《櫻井ジャーナル》

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2012.12.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカの国務長官と国防長官が交代になりそうだ。国務長官はヒラリー・クリントンの後継者としてジョン・ケリー上院議員が指名され、国防長官はレオン・パネッタからチャック・ヘイゲル元上院議員へ交代になると噂されている。このヘイゲルにネオコン(親イスラエル派)は激しく反発、 雑誌 映像 を使った執拗な攻撃が続いている。

 ヘイゲルは1997年1月から2009年1月まで上院議員を務めた人物だが、所属は共和党。そのヘイゲルをネオコンが嫌っている理由は、ジョージ・W・ブッシュ政権の中東に対する軍事侵攻に懸念を示していたからである。

 だからといって、ヘイゲルが反戦思想の持ち主だというわけではない。何しろ、イラクへの先制攻撃は統合参謀本の内部にも少なからぬ反対の声があった。イラクを攻撃する根拠が薄弱で、戦術的にも無謀、結局は戦争ビジネスを儲けさせるだけで、アメリカを疲弊させることになるというわけだ。

 今年の大統領選でネオコン/イスラエル・ロビーはミット・ロムニーを支援して失敗、緊密な関係にあったデービッド・ペトレアスがCIA長官を辞任している。バラク・オバマ政権の2期目はネオコンの影響力が低下しそうだが、さらに自分たちと一線を画す人物が登場することをネオコン/イスラエルは避けたいだろう。

 ちなみに、当時の日本では好戦的な雰囲気が蔓延し、ネオコンに踊らされていた。政治家や官僚だけでなくマスコミも戦争熱に浮かされ、インターネットも戦争ごっこと本当の戦争の区別がつかない「平和ボケ」の好戦派で溢れていた。

 アメリカ政府が主張していた「大量破壊兵器」の話を信じた、などという戯言を口にしてはならない。少しでも思考力のある人間なら、そんな話が嘘だということはわかっていたはず。アメリカ軍はすぐに勝利して利権を獲得、自分たちもお零れにあずかれると皮算用していたのだろう。

 ブッシュ・ジュニア政権が始めた戦争は泥沼化、いまだに抜け出せないでいる。いや、ネオコンの戦略によると、戦線はまだ拡大する。ジャーナリストの シーモア・ハーシュによると

 つまり、(1) イランを脅威だと認識、(2) パレスチナで影響力を持つハマスとファタハ(パレスチナ祖国解放運動。パレスチナ自治政府の中心)との話し合いを促進してイスラエルへの敵対的姿勢を弱め、(3) シーア派の勢力拡大を防ぐためにブッシュ・ジュニア政権はスンニ派の国々と行動を共にし、(4) シリアのバシャール・アル・アサド体制を弱体化させるためにサウジアラビアが資金や物資の援助を行うということを決めたという。

 また、ウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官によると、 1991年の時点 でネオコンのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)は、5年から10年でシリア、イラン、イラクを掃除すると語り、 2001年9月11日の攻撃から10日後にブッシュ・ジュニア政権はイラク攻撃を決定、6週間後にはイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダンが攻撃予定国のリストに載っていた としている。

 ブッシュ・ジュニア政権の政策に批判的だったということは、こうした戦争スケジュールにも批判的だということ。ネオコンだけでなく、戦争ビジネスにとっても気がかりだろう。巨大軍需産業、ロッキード・マーチンの代理人といわれるヒラリー・クリントンが国務長官を辞めるのも偶然とは思えない。

 新長官として指名されたケリーも得体の知れないところがある。ロナルド・レーガン政権の時代にイラン・コントラ事件やBCCIスキャンダルを追及した一方、エール大学ではブッシュ親子と同じように秘密結社のスカル・アンド・ボーンズに入っているのだ。

 この結社の人脈は情報機関とつながっているので、ケリーもそうした影響を受けている可能性が高い。イラン・コントラ事件ではアフガニスタンのイスラム武装勢力への支援に触れなかったことが批判されているが、「ダメージ・コントロール」が役目なのかもしれない。

 ただ、イラクから始まった軍事侵攻にCIAも反対、現在はイランへの攻撃にブレーキをかけている。ケリーの国務長官就任もネオコンにとっては懸念材料だろう。日本のネオコン人脈、例えば小泉某や石原某のような人びとに影響が出てくる可能性もある。





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最終更新日  2012.12.22 22:01:27


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