《櫻井ジャーナル》

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2025.02.05
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 1月7日から31日にかけての山火事でロサンゼルスは大きな被害を受けた。1月31日の時点で29名が死亡、20万人以上が避難を余儀なくされたという。

 その原因として旱魃に強風が重なったからだとされているのだが、その背景にはロサンゼルスの水事情がある。この地域は昔から水不足が深刻で、地下水に頼ってきた。農業の中心地帯では利用可能な地下水が2030年代になくなると推測されている。

 アメリカはエネルギー資源と同様、農作物も世界支配の道具として利用してきた。エネルギー資源や農作物をアメリカに依存させることで世界の国々をコントロールしようということだ。さまざまな国で伝統的な食糧生産システムを破壊したのもそのためである。日本の農業も破壊されてきた。

 アメリカの食糧生産はグレートプレーンズ(大平原)の地下にあるオガララ帯水層に支えられてきたのだが、その水位が低下している。しかもシェール・ガスやシェール・オイルの開発に伴う水汚染も深刻だ。この帯水層は2050年から70年の間に枯渇する可能性があるとも言われている。アメリカに食糧を依存することは危険だということでもある。

 アメリカのバラク・オバマ政権は2014年2月にネオ・ナチを使ったクーデターでウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。アメリカはベラルーシでもクーデターを目論んだが、ロシアから見ると、これはNATOがウクライナに続いてベラルーシに侵攻することを意味する。つまり、新たなバルバロッサ作戦にほかならない。

 経済的に見ると、ロシアの天然ガスをEUへ運ぶパイプラインが通過しているウクライナを制圧することでEUから安価な天然ガスの供給源を奪い、ロシアからマーケットを奪うことで両者を弱体化させようとしたのだが、そのほか鉱物資源を奪い、穀倉地帯を押さえることも目的だったはずだ。ウクライナ支配はアメリカやイギリスの支配層にとって重要な意味がある。

 ところが、ウクライナの敗北によってアメリカの計画が破綻している。EUを弱体化させることには成功したものの、ロシアでは西側企業の撤退で自国の企業が急成長し、中国との関係が急速に強まったのだ。中国が自分たちから離れ、ロシアへ接近することはないと信じていた人びとは狼狽したことだろう。中国とロシアは経済的に強く結びつきつつあるが、その象徴がパイプライン、道路、鉄道などの建設。軍事的にも接近しているはずだ。

 2022年2月以降、ウクライナ軍の戦死者数は約80万人、人によっては100万人以上と推測されている。それに対し、ロシア軍の戦死者はその1割程度。イギリスの​ ベン・ウォレス元国防大臣は2023年10月1日、テレグラム紙に寄稿した論稿の中でウクライナ兵の平均年齢はすでに40歳を超えていると指摘ていた ​。その後、状況はさらに悪化しているだろう。ウクライナの街頭で男性が徴兵担当者に拉致される様子を撮影した少なからぬ映像がインターネット上で公開されている。

 そして現在、ウクライナではパトリオット防空部隊のオペレーターとエンジニアが歩兵として前線に送り出されていると伝えられている。おそらくアメリカ軍に訓練されたであろうウクライナのオペレーターがいなくなれば防空システムは動かない。オペレーターは歩兵として塹壕の中で殺される。つまり、ウクライナは戦闘を継続することが困難な状況になっているわけだ。

 ここにきて西側からウクライナで選挙を実施するべきだとする声が上がり始めた。大統領を名乗っているウォロディミル・ゼレンスキーはすでに任期切れであり、ロシア政府はゼレンスキー政権を正当なものだとは認めていないのだが、選挙でゼレンスキーが勝利する可能性は小さいだろう。

 ゼレンスキーはイギリスの対外情報機関SIS(通称MI-6)のエージェントでMI6長官のリチャード・ムーアがハンドラーだと言われている。そのゼレンスキーが西側に見捨てられようとしている。そうした中、ゼレンスキーはウクライナへ供与された1770億ドルのうち1000億ドルがどこかへ消えたと言い始めた。西側の何者かがそれだけの資金を盗んだというわけだ。これが事実なら、強烈な脅しになるだろう。

 ミンスク合意で煮湯を飲まされたウラジミル・プーチン露大統領は戦争を「凍結」するとは思えない。ドナルド・トランプ米大統領との交渉で戦争を終結させる可能性も高くはない。どのような形にしろ、NATOがウクライナへ入り込むことをロシアは許さず、ネオ・ナチの存在も容認しないだろう。バルト三国やポーランドなどかつてナチスの影響下にあった国々をソ連は制圧して押さえ込もうとしたが、現在のロシアがどのように決着させるつもりなのかはわからない。

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【​ Sakurai’s Substack ​】






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最終更新日  2025.02.05 02:01:24


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