《櫻井ジャーナル》

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2012.12.31
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 2013年を前にして、庶民に仮想現実を見せるという役割をマスメディアは果たせなくなりつつある。プロパガンダ機関としての能力が落ちているということだ。

 国内では昨年3月の東京電力福島第一原発の事故がマスコミにとって大きな痛手。教育と連携して「原発安全神話」を国民に植えつけていたのだが、その神話が吹き飛んでしまった。原発が危険な存在だということは否定しようがない。しかも、事故の深刻な状況を隠して多くの住民を大量被曝させた事実も知られた。

 事実を知らずに間違った情報を流したわけではないだろう。事故が発生した直後に政府はメルトダウンを予測、最悪の場合は首都圏に住む人々も避難する必要があると認識していた。多くの「優秀な記者」を抱えているマスコミは早い段階でそうした情報をつかんでいたはずだ。実際、脱兎のごとく逃げ出している。

 ところが、その後もマスコミは何も反省せず、「原発安全神話」の続編として「放射能安全神話」を宣伝しはじめ、12月の総選挙で誕生した安倍晋三政権は原発を再稼働させようとしている。その総選挙に至る過程でもマスコミは日米の支配層が望む方向へ国民を誘導していた。

 勿論、マスコミの嘘は原発に限らない。政治にしろ、経済にしろ、軍事にしろ、治安にしろ、支配層のために宣伝を続けている。社会の現実を伝え、権力者を監視するのがマスコミの役割だという人もいるが、妄想にすぎない。戦争を煽り、「大本営発表」を垂れ流した新聞は戦後も基本的に体質は変化しなかった。

 A紙やM紙は左だ、S誌やB誌は右だといったことも言われていたが、これはプロレスの善玉と悪玉、フェイスとヒールのようなもので、営業/興行のための役割分担。両方とも体制派の仲間にすぎず、左でも右でもない。要するに同じ穴の何とか。

 組織としてのメディアは体制派だが、個人的に権力と対峙する記者、ジャーナリストはいた。いわば「掃き溜めに鶴」だが、1980年前後から気骨あるジャーナリストを排除する動きが強まり、今のマスコミはかなり純粋な「権力の走狗」である。

 本ブログでは何度か指摘、拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』でも取り上げたが、1933年にJPモルガンを中心とするアメリカ金融界はフランクリン・ルーズベルト大統領を排除し、ファシズム体制を樹立するためのクーデターを計画している。

 名誉勲章を2度授与された伝説的な軍人、海兵隊のスメドリー・バトラー退役少将にもクーデターへ参加して欲しいという誘いがあった。この誘いをバトラー少将はことわり、クーデターを実行するなら、自分はカウンター・クーデターで対抗すると宣言、議会で計画について証言している。バトラー少将らの証言によると、この計画でクーデター派はアメリカ国民を新聞で操るとしていた。メディアを使えば庶民を騙すことは容易だと考えていたのである。



 その延長線上にあるのが「プロジェクト・デモクラシー」。ロナルド・レーガンが大統領を務めた1980年代、ターゲット国を攻撃する「呪文」として「民主化」を使うようになる。勿論、本当に民主化することが目的ではないため、必然的に「ダブル・スタンダード」ということになる。

 1980年代にはアフガニスタン、最近ではリビアやシリアの体制を転覆させるためにサウジアラビアはアメリカやイスラエルと手を組み、資金と戦闘員を供給している。攻撃の口実は「民主化」や「人権」だが、そのサウジアラビアは奴隷制国家である。奴隷制が残る独裁国家が「民主化」や「人権」を掲げているわけだが、それを「西側」の政府もメディアも、そして「左翼」も意に介さない。

 一般に「モッキンバード」と呼ばれているメディア支配プロジェクトも有名。中心人物は第2次世界大戦中から破壊工作を指揮していたアレン・ダレス、ダレスの側近で極秘の破壊工作機関OPCの局長を務めたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近で後にCIA長官になるリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主を努めていたフィリップ・グラハム。

 この4名は金融界と深い関係にある。ダレスとウィズナーはウォール街の弁護士、ヘルムズの祖父は国際的な投資家、グラハムの義父にあたるユージン・メイアーは世界銀行の初代総裁だ。フィリップ・グラハムの妻であり、ユージン・メイアーの娘がウォーターゲート事件で名を売ったキャサリン・グラハムである。

 レーガン政権はイギリスとの同盟関係を強化するために「BAP(後継世代のための米英プロジェクト)」もスタートさせている。メディア界に君臨していたルパート・マードックやジェームズ・ゴールドスミスとの会談でこの名前が始めて使われたようだ。

 次世代を担う若手を育成するためのプロジェクトだとされているが、アングロサクソンによる支配システムを維持することが本当の目的。その中には多くのメディア関係者が含まれ、イギリスのトニー・ブレアを支えていた。ブレアはイスラエルをスポンサーにしていたわけで、BAPはイスラエルとも結びつく。日本のマスコミも権力システムに取り込まれているのだが、その事実はすでに知られている。





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最終更新日  2012.12.31 23:30:23


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