《櫻井ジャーナル》

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2015.05.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 朝鮮の玄永哲人民武力部長が4月30日ごろに処刑されたとする情報を、韓国の国家情報院は同国の国会情報委員会で明らかにした。ロシアが5月9日に催した対ドイツ戦勝利70周年記念式典への出席を金正恩第一書記が取り消していたことから、国内で何か重大なことが起こっているとは言われていたので、そうしたことがあっても不思議ではない。

 長年、東アジア情勢を不安定化させてきたのは日本と朝鮮。中東/北アフリカやウクライナのようにこの地域を戦乱で破壊するための火種だとアメリカの好戦派は考えているだろう。韓国が中国やロシアとの関係を強めようとした場合、大きな障害になることも事実だ。

 ロシアにしても、朝鮮の問題を解決できれば、パイプラインや鉄道で朝鮮半島の南端までつなげることができる。そこで、ロシア政府は3年ほど前から朝鮮に接近し、 同国がロシアに負っている債務の90%(約100億ドル)を帳消しにし、10億ドルの投資をすると提案 している。朝鮮にしても経済発展の起爆剤になりえる提案。そこで金第一書記の対ドイツ戦勝利70周年記念式典出席も決めたのだろう。玄永哲も昨年11月にロシアを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と会談したという。

 ただ、朝鮮がらみの話は怪しげなものが多く、今回の処刑話も真偽は不明。例えば、2013年12月に金第一書記の義理の叔父にあたり、国防委員会副委員長を務めていた張成沢が「犬の餌」にするという手段で処刑されたという話も嘘だった可能性が高い。

 情報の流れは中国のブログから始まったとされている。12月11日に投稿されたブログの中で張成沢と5名の側近が飢えた120匹の猟犬に食い殺されたと書かれていたという。その後、香港の新聞、文匯報が12月5日に処刑されたという「噂話」として載せたのだが、張成沢が逮捕されたのはその3日後、朝鮮労働党中央委員会の会議が開かれていた8日だったとされている。処刑された後に逮捕されたという怪談。

 この記事をシンガポールの新聞で反コミュニストのストレーツ・タイムズ紙が英語に翻訳して報道、それにイギリス、アメリカ、ロシアなどのメディアが飛びつく。本来なら情報の信憑性を確認しなければならないのだが、朝鮮が情報を閉ざしていることから未確認のまま、中国の怪しげなブログに書き込まれた話が全世界に「事実」として広まったわけだ。

 最近の例では、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(PSE)のハッキング騒動を挙げることができる。 このハッキングについては早い段階から自作自演説 が流れ、その後もそうした説が強まっている。



 しかし、 ニューズウィーク誌系のデイリー・ビーストによると 、少なくとも2名のアメリカ政府高官は映画のラフ・カットを、つまり編集の途中で見て、6月の終わりには映画を有効なプロパガンダだとして賞賛していたという。つまり、この映画の製作にアメリカ政府が関与しているということであり、第一書記の頭を吹き飛ばす場面は国務省の意向だったともされている。

 この映画をプロデュースし、主役も演じたセス・ローゲンは親イスラエル派として知られ、両親が知り合ったのはイスラエルのキブツだという2代続けて筋金入りの親イスラエル派。ジャーナリストのウェイン・マドセンによると、イスラエル軍がガザで行った虐殺を支持、この点はもうひとりの主役、ジェームズ・フランコも同じだと伝えられている。

 ロシアのプーチン政権はパイプラインや鉄道の建設を通じてEUや東アジアとの友好的な関係を強めようとしてきた。その一環として朝鮮を経由して半島の南端までパイプラインと鉄道を建設しようという計画を立てたわけだ。

 金正恩としても良い条件の取り引きであり、前向きに検討しているはずだが、逆に東アジアの軍事的な緊張を高めようとしているネオコン/シオニストは計画を潰したいところだろう。勿論、安倍晋三政権はその手先。朝鮮の内部にもアメリカの好戦派とつながっている勢力が存在している可能性がある。

 ソ連が混乱している最中、1991年11月末から翌月上旬にかけて統一協会の文鮮明教祖が朝鮮を訪問、その際に「4500億円」を寄付したとアメリカ軍の情報機関、DIA(国防情報局)が報告している。1993年にはアメリカのペンシルベニア州に保有していた不動産を売却して得た資金300万ドルを香港の韓国系企業を介して朝鮮へ送っている。安倍晋三も統一教会と関係があるとされているが、アメリカではジョージ・H・W・ブッシュとの緊密な関係が有名だ。

 ところで、パイプラインはギリシャでも注目されている。巨大資本やIMFと結びついた欧州委員会や欧州中央銀行がギリシャに要求してきた政策は公務員給与の削減、年金のカット、増税、私有化など。巨大金融機関の利益を第一の考える政策に対するギリシャ国内の反発は強く、1月25日に行われた総選挙では急進左翼進歩連合の勝利に結びついた。

 西側の支配層はIMF、欧州委員会、欧州中央銀行を前面に出してギリシャ政府を屈服させようとしてきたが、追い詰められた急進左翼進歩連合がロシアへ目を向けるのは必然。何しろ西側支配層の手法は「闇金」と同じであり、その要求を呑めば借金だるま。無限返済が求められ、「債務奴隷」的な状況に陥る。

 それに対し、ロシアと取り引きし、パイプラインをトルコからギリシャ経由でEUへつなげれば、ギリシャの財務状況は改善される。ロシアとEUが計画していた天然ガス輸送用の「サウス・ストリーム」はアメリカの圧力でブルガリアが建設の許可を出さずに御破算、ロシアと中国との関係強化につながったが、ロシアから黒海を通ってトルコへ運ぶ「ブルー・ストリーム」も存在している。これと並行する形で新たなパイプラインをトルコに通し、そこからギリシャへというルートは十分にありえる話だ。経済的な基盤ができれば、EUからの離脱という選択肢もできる。

 また、ここにきてロシアはギリシャに対し、BRICSが設立を決めている新開発銀行に加わらないかと持ちかけているようで、ギリシャ側も興味を示している。IMFや世界銀行はアメリカの巨大資本が金融面から世界を支配する仕組みの中心で、AIIBと同様、BRICSの新開発銀行に注目している国は少なくないはずだ。特に、EUの南部諸国はギリシャが成功すれば、後に続く可能性もある。





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最終更新日  2015.05.14 01:09:21


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