《櫻井ジャーナル》

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2013.02.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
安倍晋三首相がTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉に参加する意欲を示した

 農業に問題を矮小化するストーリーを今でもマスコミは語っているが、TPPの問題は、経済活動にともなう参加国の政策がアメリカの多国籍企業にとって利益になるかで決まるという点にある。

 直接的な生産活動やサービスのルールだけでなく、労働条件、環境汚染、食糧の安全などに関する規制、あるいは健康保険や年金など社会保障の仕組みを各国政府が決められなくなる可能性がある。環太平洋独裁政府を目指しているようにも見える。

 各国の政府や議会を縛るための武器になるのは、ISDS(国家投資家紛争処理)条項。オーストラリア政府は交渉の中でこの条項を協定に入れることを拒否しているようだが、当然だろう。

 民主主義国家の最低条件は、選挙によって議員や大統領が選ばれ、政府が作られていること。日本では議員の選ぶ総理大臣を中心に国は運営されることになっているのだが、この仕組みをTPPは破壊する潜在的な力を持っている。民主主義の理念を根本から否定、日本国憲法も機能しなくなりそうだ。

 具体的な仕組みは交渉中だということだが、その討議内容は秘密。交渉内容を知っているのは、実際に作業しているアメリカの多国籍企業幹部だけだとも批判されている。

 富はそうした巨大多国籍企業、あるいはそうした企業を支配するファンドや富裕層へ集中している仕組みができあがっている。その仕組みをTPPは強化する協定だとも言える。

 そうした富を集中させる仕組みの中枢がロンドンの金融街。この都市を中心に広がるオフショア市場/タックス・ヘイブンのネットワークを使い、多国籍企業や富裕層は資産を隠し、課税を免れている。



 TPP推進派から見れば、公的な健康保険や年金は必要のない仕組み。日本では庶民が支払うには負担が重すぎる保険料や掛け金が取られているのだが、その実態に関する正確な情報は知らされていない。今後、庶民の負担は支払うことが難しい水準まで重くし、健康保険や年金の仕組みは破壊するつもりだろう。かつて世間を騒がせた年金スキャンダルも意図的に行われた可能性もある。

 こうした金融規制や社会保障への攻撃だけでなく、アメリカの大企業はTPPを使い、各国で環境や食の安全を守ろうとする仕組みを潰そうとしている。例えば、アルツハイマー病とBSE(狂牛病)との関連を指摘する研究は無視され、GMO(遺伝子操作食品)の場合は独立した研究が厳しく制限されているのが実態。すでに、アメリカ側は遺伝子操作食品を示す表示を禁止させようとしている。

 勿論、GMOの危険性を指摘する声はあるのだが、高名な学者でも危険性を指摘すると社会的に抹殺されてしまう。そうした一例が生物学者のアーパド・プツタイだ。

 TPPに限らず、支配層にとって都合の悪い話がインターネット上を飛び交っている。福島第一原発の「過酷事故」でも、政府や東電の嘘を暴く情報はインターネットを流れた。

 そのインターネットを監視する法律もアメリカは準備している。そのひとつがCISPA。アメリカの巨大多国籍企業を頂点とする支配システムにとって都合の悪い人や団体を監視できるだけでなく、あらゆる情報をカネ儲けにも使える法律だ。「サイバー・テロ対策」だと称すれば何でもできる。だからこそCISPAを何としても成立させたい人たちがいる。誰かがアメリカに対して「サイバー・テロ」を仕掛けて欲しいところだろう。





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最終更新日  2013.02.21 16:28:52


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