Momente der Geborgenheit
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古い話を書いて恐縮だけど、あのときの気持ちを忘れないために。私たちはその夜風車にいた。友達の父親が築100年の風車小屋を改造して、ダブルの個室が3つ、シングルの個室が4つ、ミーティングルームが3つ、システムキッチンがある企業の研修にぴったりの施設を作ったので、そこで年越しパーティーをしていた。すでに知っている顔もそうでない人も、それから私の親友もみんな一緒に。年がもう少しで明ける、とみんなが花火の用意をしていたころ、私はあまりの眠さに2階のソファーでウトウトしていた。夢うつつの中で2003年という年を思い返しながら胸がいっぱいだった。そこに彼が私を呼びに来る。私の隣に腰掛けて、少し黙ってから思い切ったように言う。「一緒に暮らさないか」この懸案はちょっと前に話題にのぼったことがあって、その時は彼はまだ学生だから早い、とのことで彼自身があまり前向きではなかった。私も急ぐ必要はないとわかっていたから、それ以上話題にすることを敢えて避けていた。お酒を飲んで蒸気した頬が赤く、綺麗な顔立ちによく映えていた。いつも以上にまっすぐ私を見つめる彼を見つめ返す。『よく考えたの?』『いつから一緒に住む?』『私でいいの?』聞きたいことは山ほどあったけど、私は何も口にすることなく頷く。『彼が何かをしようとするときは、いつでも本気だよ』彼を紹介してくれた友達が言った言葉。そのとき、私は彼と付き合おうか、それが正しいことなのか悩んでいた。夏の終わりの宵にふと抱きしめられたことに、私は彼の真意がわからずにとても混乱していた。その時は、その友達の言葉を信じた。一緒に住むことを、彼は彼なりに真剣に考えたのだと私にはよくわかっていた。だから何も詮索する必要なんてない。私の心はずっと決まっているのだし。そして、その直後、年が明けた。新しい年に、新しいことをはじめる。一人ではなく、彼と一緒に。これが全ての始まりだった。
2003.12.31
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