「フリーテックス83」を実施している。8月31日から9月1日にかけては大韓航空007便がソ連の領空を侵犯、ソ連軍の重要基地の上を飛行した末に、サハリン沖で撃墜されたと言われている。11月にはNATO(北大西洋条約機構)軍の演習、「エイブル・アーチャー83」を計画されていた。

 その一方、ポーランドでは反体制労組「連帯」が宣伝されていたのだが、この団体はアメリカの情報機関と公然と交流、イタリアのアンブロシアーノ銀行が違法送金していたこともP2スキャンダルに絡んで判明している。ちなみにレーガン政権は当時、「プロジェクト・デモクラシー」なる作戦を始めていた。勿論、真の意味で民主化を推進したかったわけではない。「民主化」を呪文に使い、プロパガンダ戦を始めていたのだ。

 ジャーナリストのカール・バーンスタインによると、ファクシミリ、印刷機械、送信機、電話、短波ラジオ、ビデオ・カメラ、コピー機、テレックス、コンピュータ、ワープロなどが数トン、アメリカからポーランドへ密輸されたという。連帯の指導者だったレフ・ワレサも自伝の中で、戒厳令布告後に「書籍・新聞の自立出版所のネットワークが一気に拡大」したと認めている

 そして1986年2月、パルメ首相は殺害された。妻と映画を見終わって家に向かう途中、銃撃されたのである。





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最終更新日  2012.02.23 16:28:42


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