1973年3月、重要な情報を政府に隠しているという理由で、ウイットラム政権の司法長官は同国のASIOの事務所を捜索、翌年の8月には情報機関を調査するための委員会を設置した。(David Leigh, "The Wilson Plot," Pantheon, 1988)
そして1975年11月、イギリス女王の総督、ジョン・カー卿はウイットラム首相を解任する。憲政史上例のないことだ。総督は名誉職ではなかった。このカーは第2次世界大戦中の1944年、オーストラリア政府の命令でアメリカへ派遣され、CIAの前身であるOSSと一緒に仕事をしている。大戦後はCIAときわめて深い関係にあった。(Jonathan Kwitny, "The Crimes of Patriots," Norton, 1987)