《櫻井ジャーナル》

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2015.07.02
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカとキューバが国交を回復させ、大使館を再開させるという。つまり、アメリカはキューバに破壊活動の拠点を手に入れるということだ。

 先住民を殲滅した後、1898年の「メイン号爆沈」を口実にしてアメリカの支配層はラテン・アメリカへの侵略を開始、植民地化した。そうした侵略の手先として動いていたのが海兵隊だが、第2次世界大戦後になると、情報機関が軍事クーデターで体制を転覆させる時代に入る。例えば、1953年にはイランで、54年にはグアテマラで、73年にはチリで合法的に成立した政権を倒して独裁体制を樹立させた。

 アメリカ支配層を後ろ盾とする独裁者に支配されていたキューバで住民に支持された勢力が1959年に革命を成功させると軍事侵略を計画する。計画を立てたのはドワイト・アイゼンハワー政権だったが、亡命キューバ人を使った侵攻作戦が実行されたのはジョン・F・ケネディ政権になった直後の1961年。

 この亡命キューバ人の攻撃が失敗することはアメリカの軍や情報機関は織り込み済み。その侵攻部隊を助けるという名目でアメリカ軍を介入させようとする動きがあったのだが、これはケネディ大統領が阻止した。この後、1953年からCIA長官を務めていたアレン・ダレスを1961年に解任するが、ケネディはCIAそのものを解体する意向だったとも言われている。軍の情報機関DIAが設立されたのはこの年のことだ。

 アメリカの好戦派は「キューバへの反撃」という口実で軍事侵攻を計画する。「ノースウッズ作戦」だ。まずキューバ軍を装ってアメリカの施設や船舶を攻撃し、フロリダ州マイアミなどの都市で「テロ」を実行、最終的には、アメリカを離陸した旅客機をキューバ近くで自爆させ、キューバ軍に撃墜されたことにするというシナリオだった。これもケネディ政権は拒否する。この計画の中心人物だったライマン・レムニッツァー統合参謀会議議長は再任を拒否され、NATOへ赴任させられた。なお、レムニッツァーは1955年から57年にかけて琉球民政長官を務めている。

 こうした好戦的な軍人を懸念する議員もいて、アルバート・ゴア上院議員(ビル・クリントン政権の副大統領アル・ゴアの父親)らが調査している。ケネディ大統領が暗殺された翌年、ジョン・フランケンハイマーが監督した「5月の7日間」というクーデター計画をテーマにした映画が公開されているが、これはケネディ自身が制作を進めたのだという。

 第2次世界大戦が終わった直後から軍や情報機関の好戦派はソ連に対する先制核攻撃を計画していた。1949年にアメリカの統合参謀本部はソ連の70都市へ133発の原爆を落とす計画を立てているが、この段階における核兵器の輸送手段はSAC(戦略空軍総司令部)の爆撃機。1948年から57年にかけてSACの司令官を務めたのが、日本の都市で多くの住民を焼き殺したカーティス・ルメイ中将だ。SACが1954年に立てた計画によると、600から750発の核爆弾をソ連に投下、2時間で約6000万人を殺すことになっていた。

 その翌年にアメリカが保有する核兵器は2280発になり、1958年には3000発近くにまで膨らんだ。その間、1956年にルメイたちは1000機近いB47爆撃機をアラスカやグリーンランドの空軍基地から飛び立たせ、北極の上空を通過、ソ連の国境近くまで飛行してUターンさせるというソ連攻撃の演習を行っている。

テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授

 当然、こうした動きをソ連は察知したはずで、対抗上、中距離ミサイルをキューバへ運び込むのは自然の流れ。そうした対抗策を予想してアメリカはキューバへの軍事侵攻を計画したのだろう。

 アメリカは自分たちの手駒になる軍人を育成するため、1949年にパナマ運河の近くに軍事訓練の施設「軍カリブ学校」を作り、63年には「SOA」に、また84年にはパナマを追い出され、アメリカのジョージア州フォート・ベニングへ移動してWHISC(またはWHINSEC)に名称を変更している。訓練の内容は反乱に対処する技術のほか、狙撃訓練、ゲリラ戦、心理戦、軍事情報活動、尋問手法などのが含まれている。この学校の卒業生は帰国後、アメリカ資本にとって邪魔な人びとを排除するために「死の部隊」を編成、軍事クーデターも起こしている。

 その間、1973年にはチリで民主的に選ばれた政権を軍事クーデターで倒し、今では中東、アフリカ、ウクライナなどでアメリカの属国になることを拒否した体制を倒し続けている。その手先がイスラム武装勢力やネオ・ナチ。アメリカの支配層はカネ儲けのため、人権を無視して民主主義を破壊してきた。しかも、破壊と殺戮の口実に人権と民主化を掲げている。

 アメリカの一部支配層(ネオコン/イスラエル第一派)がロシアとの戦争へ向かって驀進している現在、キューバを押さえようとしているのは不気味だ。革命の指導者、フィデル・カストロは今でもアメリカを信用していないようだが、当然である。バラク・オバマ政権が本当のことを言い、約束を守ったことを思い出すことはできない。アメリカは嘘の上に築かれた帝国だ。





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最終更新日  2015.07.03 00:03:35


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