《櫻井ジャーナル》

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2015.05.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 垂直離着陸輸送機のCV22オスプレイをアメリカ軍は横田基地に配備するのだという。2017年に3機、21年までに7機を追加する予定で合計10機。「安全性は十分に確認されていると判断した」と防衛大臣の中谷元は語ったというが、横田基地の存在自体が首都圏の安全にとって大きな脅威になっている。

 日米地位協定のため、東京都、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県にまたがる広い空域(横田侵入管制区)を横田基地が管制、民間航空機も毎回、事前にアメリカ軍の許可を得る必要がある。つまり、定期便のルートはここを迂回しなければならず、コストが高くなるだけでなく、飛行ルートに無理が生じ、安全性を低めている。

 もっとも、日本に駐留しているアメリカ軍は約4万5000人、そのうち半数以上が沖縄にいて、県の面積が日本全体の0.6%にすぎない場所に在日米軍基地の74%が集中、その問題は首都圏の比ではない。その沖縄にもオスプレイは配備されている。

 本ブログでは何度も書いているように、現在、アメリカが進めている世界戦略は1992年に作成された「 ウォルフォウィッツ・ドクトリン 」、つまりDPG(国防計画指針)に基づいている。ソ連が消滅し、アメリカが「唯一の超大国」になったという認識に基づいて世界制覇プロジェクトが始動させたが、その指針だ。

 DPGをベースにして作成されたネオコン系シンクタンクのPNACが2000年に公表した「米国防の再構築」は東アジアを重視する一方、オスプレイ配備の必要性を強調している。部隊の行動範囲を広げることが理由だという。つまり軍事侵攻できる地域を広げることが目的。そこから横田配備の意味を考える必要があるだろう。

 DPGを作成する前提になったのがソ連の消滅。その引き金は、ボリス・エリツィンが主導して1991年12月8日にベロベーシの森で開かれた秘密会議だ。出席したのはエリツィンのほか、ウクライナのレオニード・クラフチュクとベラルーシのスタニスラフ・シュシケビッチ。この会議でソ連からの離脱を決めた。いわゆる「ベロベーシ合意」だ。一種のクーデターだったが、そうした理解を西側の「エリート」は拒否している。

 それ以降、西側を後ろ盾にしてエリツィンがロシアで実権を握り、新自由主義を導入、エリツィンの娘であるタチアナ・ドゥヤチェンコを含む政府の腐敗グループと結びついた一部の人びとが国民の資産を略奪しはじめる。そして誕生したのが富豪の「オリガルヒ」であり、そのひとりがボリス・ベレゾフスキー。当然、富の集中は庶民を貧困化させる。

 ベレゾフスキーはチェチェンの犯罪組織を暴力装置として利用、反ロシア武装勢力ともつながりがあった。この人物の暗部を暴いたのがフォーブス誌の編集者だったポール・クレブニコフだ。彼は1995年2月に殺害されたテレビ局のプロデューサー、ウラジスラフ・リスチエフの事件も暴いたが、クレイブニコフ自身、2004年7月にモスクワで射殺されている。



 西側の巨大資本にとって都合の良い政策を推進したエリツィンは1993年9月、憲法を無視する形で議会を強制的に解散すると発表し、議員がクーデターだと非難して議会ビルに立てこもると、戦車に議会ビルを砲撃させて独裁的な権力を握った。2度目のクーデターだが、勿論、西側は容認している。

 逆に、エリツィンが進めていた巨大資本好みの政策を止め、オリガルヒが政府を支配する仕組みも壊してしまったウラジミル・プーチンを西側のメディアは「悪魔化」して描いている。エリツィンがロシアの大統領に就任した段階でアメリカの支配層はロシアを属国化することに成功したと認識したであろうが、プーチンはロシアを独立国として復活させた。

 ネオコン/シオニストはロシアに残った配下の勢力を使って再属国化しようと必死のようだが、その手法はワンパターンの恫喝。アメリカ大統領だったリチャード・ニクソンが言うところの「凶人理論」、イスラエルのモシェ・ダヤン将軍の狂犬戦術を展開しているのだが、ロシアや中国には通じない。

 一度描いたシナリオを書き換えられないネオコンは恫喝をエスカレートさせ、世界は核戦争へ近づいている。そうした状況をEUやバラク・オバマ米大統領の周辺も懸念し始めてネオコンは孤立しつつあるのだが、そのネオコンに従っているのが日本の「エリート」たち。

 その「エリート」は自分たちの利益のため、軍事的に日本をアメリカへ贈呈するだけでなく、TPPで政治経済的に日本の自然とそこに住む人びとを巨大資本へ売り飛ばそうとしている。この協定はエリツィン時代のロシアと同じで、巨大資本が政府、議会、司法を支配する仕組みを築くことにあり、日本を含む環太平洋諸国をかつてのラテン・アメリカのような「バナナ共和国」にしようとしているわけだ。

 労働環境の劣悪化、社会保障システムの破壊、権利の否定、監視の強化が日本では推進されているが、これは「バナナ共和国」の政策。TPPを先取りしているとも言える。巨大なデータベースで巨大資本にとって目障りな人物を探し出すだけでなく、子どもの性格を分析して「潜在的危険人物」を探し出す作業も始まっている可能性がある。少なくとも、アメリカではこうした研究が進められている。





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最終更新日  2015.05.13 11:45:11


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