《櫻井ジャーナル》

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2012.10.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 今月の12日、ノルウェーのノーベル賞委員会はEUにノーベル平和賞を授与すると発表した。ブラック・ジョークだと思った人も少なくないようだ。EUの足跡をたどれば、決して平和的な組織でないことがわかる。

 平和賞の受賞に合わせたわけではないだろうが、現在、ハーグではスルプスカ(ボスニア・ヘルツェゴビナを構成する共和国のひとつ)の初代大統領、ラドヴァン・カラジッチの戦争犯罪を裁く法廷が再開されている。

 言うまでもなく、ボスニア・ヘルツェゴビナはかつて、ユーゴスラビアの一部だった。ソ連が消滅する直前の半年ほどの間にユーゴスラビアは分裂、つまり1991年6月にスロベニアとクロアチアが独立を宣言、9月にはマケドニア、そして翌年の3月にボスニア・ヘルツェゴビナが続いた。この宣言を「西側」は支持したわけだ。ボスニアはイスラム教徒が多く、この当時、アル・カイダが入り込んでいたと言われている。

 このユーゴスラビア解体プロジェクトで脚光を浴びたのが宣伝会社。セルビア人を悪役に仕立てるため、ルダー・フィン・グローバル・コミュニケーションは重要な役割を果たしている。ボスニア・ヘルツェゴビナより少し遅れてコソボもルダー・フィンと契約している。

 プロパガンダ、つまり偽情報の流布にはメディアも協力している。例えばニューズデーのロイ・ガットマンはボスニアで16歳の女性がセルビア兵にレイプされたと報道しているのだが、事実でないことが別のジャーナリスト、アレクサンドラ・スティグルマイアーやマーティン・レットマイアーらによって確認されている。ガットマンの情報源は、クロアチアの亡命者が創設したプロパガンダ組織CIC(クロアチア情報センター)だった。

 セルビア人を悪役に仕立てた上、1999年3月にはユーゴスラビアを一方的に空爆を始めて多くの市民を殺害し、5月には中国大使館も爆撃している。侵略行為にほかならないわけで、民族紛争を抑止したわけでも、また紛争の和解をリードしたわけでもない。こうしたシナリオは中東や北アフリカの制圧作戦でも使われている。現在は、シリアがその舞台であり、湾岸産油国のほか、アメリカ、イギリス、フランス、トルコが軍事介入を続けている。ドイツも通信傍受などで協力しているとする情報もある。

 シリアやリビアの前、イラクが欧米の軍隊に侵略され、破壊と殺戮が繰り広げられた。サダム・フセイン時代のイラクでは反民主的な手法で弾圧されていたアル・カイダが入り込み、社会を破壊している。リビアやシリアでは、体制転覆を目指すNATOや湾岸産油国の手先として活動している、あのアル・カイダだ。

 イラクで何人が戦争の犠牲になったかをアメリカなど占領国の政府は口にしないが、 いくつかの調査 では100万人程度が犠牲になったと推定している。例えばアメリカのジョーンズ・ホプキンス大学とアル・ムスタンシリヤ大学の共同研究によると、2003年の開戦から2006年7月までに約65万人のイラク人が殺されたという。イギリスのORBは2007年夏までに94万6000名から112万人、NGOのジャスト・フォーリン・ポリシーは133万9000人余りが殺されたとしている。

ファルージャやバスラでは新生児に奇形や脳の障害などが多発しているという報告 がある。環境汚染毒物学紀要という専門誌に掲載された論文によると、ファルージャで2007年から10年にかけての新生児の場合、半数以上に先天性欠損があったという。1990年代以前には2%以下、2004年に占領軍から攻撃される前は約10%だとされている。バスラの産院における先天性欠損の割合は、1994年から95年にかけて1000人のうち1.37人だったのだが、2003年には23人、そして2009年には48人に増えている。

 ファルージャやバスラの子どもたちの頭髪を調べ多結果、鉛が通常の5倍、水銀が通常の6倍と異常に高く、劣化ウラン弾の影響も疑われている。現地では濃縮ウランが発見されたという報告もあり、中性子爆弾の使用を疑う人もいる。

 また、 イラン では子どもを巻き込む形でEUは制裁を強化しつつあるようだ。





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最終更新日  2012.10.17 03:57:27


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